――とうとう、あいつを殺した。

思った以上に呆気無い最後だった。
当たり前だ。そのために十分な準備をしてきたのだから。

Speed, Surprise, Violence of Action.
超常殺しの鉄則――どこの次元の言葉だったか。
結局のところ、今回のもお約束通りの殺しに過ぎない。


――そうして、今度こそ、あたしのやるべきことは終わった。
依然としてメルンテーゼには呼ばれるみたいだが……まぁ、そんなことは些事だ。ここの大局に興味が有るわけではない。どうやら大勢より出遅れていたらしいこともあるし、自分が居ても居なくても問題はないだろう。


――初めてだ。人生で、やるべきことがない時間というのは。
この間も同じようなことを言った気もするが。今度こそ、全部終わったのだろう。
後は、いずれ来る死を待つのみだ。

そう。いずれ来る死を。