前回の採用D.o.D.：グババ(2820)2D6 = 8 2D6 = 6

D.o D.：［2D6］
-7：全ての支払いを請求される。次回更新時アイヴォリーは死亡する。
-6：いずれかの部位を欠損する。永久に該当ペナルティを2倍量受ける。
-5：いずれかの部位の末端を欠損する。永久に該当ペナルティを受ける。
-4：いずれかの部位を派手に損傷する。適切な処置が施されるまで部位表のペナルティを3倍量受ける。
-3：いずれかの部位を損傷する。適切な処置が施されるまで部位表のペナルティを2倍量受ける。
-2：いずれかの部位の末端を損傷する。適切な処置が施されるまで部位表のペナルティを受ける。
-1：いずれかの部位から出血し続ける。適切な処置が施されるまで部位表のペナルティを受ける。
0：いずれかの部位から派手に出血する。次回更新時、部位表のペナルティを2倍量受ける。
1：いずれかの部位から出血する。次回更新時、部位表のペナルティを受ける。
2：いずれかの部位から多少出血する。実際の影響はない。
3：運命調律者の気紛れ。今回は支払いは行われない。ただしこの項目は消失しDoDスケールが進行する。
4：運命調律者の気紛れ。今回は支払いは行われない。ただしこの項目は消失しDoDスケールが進行する。
5：運命調律者の気紛れ。今回は支払いは行われない。ただしこの項目は消失しDoDスケールが進行する。
6：運命調律者の気紛れ。今回は支払いは行われない。ただしこの項目は消失しDoDスケールが進行する。
7：運命調律者の気紛れ。今回は支払いは行われない。ただしこの項目は消失しDoDスケールが進行する。
8：運命調律者の気紛れ。今回は支払いは行われない。ただしこの項目は消失しDoDスケールが進行する。

9：運命調律者の気紛れ。今回は支払いは行われない。ただしこの項目は消失しDoDスケールが進行する。
10：運命調律者の気紛れ。今回は支払いは行われない。ただしこの項目は消失しDoDスケールが進行する。
11：運命調律者の気紛れ。今回は支払いは行われない。ただしこの項目は消失しDoDスケールが進行する。
12：意志の力で運命を抑え込む。DoDスケールをひとつ押し戻す。

部位表［2D6］
2：精神。次回DoDロールを-1で判定する。
3：頭部。戦闘設定の枠をひとつ封印する。
4：目。成長枠をひとつ封印する。
5：耳。クライマックススキルが使用出来ない。
6：口。食事が出来ない。
7：鼻。アイテムが使用出来ない。
8：胴。GPを-3する。
9：脚。対象指定が使用出来ない。
10：腕。必殺技が使用出来ない。
11：意志の力で損傷を無視する。今回のペナルティは適用されない。
12：意志の力で損傷を回復する。欠損以外のペナルティをひとつ回復する。


「そう、さな。ヤレヤレ、オレはマダソコまでの境地ニャ到達デキねェよ。」

　老ドワーフの言葉を聞いてアイヴォリーがため息をつく。かつて彼を燃やし尽くさんばかりに身を焼いたその怒りも、自らを責め苛んだ後悔も、失われた大切なものも、そしてもちろん彼にあった栄光も、その全てが今の彼を構成している、と目の前の老いた戦士から聞かされて。アイヴォリーにとっては未だ至らぬ、そしていつか到達出来るのかどうかも定かでない境地だった。もちろんそれは歳経た彼の熟成が成し遂げたものであることくらいはアイヴォリーにも分かる。だが、少年が将来の自分の姿を遥か遠い未来に霞んだ先のおぼろげな影としてしか認識出来ないように、その境地がいずれ自分に訪れるのかどうか、アイヴォリーにははっきりしなかったのだ。要するに、これまでの探索行の中では相手によっては率い手として他の者たちをまとめ上げ、ときに導いてきたはずのアイヴォリーにしてみても、このドワーフの前では幼い生徒に過ぎないということなのだった。

