いつものことながら、リレッタさんの料理は飽きがこない。
食材なんて限られてるはずなのに、あのレパートリーの豊富さ。
いつも通りの食事時。

少しだけいつもと違ったのは、あいつが食事にいないこと。
うるさい奴がいなければ、静かにご飯を食べられる。
いーわよいーわよ、先食べちゃいましょ。私おなかぺっこぺこなんだから。
そんないつも通りの食事だった・・・はずだけれど、
どうせその辺ほっつき歩いてるだけだと、そう思ったのは、どうやら少し間違っていたのかもしれない。




「───、───」




──ばん！

思わず机に手を付いて立ち上がる。椅子が後ろにふっとんだ。


「は！？　あいつただの散歩にいったわけじゃないの？
え、待ってよ。様子おかしいかもって、そういえば、じゃ、ない、のよ」


私自身、何言ってるのかよく分からないけど、その時は、なぜか、慌てたんだ。


「どうしてもっと早く言ってくれないのよ！　バカじゃないの！」


耳を澄ましたって、聞こえない。聞こえるわけない。
気づけば私は、外へ駆け出してた。


「あーもう・・・あのバカ・・・！」

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レグルスにはある程度の予測があったのか、
驚くでもなく、最初からどこか落胆が滲んでいた。

そう言うとどこかへ言ってしまった。

なんと返したらよいのかわからない様子で、曖昧に、困ったように微笑んで見せた。