さてさて、山岳には如何様な化物が住まうものか。

えっ、え……プリンセス？あれ？それってお姫様……。
でもお姉さんの腕枕で寝るのはいいよ〜。寝心地よさそう。

えっ、なにそれ……周囲に殺人事件……？
ぼくの周りでそんなに殺人事件起こってないよ大丈夫だよ……。

他の人にかけられるの、ってすごいの？
自分には確かにかけてるみたいだけどね〜、ぼくが最初に見たときから師匠の見た目変わらないし。

あ、そのときは2年分だったんだ。
それからぼくも見た目変わらないから……知らない間に師匠に何かかけられてるんだと思う〜。

うんっ。みんないい人たちばっかりだよ〜。
意地悪する人はいたけどねっ。やな感じじゃなかったけど。

でも、でもね。
お姉さんがいう「黒いひずみ」ってあるんだよ。
ぼくのいたところには居なかっただけで、名目上は都市の防衛のための設備施設所なんだけど、そういう人が集まっていく場所で……。

おじいちゃんは、「聖の中にも『悪』は必要だ。」って言ってたけど……。
ただ、すごい対応には困ってたよ。でもそういうバランスがいいんだろうね。

うーうん、そういう人たちは魔法じゃできないことを仕事にしてる人が多かったよ。
鍛冶屋さんとか……そういう職人の技、って感じっ。

戦争が起こると忙しいかも。血塗れの内臓とか、ちぎれた手とか見慣れちゃった。

大丈夫？ほんとうに大丈夫？
ぼく、血中聖水濃度すごく高いから……危ないよ。

お姉さんがこういうものの塊だったら……絶対触っちゃだめだよ。
お姉さん強そうだから……消滅しちゃったりはしないと思うけど。

そんなにぼく子供っぽくないのかな〜？
自分では全然そんな感じじゃないんだけど、大人の人たちとずっと一緒だったからかなやっぱり。

ふえ……。なんで、泣く……？

なんでだろう……。その時のことを思い出しちゃうから、かな……。

幼い自分に守る力なんてないし、お父さんお母さん……居ないの悲しいけど、今はお兄ちゃんたちもいて、リオンもいるから寂しいっていうのはないから……。

ぞんび……？なんかそうやって聞くとすごいぼく危険に感じてきたかも……。
ぼくはそういう魔法知らないけど、知ってる人は危ないのかな……。

神の力〜だったら無尽蔵に魔法使えちゃうもんねっ。
お姉さんは何か借りてるの？自分の力？

うんっ、使える〜。
ただ、浄化されちゃう人は浄化しちゃうからだめっ。

力を貸してあげるー、ってそういう契約みたいなのじゃないよ？
どっちかというと「私の教育力をもってしてあなたを鍛え上げて上げましょう」って感じ。

……好きな子を守る力がその時のぼくにはなかったんだ。
わらでも掴む思いだったんだ。そんな時に現れたのが師匠で……。
あとで考えてもタイミング良すぎだし、なんかたくらみあるんだろうけど、
ぼくを本当に強くしてくれたから、それは変わらない事実だよ。

だから、ぼくは師匠を信じてるんだ。
「何かするけど、悪いことはしませんよ。」って言わなくてもいいのに、わざわざぼくに言うぐらいだしねっ。

え、ちょっ、お姉さんっ……。

わ、わ……あ……っ。み、耳噛んじゃだめ……っ。
お姉さんどうしたのっ、こ、こんなのだめだよっ。
し、師匠の糸って何っ。

セレスの名前使うのはいいけど・・・あんまりやると本人が怒るからほどほどにね？

ラーフィーじゃって、そうやるつもりじゃったんじゃろ？

まぁ、それはそれでいいけどさ。ツヅリさん、九尾狐エンブリ出て捕まえるとしても、同じ種族をそういうふうに扱えるものかなぁ？

ちょっと待てい！！それはそれってどういう意味じゃ！！

ふむふむ。ツヅリは元々悪狐じゃったわけなのじゃな・・・。ふむふむ。けーけんほーふなわけじゃ。（とメモ帳に色々と書いたり消したり付け足したりしている）

２４時間茶飯事一緒じゃと面倒くさいし疲れるじゃろうが。お互いがお互い一線を引く。これが長く付き合うことの秘訣よ。
あと、酒は強いぞよ、わし。さすがに体の体積以上には飲めんがの！

あれ？ツヅリさんに言いませんでしたっけ？ボクの国の敵の影人は音楽に弱いんですよ。なので、音楽部隊というのが居るんです。
ボクはそこの副隊長を務めてました。

おかげさまで、"楽器"と付くものなら大抵演奏できるようになりましたよ。法螺貝から太鼓からオルガンバイオリン大抵できますね。

あれじゃな！！"綺麗な蛇には毒がある"っちゅうやつじゃ！

まぁ、ぬしみたいに言葉に毒がないがのぉ？

しょーがないのぉ・・・。わしが美人すぎるゆえに物分りが良すぎるからの！！
されど、わしゃ百合だの何だのにはあんまり興味ないんじゃよ。

・・・・・ふむ？

赤外線ってなんじゃそれ？！

ツヅリさんはそんな尻軽女じゃないもんね。

なんじゃか、ヌシが言うと妙に説得力があるのぉ・・・。

王を討ち果たす・・・かぁ。他にも道がいくらにでもあるはずだったんだよね。
王を説得して、一緒にあの魔法陣と鏡を破壊する方法を考えられれば・・・もっと何とか出来る確率が高かったはずだし。

