…どうしよう、これ

いーちゃんが栽培してるマタタビの実なんだっけ？

うん。どうにか料理してみようとはしたんだけど、なかなかうまくいかなくて。

むにちゃんが料理できないって相当よね、それ…

それでも食べようと努力はするあたり、さすがですわね

なんか捨てるのはもったいないしねぇ。何よりマタタビだし

生のまま食べるとむにちゃんや私が正気保てなさそうなのよね…

むーちゃんも生でたべるのはよそう？

わーっ、ティンニンを探せー

ドラゴンマウンテンで私と握手！
タイミングがあったら、一緒に行きたいね！

そして片眉を剃る

マヨネーズ……確か、黄色いアレですか。野菜などに使う。

フーさんマヨネーズ知らねえのか？

普段は使いませんね。ですが、村で見たことはあります。

そこにあるマスタードに生クリームとお酒混ぜて冷やすと出来上がるぞおお

……。

ヒリヒリする。

でしょうね。

……そいや、毛玉って卵生？　胎生？

どちらでしょうね。妹や弟などがいれば、それも知り得たのでしょうが。
竜的には卵生でしょうが、獣混じりと考えると胎生やもしれませんね。

よっ、ほっ、ふっ♪えいっ

ちなが作ると案外油っぽくなるのよね

あー、そういえばあそこ肉らしい肉はないもんねー、折角だし今むにちゃんが作ったの分けてもらえばいいんじゃない？

わたしもほしーっ

エンブリオの恩恵がある今ならそれなりに狩り放題のような・・・

いや、だめね。周囲の動物が滅んじゃうわ

おーっ？むにちゃんがオトされるのも時間の問題かなー？

これは生えそろったらあっさり陥落しそうだね

その間むーちゃんはわたしが相手をしておいてあげよう

すまない。助かる。
なあに、ナイフとフォークでも魚は食べられるものだ。
私の文化圏でも魚料理は供されるのだしな。
どれ・・・。

カレイは小骨は少ないが、側面に多くの骨がヒレと共についている。

まずはこれを綺麗に剥がせば・・・。

ふむ・・・。

うむ。美味だ。
西洋のような華は無い。だが、素朴で優しく、暖かい。
素材の味を一つ一つ、エキスの一滴まで無駄にしない。
手間と気持ちのこもったいい料理だ。

先ずは何と言ってもメインであるこの煮付けだな。
醤油、砂糖、あとは酒であろうか？少し馴染みのない風味がするな。
だが硬くなりすぎず、煮崩れもせず、しっかりと噛み、その度にうまみが味わえる逸品に仕上がっている。
東洋の民は西洋の民と比べて舌が鋭敏で味にうるさいとは聞くが、それも納得出来るというものだな。

次にこのスープだな。
味噌汁と言うのであったか？
東洋の民は大豆一つから様々な調味料や食材を作り食すと聞くが、これはまさにその最たるものだな。
だが味噌の塩気だけではなく、他のエキスも存分に溶け出している。
体が芯から温まる。
とても良いものだな。
ほうれん草の緑も、彩りがあって良い。
塩気の中に感じられるほうれん草の甘みと渋みもまた、良いものだ。

この茶碗蒸しとやらは、プディングのような甘味かと思っていたのだが、これもまた一つの副菜なのだな。
卵と共に魚介由来のエキスの甘みと旨味を存分に感じる。
添えられたマロンもまた良いものだ。
柔く喉ごしの良い卵の中で居て、歯ごたえとホクホクとした充実感を与えてくれる。
和の食事とは一つ一つがとても繊細に作られているのだな。

そしてこの和のピクルスか。浅漬けと言ったか？
これもまた歯ごたえが良い。
こちらのピクルスは完全に香辛料や酢で漬けてしまうからな。
あまりキュウリそのものの味や青臭さを味わえないものだが
この浅漬けと言うものはあっさりと薄い味の中で野菜の食感や臭いが生きている。清涼感があって良いものだな。
醤油で塩気を足せばライスにも非常によく合う。
他の野菜でも試してみたいものだな。

「ご馳走様」と言うのがそちらの礼儀なのであったな？
ご馳走様だ。非常に満足の行く食事であった。
今度は是非きちんと箸で食べられるようにしたいものだな。
そのうちまた、お前の料理が食べたいものだ。
その時は私も気に入っている菓子や茶を持ち寄ろう。
ありがとう。

どーーーーーーーーん！！

さすがうーちゃん、陽動させたらピカ一ね

おでこだけに！？（ピカッ）

…このいちいちウザいのがたまにキズだけど…

さらっと毒吐いたでござるな、くす殿…

さあ、いこう、皆！

ふふふ…助太刀しますよ！

うん、いくよーっ！

よーし！がんばるぞ！

『軽く捻ってやるのだ！』

よし…行くぞ！

何かおもしろいものないかなー♪

避けては通れんか・・・。仕方があるまい。

ちょいと仕置きをしてやろうか。

ちょいと仕置きをしてやろうか。