しまった。
ローレライを狙った攻撃が、大きくそれてソウハに直撃してしまった。
アラヤがあんな動きに惑わされるなんて・・・。
もう同じ手はくわない──

*----*----*

二度目の誤射をすることなく、邪魔者を片付けることができたが・・・。
早足でソウハに歩み寄る。
見たところ重傷ではないが、それなりにダメージを受けてしまったようだった。

素直に謝罪する。
今アラヤはどんな顔をしているのだろうか？

周囲を見渡し危険がないことを確認して再びソウハに声をかける。

適当な場所に火を起こし、お湯を沸かす。
荷物の中から緑茶の茶葉を取り出し・・・お茶を淹れるなんていつぶりだろう？

手際よくお茶を淹れてソウハに差し出す。

その日は二人で他愛もない話をして過ごした。

*----*----*----*

翌日。
いつものように朝食をとって、いつものように周囲を探索する・・・はずだった。

朝食の用意をしているところに近づいてきたアヒルが、あろうことが食料袋を持ち去ってしまったのだ。
それに気がついて慌てて追いかけるソウハ。さらにそれを追いかけるアラヤ。
朝の庭園が一気に騒がしくなる。

しばらく追いかけてよやくアヒルを追い詰めたものの、騒ぎを聞きつけた魔物が二匹ほど集まってきた。
追い詰められたアヒルも逆ギレ気味に戦闘態勢に入っている。
思わず溜息が出そうな状況だが、邪魔者は排除するしかない。