後先考えずに、その瞬間だけを考えた自己満足だったかもしれないんですね。

何度も言うておるけど、今更そんなこと考えてもしょうがないじゃろーが。
じゃからこそ、今は仲間を募ったほうがよいと・・・。

宿命？そんなもんは糞食らえじゃよ。誰だってそうじゃし、ぬしだってそうじゃろ？自分の好き勝手に生きたい。やりたいことをやっていたい。本来ならわしもそうやって生きていきたいのじゃよ。
じゃからこそ、わしは日記を書いたりラーフィーについていったりしておる。

まぁ、わしだっていきなり何らかの強制がはいって知らん者を導けと言われてもやだしのぉ・・・・。

だからといって、簡単に出来る出来る！と言えるわけがない！
"あれ"の脅威を知らずに襲ってくる敵に怯え、自分たちが普通の人間じゃないと怯えて暮らし続け、ようやく見えた本当の敵が古代の神だの悪魔が作った神器！
確かに放置して他の国だの大陸だのに移住するという考えもありましたけど・・・・・

あの土地はボクが生まれ育った国・・・場所なんです。だからこそ、ボクが・・・・セレスの言葉を借りるならボクらが何年もかけて正常な土地に戻さないといけないんです。

誰もできなさそうなことをやってみる。それって、格好良いじゃないですか。

ありがとうございます。
百合は好きですが、群生する園は興味はあまりないのです。
お申し出ありがたいのですが辞退させていただきますわ。

それではこの辺で。（ぺこり）

そっか……しっぱい、しちゃいけない、ばめんも、あるから、
せいこうしても、しっぱいしても、いいことって、すごく、
大事、なのかな。

……にげなきゃ、いけないような、ことに、なりたくは、ないな……
がんばっても、しっぱいするときは、するのかも、しれないけど……

……そう、なのかな？　話してる、間に、せいちょう、できてたのかな……

自分だけ、一人って、とりのこされたような、きぶんに、なる……
だから、明るくなると、すごく、安心する。
……じかんは、あるけど、何に、使えば、いいか、わからない。

たしかに、考えても、どうしようも、ないなら、
考えない方が、よさそう、かも。
死ぬのが、いつかなんて、わからないし……

……んー、今のボクの、きおくと、ゆめの、せかいが、
まざって、おかしい、くうかんに、なっちゃった、気はする……
ようせいは、何も、知らない、みたいだし。

んと、しゃしんは、みおぼえ、ない。
……読める場所は、ひらがなの、ぶぶん、だけ。
かんじで、かかれてるところが、多かったから、内容は、わからない

……んー、読めないからって、ないよう、りかいするの、
やめちゃったから……わからないところも、あるかも。
でも、読めるようになれば、ある程度、わかるぶぶんも、
出てくるとは、思う……

ん、ごめんね。
からだに、あわないもの、とりいれるのは、よくないから……
お酒、飲めるように、なれたら、いいな。むずかしい？

ん……やっぱり、話し、聞かないことには、なにも、わからないんだ。
見つけ出したら、まず、話を聞かないと……

ん、見てみたいのは、わかる。
……のうじょうは、まず、ふつうに、いっき、してたら、いけないから……
前みたいに、お金、払いすぎて、いけるように、ならないかな……

……ゴンザブロウさんは地味に酷いですよね、
妖精たちなにもしてないのに……

……あ、勉強が嫌いな子のことまで考えてませんでした。
誰かが極端に居づらくなるのはよくない、ですね。

ええ……あの子はいつの間にか、立派に自分の意見を持つようになって……
私が教わる場面もあるくらい。
もう私がずっとそばにいる必要もないかもしれませんね。

どんな悪いこともしちゃいけないんですっけ。
そんなちっちゃな悪いことは許してくれるといいんですけどね……
そう考えると、たしかに私の故郷は理想の天国に近いのかもしれません。

あの子がお酒を飲んで倒れた時のことですか？
……いえ、何も聞いてませんね。

この戦いの先に、あの組織に鉄槌を与えるモノになるというのなら、私は、勝たなくちゃいけない。
……私の事を頼ってくれるあの子たちの為にも

ふむ。……話し合いで解決すればいいものを。
仕方ないのう。――ほれ、掛かってくるがよい

……大丈夫。必ず勝って君のためのネクターを手に入れてあげる。

だから頑張って勝とうね、ジュリ。

やれたね……　うん。　調子が良いなっ
次の戦いでも同じようにやらなくてはな。

ふふーん。
どうじゃ、儂らは強かろう？

おつかれさまっ。
凄いねジュリ！随分強くなっててびっくりしたよ。

ふぅ……　彼らの犠牲は無駄にはしないわっ……　
私は……先に行くわ……

彼らの遺志は私が……

うむ、異存は無い。――往こう、先へ。

ふふふっ　いいモノ見つけちゃったかしら？

おお、見てくれ。何やら妙なモノを拾ったぞよ！

…ん、加工すれば使えそうだ。

この戦いの先に、あの組織に鉄槌を与えるモノになるというのなら、私は、勝たなくちゃいけない。
……私の事を頼ってくれるあの子たちの為にも

これは可愛らしい。――手合せの程、よろしく頼むぞよ。

練習試合よろしくお願いします！

よろしくお願いしますね

さて。始めましょうか。

・・・仕方がありませんね

せいぜい盾になっていただきます