「一揆が勃発してから今日で大体2ヶ月といったところか。
…この騒乱はまだ続くんだな…荒野の先に何があるのか、それ次第だろうか」

「決して短くない期間じゃが、兆しはそこここに見えておるようじゃし
解決するのもそう遠くない話だと思いたいものじゃな。
民衆もまだ耐えておるし、彼らの期待には応えてやらねばならぬ」

「そういや一揆とは別に闘技大会？一揆衆同士の力試しみたいなのを10日おきにやってるけど
これがまた普通に開催されるならもうちょっとだけ続くんじゃ、になりそうな気がするね。
まぁ、その間に終結しないとも限らないけど…ほら、結構闘技の方が大事みたいなヒトいるじゃん？
開催するからには多分最後までやりきるんじゃないかなーとか思うね」

「うおッ！？ビックリした…」

「…ふむ、その風体…貴殿もエンブリオのようじゃな。
ここは貴殿や我らの様なエンブリオが集まる場所…集会場や休息所のようなものじゃよ。
それにしても久々の来客じゃな…王城周辺は依然として騒がしいが、ここなら外の喧騒も届かんし
誰が仕切っておるというわけでもないからの、ゆっくり休んでいかれるといいじゃろう。
我はツノツキという、ここに来たのも何かの縁じゃろ、宜しくの」

「コア殿らのところは無事にリベンジ成功したようじゃな、おめでとう。
竜使いもそうじゃが、奥地で待ち受けているものは挑むのに必須と表現して差し支えない技術が
数多くあるからのう。同じ面子で行くと苦労するというのは時々耳にするな」

「ほおー、なるほどのう…エンブリオの個性が優先、もしくは重視されるかたちになるんじゃな。
そのエンブリオを特徴付ける要素は残り続けるというわけか、興味深い結果になったものじゃ」

「元々の性格や特徴だけじゃなくて、何々が好き、みたいな外的要因も個性として残るんだねー」

「ふむ…しかし外の"世界"にはエンブリオがいない代わりに
エンブリオが担っていた事の役割を果たす別のもの…例えば複雑な機械や
魔法技術などによって生活の基盤が確立されている"世界"の方が多いと聞くな。
というよりはむしろ、このメルンテーゼの方が異端というか、特徴的なのかもしれないが」

「それはつまり悲しいかな、我らはお役御免という事じゃからのう…当然それらの機械や魔法にも
我らと同じように、ネクターや生命エネルギーに相当する対価・動力が必要なのじゃろうが」

「…この地に残り、現王のネクター独占に抵抗するということは、そのような外の"世界"の
生活様式よりも今まで通り我らと共に歩む事を選んでくれた、とも言えそうじゃな。
…まぁ、単に新しいもの、慣れないものに移るよりは、という事もあるかもしれんがのう」

「ふむ。我も自身を維持できる最低限のライン以上の生命力を与えられて
はじめて他の技術を行使できるようになるからのう。ガスティ殿と似たようなものかもしれぬな」

「契約すると一度能力全然使えない状態になるよね。それこそそこら辺の動物と同じみたいな。
その後普通は生命エネルギー貰うけど、そうじゃなかったらほんとペットと同じような
扱いになっちゃうって事なんだよね…それは流石にちょっと笑えないなー」

「そうかもしれないな。性格的な相性に関する問題はむしろよく聞く方だ。
そういう場合でも契約主を中心に統率が取れているから、何かそういう作用がある可能性が高そうだ」

「逆に契約主に反抗的なのもいるけどねｗｗｗｗｗｗｗｗ」

「うるせーな、噛み千切るぞコラ」

おなじ　しゅぞくでも　ちからの　つかいみちに　とくい　ふとくいが　あるのは　しかたないか
たしかに　ぼくも　おなじ　つよさの　かぜを　ずーっと　ふかせろって　いわれたら　むずかしい　かも

たくさん　れんしゅう　したから　そこは　たぶん　だいじょうぶ
…まとの　かわりに　してた　ほしくさの　やまに　うまった　かいすうは　かぞえきれない　けど…

どういう　しくみで　なにを　する　ものか　わからないと　つかいかたも　おぼえにくいよね
にんげんは　どうぐを　たくさん　つくるけど　きかいは　とくに　わかりにくい

ここ　しばらくは　だれも　せいこう　してない　せいか　だいぶ　へってきては　いる　みたい
そのまま　いなくなって　くれると　ぼくたちと　しては　あんしん　だけど　むり　だろうなあ