「ま、今んトコは、文字通り“生きる”のにセイイッパイだしねェ。」

　いつか自分もそうした境地に到達出来るものとして、少なくともそのためにはそれまで生きていなければならない。明日にも“返済”を求められるかも知れないアイヴォリーにとっては、雲を掴むような話だ。それでも、だからこそ生き延びなければならない。こうして、自分を支えてくれる者があるのだから。そう感じて、アイヴォリーは老練のドワーフに笑ってみせた。素直で険のない、アイヴォリーにしては珍しい笑い方で。それは、今の状況をどこかで楽しんでいるかのような、満更でもない笑みだった。
　実際、あの破滅的な感情の谷底から脱出してから、今の状況を楽しんでいる自分がいることに、アイヴォリーは気が付いていた。それは遠い昔にしか感じ得なかったもの。妖精騎士として彼女の傍らに有り続けた間では感じられなかった類の感情だった。無論、信頼し愛する者が傍にいるという安心感はあった。だが、安定し、連携し、そしてもし失敗しても死ぬことがない、という事実はどこかで彼を鈍らせていたともいえた。当然攻撃を受ければ苦痛を伴うし、それこそ死ぬほどの攻撃に曝されればアイヴォリー本人が言うように“死ぬほど”痛いのだから、それを回避しようとするのはそうだ。だが、どうあっても負けることがない、戦闘に敗れたとしても生命として終わりを迎えることがないと分かっていたあの時間は、いうなれば公正な勝負ではなかったのだ。一方的に自分だけが負けない戦いなど戦いではないし、それは勝負ではない。その環境から比べれば、今のアイヴォリーは逆に彼自身が不利を受け入れた状態な訳で、むしろ彼にしてみればその方が健全な勝負だといえた。少なくとも、アイヴォリーにはそちらの方が楽しめる、ということだ。


　料理をしているアイヴォリーの背後に気配があった。どうにも料理をしている最中は話しかけやすいと思われているのか、昨日に続き今日も用がある者があるらしい。確かに肉体をそれほど使っているようには見えないし、見様によっては暇そうに見えなくもないのだから、延々と反復作業で短剣の訓練をしているときや、人間離れした集中力で装備品の整備をしているときに比べれば話しかけやすいのだろうが。

「……ってことで、今日は渡す物もないしなー。
　えーっと、お菓子でも食べる？」

　気配に振り向いたアイヴォリーにかけられたのは、そんな言葉だった。見ればシェリーの相方である妖精が目の前にいる。彼女が差し出していたのは、良くあるような焼き菓子だった。
　正直なところ、彼女のことは良く分からない。その羽を見れば妖精であることは分かるのだが、その内面が掴めないのだ。それはメイリーがシェリーを紹介して四人で共同で探索を進めた頃からそうで、今でもあまり変わっていない。何しろ言動が唐突でしかもそれが意図しているものなのかそれとも天然なのか、その見極めが出来ないために距離感を掴み兼ねているといったところだった。

「おゥ、アリガトよ。」

　差し出された焼き菓子を受け取って一口齧る。何てことはない、何の変哲もない、良くあるような砂糖と卵、小麦の味。
　口の中で咀嚼しながら、アイヴォリーがじっと手の中に残った一欠けを見つめている。それはあまりに真剣で、どこか切迫したような、あまりにそぐわない表情だった。

「……長ェコト、人に甘ェモンを食わせるばっかりでこうしてもらうコトナンざなかったからねェ。」

　口の中のものを飲み込んで、ようやくアイヴォリーがぽつりと呟いた。何かを思い出すように、感慨に耽るように。記憶を慈しむように。

「アリガトよ、結構嬉しいぜ？」

　メアリーに目を向けて、アイヴォリーは遠い目で微笑んだのだった。

D.o.D.： 2D6 = 8 ( 3 5 ) Parts： 2D6 = 7 ( 5 2 )

DoD 2D6 = 8 ( 3 5 ) 　部位 2D6 = 2 ( 1 1 )