巨大イカをあっという間に倒したアラヤたちは、胡散臭い金髪少女と別れた。
巨大イカからゲソを数本もらってから。
その日の晩ご飯はもちろんゲソ焼きだった。

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次の日も今までと同じように森の中を川に沿ってずっと進む。
しばらく進んでいると森の終わりが見えてきた。
川は森を抜けて荒野へと続いていた。

どうやらソウハはこの荒野に見覚えがあるらしい。
そこで川沿いを離れて、ソウハの案内で荒野を進むことにした。

しかし・・・。

いったいどれくらい歩いただろうか。
先ほどからソウハの様子がおかしい。
目が合うと、困ったような笑みを浮かべる。
どうやら道に迷ったようだ。

溜息をつきながら周囲を見渡す。
どこまでも渇いた世界が続いている。

今さらにそんな後悔しながら再び周囲に目をやる。
するとさっきは気づかなかったが、よく見ると岩の陰に地下へと続く入り口があることに気がついた。
近づいて調べてみると自然にできたものではなく、人工的に作られたもののようだった。

覗き込んでみると、中はひんやりとした空気に満ちていた。

暑さと疲れでダウン気味のソウハを一瞥すると、ひとりで中の様子を見に行くことにした。

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階段を下った先で目にしたのは、鉄格子と怪しげな器具が並ぶ場所だった。
どうやら地下牢のようなものらしい。
ゆっくりと奥へと進みながら、周囲を観察する。
一応水も通っているし、簡易寝台もある。
とてもじゃないが綺麗とは言えないが、休むくらいはできるだろう。
何より涼しくて、日差しを避けられる。

とりあえずソウハの元にもどろうとしたとき、突然視界の端が明るくなった。
反射的に後ろへと跳躍すると、アラヤが一瞬前まで居た場所を炎弾が通過した。
炎弾が放たれたであろう場所を見ると、蠢く影がいくつか視認できる。
シルエットからしておそらく魔族。
そして先ほどの攻撃から推測するにおそらく上位の魔族ではないはずだが・・・。

本来なら相手にせずに逃げるのだが、今は場所が悪い。
狭い地下では飛んで逃げることはできない。
それに走って逃げたところで、すぐに追いつかれるだろう。

覚悟を決めて戦闘態勢をとったそのとき、アラヤの前に蒼い影が躍り出た。
その後姿に、安堵と申し訳なさが一瞬だけ浮かんでは消えた。
それに、今はそんなことを気にしている暇はない。

蒼い後姿に一瞬だけお姉ちゃんが重なった気がした。