「今日は炬燵リベンジだ」

「炬燵リベンジ！？」

　エルは謎の機械を組み立てていた。真っ赤な球体で、空中に浮遊している。それに針金で土台を固定しているのだ。ミズリィはそれを隣で見ていた。

「また火を吹かないでしょうね」

「今回は上位版だ。火の精霊を閉じ込め、制御させる。つまり、安全だ」

「火の精霊裏切りそー」

「信頼と信用を身体に教え込ませてやるから大丈夫」

　そう言ってエルは金色の輪を取りだした。それはリストバンドくらいの大きさで、エルが手で引っ張るとゴムのように伸び縮みした。

「これを火の精霊の首にかけておくことで、裏切りそうな時締め付けるのさ」

「ナチュラルに残酷な装置ね」

「さあ、精霊を召喚するぞ」

　エルは魔法を構築する。しかし、エルの魔法はまだ完全ではない。魔法陣は崩壊し、火の粉が散って……。

「お前らの考えはお見通しだー！　バカヤローッ！」

　勢いよく火の精霊が飛び出して、エルの手から金色の輪を奪う。そして、その輪をミズリィの首にかけてしまったのだ！

「みたか！　俺は奴隷になんてならないぞ。この女を逆に奴隷にしてやる！」

「え、エルー！　助けて！」

「しまった、高位の精霊だ！　わっかの制御を奪われて……」

「ハハハ、バカヤローッ！」

　そう言って火の精霊は空の彼方へと消えてしまったのだった。

――つづく