（※この日記は、Eno883リオンさんからの続きになります）


露天風呂に入ってしばらく話をしているうちに、身体もだいぶ温まってきた。

そろそろ次のお風呂に行ってみたいな、と頃合いに彼に次のお風呂へ行くかの提案をする。

そう彼に問いかけると、ざばん、とお湯から出ながら彼が言う。

蒸し風呂なんて聞いたことも見たこともなく、想像がつかないが、お湯が蒸発する温度はわかる。

そんなお風呂に人間が入って大丈夫なのだろうか……。ちょっと不安になる。

ちょっと心配そうに聞くぼくに、彼は蒸し風呂への扉を開けながら答える。

そういって促されて、蒸し風呂の中へ入る。

彼は寒さにも暑さにも自分よりも強いほうとは言え、極端に強いわけではないので、そこは安心して入ることにした。

第一、危険施設がこんな娯楽施設にあるわけがない。脱水症状はお風呂のつきものなので、そこは分けて考えることにした。

おずおずと足を踏み入れると、自分を迎える熱気に思わず顔を一瞬しかめるが、思っていたより熱くない熱気に身体が包まれ不思議と心地良い。

リオンも中に入ってくると、その辺りに腰掛ける。

彼が座るのを見て、ぼくもすぐ横に並んで座る。

全身にまとわりつくような霧、それが暑さを若干抑えているのだろうか。

思っているより入りやすい、が、汗のようにたれていくのを見て、本当に蒸されているようだ。

リオンがぼーっとしている。

ぼくもだいぶぼやーっとしてきた。頭がぽーっとする。





リオンが「あっつーい！」と言うと、立ち上がり、蒸し風呂を出て、すぐ外にあるお風呂へざぶん、と浸かる。

ぼくも後へ続いて外へ出る。……水風呂のようで、リオンが冷たそうにしている、が気持ちよさそうだ。

ざぶんっ、と勢いで浸かると、全身を電撃が走るように冷たさが駆け抜ける。

冷たいが、徐々に慣れてくると心地よくなっていく……のだろう。

リオンはもう気持ちよさそうな顔を浮かべて居るが、さすがに長い間はつかるのは寒いようだ。

そういうと、彼は室内のお風呂――花の湯へと向かう。

ぼくも後を追うように冷たい水風呂から出て、花の湯へと向かう。

まだ慣れるまで入るのには時間がかかりそうだ。

お湯に浸かると、一瞬で冷えた身体を暖かく包み込む。

二人で並んでぬくぬくしている。

リオンも心地よさそうだ。ぼーっとした顔からだいぶしゃっきりしている気がする。

そう言われてよくよく水面を見てみるが、油が浮いている様子は見えない。

だが、身体にすーっとする感じがしてくる。暖かいけど、ちょっと涼しいような、不思議な感覚に包まれる。

すーっとした感じで、お風呂に入っているのに入っていないような空中に居るような不思議な感覚。

発汗を抑える効果があるのか、上がった後汗かかなくて夏人気だとリオンから説明を受ける。

油でべとべとしてしまわないのか気にしていると、この広いお風呂に数滴程度しか入ってないようだ。

入れすぎてひりひりしちゃうとはそんなに強いのか、とびっくりする。

リオンがうんうんと、頷いて言葉を続ける。

リオンがふぅー、と大きく息を吐くと、上がろうか、と促す。

ぼくたちは浴場から出ると、各々身体を拭いて、服を着る。

服を着ても、すーっとした感じが残り、涼しさが残る。

あとでナナシさんに売ってもらおうかな、などと話をしながら休憩所へと向かう。



休憩所へたどり着くと、二人向かいあう形で座布団に座る。

途中でリオンに買ってもらった牛乳を手に持ち、一緒にごくごくっ、と飲む。

二人顔を見合わせて笑い合う。



リオンは牛乳を飲み干すと、竹枕を持ってきてごろんっ、と転がる。

ぼくは寝転がったリオンの横に移動すると、リオンの背中をもみもみマッサージする。

そう言われると、嬉しそうに微笑みながら、リオンの背中を優しく撫でる。





気が付くと、リオンからすーすーと寝息が聞こえる。

気持ちよすぎて眠ってしまったらしい。

そういうと、ぼくは横に並んで寝転がると、ぴとっ、とリオンにひっつく。

彼の暖かい手を優しく握り、彼の寝顔を見て幸せそうに微笑む。

しばらくすると、二人ならんですーすーと寝息が聞こえてくる。

ふわっ、と優しく二人に毛布がかけられる。

平和な時間が流れていく湯屋の一時。








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Eno883のリオン君と、Eno139のナナシさんお借りしました！

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ほんの少し目を伏せてそう言って。

こちらは髪については言われ慣れているのか、あまり気にしておらず、
続く言葉には、くっと笑って。

長くたれた前髪の先をつまんで首をかしげる。

少し何かを考えるようにして、利き手を軽く握ったり開いたりして。

ことばには　うんうんと　うなづいて

自身の身長を気にしている事はこの流れだととても言えないようだ。

そこまでのものとは考えていなかったらしく少し驚いている。

すぐに笑顔が戻る。

荷物から何かを取り出す。クッキーの型のようだ。
カボチャ、コウモリ、猫など色々な形がある。

　真剣に悩んでいる。

　親でも親代わりでもない流浪の術師を、そんなに信頼できるものなのだろうか。
　何か、彼が心酔するに足る出来事があったに違いないが――。

　神を頂点とする魔法支配構造、という印象で受け取っている。王政なのかどうかは判別できないが。
　少なくとも、ディストピアにかなり近い世界なのではないだろうか。
　狐は闇を好む妖の血が騒ぐのを堪えながら、ゆっくりと彼の世界の物語を咀嚼していく。

　表現もどこか、平和な人間の感性からは大きくズレている気がする。
　それだけ過酷な現実を眺めてきた、ということなのだろう。

　笑って説くが、手のひらサイズの小鬼が血を浴びるや、苦悶を浮かべる暇もなく爆散したのには顔をしかめた。

　感心の吐息をつきながら。
　彼が油断しているならば、すっとアリエスの腕をとり、親指を躊躇いなく口に含むだろう。
　もしそうならば、ねっとりとしゃぶるように消毒し、にこりと笑って「悪くない」と言うはずだ。

　言うが早いか、少年を抱きしめようとする。
　背丈の差からすれば、ちょうど立ったまま胸の合間に収まる位置だろう。
　なお鼓は、和装を美しく魅せる着こなしをしている為、見た目に反し相当にふくよかである。

　幸いにもこの世界の医療系魔術は悪用しにくく出来ておるようじゃが、と続け。

　師匠が悪人ではない、という証拠ではあるのかもしれない。
　とはいえ善人でもないのだろう。希少な聖血の持ち主に、まるで普通の人生を歩ませているのだから。

　親を守れなかった一件が出会いかと思ったが、どうやら違うらしい。
　なぜかほっとする反面、故郷を置いて出奔している現実に予感めいたものを覚えもする。
　自分ならばきっと「好きな子」を追い詰めた側も自分だろうな、と想像をめぐらしたが口にはしない。

　適当な言い訳を適当にでっちあげながら、

　尻尾で首筋をくすぐりながら、そっと耳奥へ舌を差し入れた。
　もう全然糸など探してはいない。もし見つけてしまったら、逆に舌打ちしてしまうことだろう。

反対側に曲げながら指が元の感じに戻していく
ペキっと軽い音をたてながら戻るのを感じ、なるほど関節が少し外れてたのかな
なんて思えるくらいには慣れてきた

ペキ　ペキ　ペキ