じゅうはちにちめ。

庭師のおじさま+αを撃退しました。今回もナナさんの大活躍ー！
…あれ、ナナさんが居ない？少し前まで傍に居たナナさんがいつの間にか居なくなってます。

暫く広庭でぼんやりナナさんの帰りを待ちます。でも半日過ぎても帰ってくる気配がありません。
もしかしたら迷子になってるのかも。
と居ても立っても居られなくなった私はナナさんの名前を大声で呼びながら辺りを探して回ります。

…でも幾ら探してもナナさんの姿は見つからなく、気配すら感じません。

ナナさんの事ですから魔物に連れ去られるような事は無いと思います。
迷子の可能性…でもよく考えると、ナナさんが何も言わずに一人で勝手に動くような事は無かったはずです。

…色々考えてこの時、初めて私は「もしかしたらナナさんは自分からどこかに行ったのでは？」という考えが浮かびます。

もしかしたら何か不満があったのかも知れない。
普段から無口なナナさんは自分から何かがあっても口にする事は無かったから、それに気づかず…。

ナナさんが居なくなったのは、きっと私のせい…。
仲良くなれた。友達になれた。そう思ってたのは私の独り善がりだったようです。

ナナさんが居なくなったその日は、とても悲しくて暫くその場から動けませんでした。

　＊　＊　＊

日の明けた次の日。
まだ重たい気分のままですが、アラヤちゃんが居るのでずっとウジウジはしてられません。
私の様子を心配そうに伺うアラヤちゃんに、「もう大丈夫だよ」と無理やり作った笑顔を向けます。

食糧の補充も昨日の内に終わっているので、私とアラヤちゃんは再び水辺へと向かおうと広庭を後にしようとした時です。
草叢からこちらへ飛び出してくるのは魔物さんご一行。もう驚いたりもしません。

私とアラヤちゃんはいつも通りに武器を構えて、いつでも戦える体勢を取ります。

ある意味八つ当たりな感じで私は魔物に向かって言いますが、相手はお構いなしです。
いいでしょう。そんなに痛い目に遭いたいなら望みどおりに遭わせてあげます。
八つ当たりの開始です。