シルキーに惑わされたソウハの三連撃がこちらに飛んでくる。
いきなりのことで反応できず、攻撃が頬と肩口を掠めた。
我に返ったソウハが申し訳なさそうにこちらを見ている。
動きに支障はない程度の傷なので戦闘を再開する。
ゾンビの再生力は鬱陶しかったが問題なく押し切れた。

戦闘が終わるとソウハが申し訳なさそうに謝りながら傷の手当をしてくれた。
ただの掠り傷だから何ともないと正直に伝えた。
ソウハはどこかホッとしているようだった。

*----*----*

手当ても終わり、満を持して地下牢の外へと出る。
そこは先ほどまでの地下牢とはうって変わって、眩しいほどの光と水で満たされた神秘的な園だった。

ソウハは地下牢にいた時とは別人のようにはしゃいでいる。
そんな様子を見ているとなんだか温かみを感じた。
その矢先、ソウハが盛大にずっこけた。
呆れながら歩み寄ろうとしたが、ソウハの足に何かが絡み付いているのを見て身構える。
何かの触手のようにも見える。

術式を展開し、斬撃を飛ばして触手のようなものを切断する。
切断された触手が引っ込んだ先を目で追うと、そこには巨大な・・・イソギンチャク？
その奥からは半分人型の魔物が出てくる。

先に手を出してきたのは向こうなのだから、敵で間違いないだろう。

ソウハもやる気満々のようだし、さっさと蹴散らしましょう。