「アールさん…？」

力強い腕の中で発せられた声は、僅かに掠れたような音をしていた。
胸元に触れる頬から伝わってくる体温はとても熱い。

「ごめんなさい、でも、　なんて言っていいのか。
　もう、一緒にいて2か月になるのに、」

自分と彼は、どこまでの本音をお互いに言い合っていたのだろう。
こんな時に、ちゃんと言葉もうまく交わすことができずにいる。











「どうして、私と一緒にいたかったんですか？」

濡れた頬のところだけ、和らぐ熱を感じた。

「寂しくて、不安だったから、ですよね…？」

なぜこんな言葉が口をついて出るのか、自分自身でもよくわからずに何かに諦めたように目を閉じた。




「…今日くらいは、一緒に寝ませんか？
　最後なんだもの。」

疲れた、と思う。
しっかりとした彼の腕に身体を預けられるのは、素直に言えば心地が良かった。

少女はソワソワしている。