終わった、と感じた。
あまりにも油断していたのか、それとも自暴自棄になっていたからか。
少し前に作った、麻薬針を仕掛けた腕輪もうまく作動しない。
痛みと眩暈で視界がブレた。本当にお終いだと思った。



だけど、死ななかった……。



運が良かったのもあるだろうけど、一人ではもっと早くに倒れていた筈だ。
ランさんと一緒に居たから、なんとか持ち堪えられたし、敵を倒せた。
もし僕が戦えなくなったら迷惑をかけてしまう。少しでも長く生き延びられるようにならなければ。
……決して、少しでも多くの相手に致命傷を与えたくて生き延びるわけじゃない。



……また悪魔の思考に割り込まれたら困るから、深く考えるのはもうやめよう。
とにかく今の僕に必要なのは殺傷能力だけじゃない。盾だ。
僕じゃ鎧も着られないし、そのくせ闇雲に攻撃を受けた結果がこのざまだ。
今のままじゃまともな肉壁すら出来ない。となると……