サバスやギルらと、魔神と、新王――にとり憑いたものと。
　事態が混然としている。三つ巴、いや、我々を含めて四つ巴か。
　他にも何のために攻めこんでいるのかわからない者らも居るが。

　事件の発端はやはりエンブリオであったこと、
　倒すべき相手がもう一人増えたらしい、
　という二点においては私が容易に理解し得た所である。
　
　ネクターを半ば取り戻したとはいえ、
　星も訴えかけている。世界に終焉の息吹がかかる。
　他の可能性を私はまだ聞いていない。
　
　エンブリオとは、胚とは、命力を食いつぶして、如何な実を結ぶのか。　
　きっと智慧あるものは先を視ているのだろう。
　私は一度みつめる必要がある。足元の暗い影を。
　

まさか定番すぎるダジャレが受けるとは思っておらず、目を白黒させる。

取り乱すナスルを両手で制する。

少し、自身無さそうに答えた。

ひび割れた頬をいたわるようにぷにぷに指で挟む。

浮かない表情で、ぽつりとつぶやいた。

ナスルの『割れっツラ』という言葉に、改めてまじまじと相手を見る。

　
　　なんだかとっても焦げ臭い！