「受付番号11番、11番の人、いませんかー！」

「こんにち・・・。本日はどういったご用件でしょうか」

「はあ・・・先日もですね、申し上げたようにですね、
うちは、そういうの、やってません」

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世間の風は冷たい。べルフィちゃんは、もう使った。
人生のお助けユニットといえるものはもうない。

公共機関もダメだ、あいつらに私の気持ちがわかってたまるか。
どうせあいつらは天下りで役員報酬でぬくぬくなんだ、この前週刊誌にかいてあった。
どうりで私への対応もお役所仕事、政治が・・・政治が腐ってる・・・私の目はごまかせない・・・

いけない、おめめがぐるぐるしてきた・・・
こういうときは深呼吸・・・ひっひっふぅー・・・

街中をふらついてるとどこかで聞いた歌が流れこんでくる

『元気な君が好き、今は遠くで見てるよ♪』

そうだね、お金持ちになったら、
またお友達になろうねってことだよね・・・

くっふぐっふぐうう・・・・

脳裏に浮かぶのは今まで旅をしてて見てきた滅んだ国、人、その姿。
どうしようもない災害に見舞われた国、それまで豊かだったのに
本当に些細な理由から内戦が始まって滅びた国、当たり前のように隣国に滅ぼされた国。

最後まで諦めまいとどう考えても無理なことを
叫びながら倒れていく名のあるだろう人達。
きっと自分でも信じていなくても、
それが責務だと、狂信者のように胸を張る人もいた。
どうせ無理だと一歩も動けない目をした人たちで溢れる中。
そういう人たちは一番最初に死んでいった。羨ましいことなのかもしれない。


やだやだ、気が滅入ることばかり浮かぶ。まあともかく
どんな派手に滅んでも、そんな中で生き延びて、
新しい幸せや、新しい何かを作る人達はいて、
そういう人たちは無理に声をはりあげたわけでもなく、
ただ、ずーっと、辛い間、手をつないでたように見えた。


だから、とりあえず。


スピ子を呼び出す。痩せこけて朧げになった私のエンブリオ、
手をぎゅって握ってみる、目を逸らされる。握り返すそぶりもない。

いけない・・・拗ねてやがるこいつ・・・
頬を軽く張る。ぺちぺち・・・ぺちぺち・・・

「・・・・なんですか・・・」

「一緒に、お金、借りにいこう？」