(※今回の日記も本編とはあまり関係がないんだからね！
　 か、勘違いしないでよね！
　 本編ネタが全然ないわけじゃないんだからね！
　 ま、まだ途中で終わってないだけなんだから！
　 という訳で続きです。これが終わっても多分小ネタです。)

「あら、まさか今のが全力だなんていわないわよね？
　私の服くらいしか破れてないわよ。
　それで、最強。
　その程度で最強。
　笑わせるわね。
　――ただの小娘一人傷つけられないのかしら？
　井の中の蛙、
　ふふふ。」
挑発を続ける。
実際私じゃなければ自殺行為だし、
私は別に相手より強い力をもっている訳でもない。
否、
強い力を振るうことは出来る。
出来るが、
それは別段私自身の力という訳ではないわけだが。
だが、そんな事は相手は知る由もないし、
結果だけみればその言葉に信憑性は十二分にある。
だから、
だからこそ――
相手はその言葉を真に受ける。
見る見るうちに顔を紅くし――
「この、この……クソアマ……いえ……
　クソ餓鬼ィィィィィィィィ！
　調子に乗ってるんじゃないわよ！
　何やっているかは知らないけど、
　私は世界一の魔女、
　誰も勝てはしない！
　井の中の蛙などではない！
　見ていなさい……
　そこまで、そこまでコケにするのなら……
　ふ、ふふ、そうよ。
　こうなったら殺すだけでは飽き足らない。
　無力をかみ締めさせてあげるわ。、
　そのままずっと永遠にその姿を笑ってあげる！
　決して内側からは壊せない牢獄に閉じ込めてあげる！
　――封印、水晶牢獄！！」
キラキラとした光が私を取り囲む。
私には防ぐ方法も、
対処する手段もない。
ただ、
そのキラキラとした光を眺め……
気づいた時には水晶の中へと封じられた。
軽く蹴りを入れてみるも、
何の反応もない所からして、
確かに内側からの破壊はできないらしい。
成る程、考えたものだと思う。
少し挑発しすぎた事を反省すべきかもしれない。
その様子をみて満足そうに
水晶を拾い上げて覗き込み、
魔女は笑みを浮かべた。
私を封じ込めたと思って、
とても嬉しそうに――
「ふ、ふふ……
　さすがの貴女もやっぱり、
　こうなってしまっては手も足も出ないわよねぇ。
　どんな気分？
　どんな気分かしら、ねぇ？
　私をあんなに散々おちょくって、
　あんなに自身満々に挑発しておいて、
　この様、
　無様、無様よねぇ！
　アハハハハハハハハハ！
　何様のつもりだったのかしらぁ？
　私には勝てない、
　私こそ最強なのよ、
　分かった？
　ねえ、聞こえてる？
　悔しかったら何かいってみなさいよ！」
笑いながら勝ち誇る魔女に、
私は顔を上げてニヤリと微笑んだ。
「私の気分はそうね。
　馬鹿じゃないかしらって所ね。
　だって、
　こんな事をされたって……
　いえ、この程度でどうにかなるなんて……
　思うほうがどうにかしているわ。」
その言葉に怒りに顔をゆがめる魔女を無視して、
水晶に手のひらを押し当て力を入れる。
「ふ、ふふ、この後に及んで、
　そんな強がりを、
　本当にむかつく、むかつくわ。
　でも、そのうち分かるわよ、
　どうやってもあなたはそこから出られない！
　いつか懇願し出してと願うようになる！
　ああ、
　その時を楽しみにしてあげるわ。
　それじゃあ、
　そうね。
　暗く狭い場所に暫く――」
――ピシリ、と私が手のひらを押し当てた所を中心に、
外側からひびが走る。
ひびは段々と広がり、
徐々に全体へと広がっていく。
「何を、何をした……！
　一体どうして……！
　嘘よ、
　これは……
　もし私が入っても出ることはできない、
　それほどに強固な封印なのに……！」
「あら、シンプルな話じゃない。
　私にとって貴女は弱すぎるってだけじゃないかしら。
　私を閉じ込めておく事なんて出来ないわ。
　私は好きな時に好きなように動く。
　小さな狭い世界で、
　暇をもてあそぶなんて柄じゃないの。
　シンプルな話でしょ？
　だから、私はここから出る。」
思わず水晶が壊れていく様子に驚いた魔女は、
水晶から手を離し、
水晶は転がる。
ひびが入ってなお、
落ちた衝撃でどうにかならないあたり、
外側の強度もそれなりにあるのだろうが、
無意味。
内から溢れる霊の力と、
外から私へと収束する霊の力を一点に集め、
外側と内側から圧力をかけてやれば、
大概の封印は砕け散る。
後は時間がかかるか、
時間がかからないかくらいの差異でしかない。
そして、どちらか片側が脆いのであれば、
時間なんて必要ない。
そして、
もし壊れた際に中のものが壊れるだのの小細工をしても無駄。
私はどんなに砕けようとも死ぬ事などありはしないのだから。
――パキィィィン
澄んだ音を立てて水晶が砕け散る。
封印を力づくでぶち破り、
私は床を踏みしめて、
身体に異常がないのを確認する。
……もっとも、
確認しないでも異常がない事ぐらい分かってはいるのだが、
そして――
「少し肩がこったわね。
　駄目ね。
　狭い場所にいるのはやはり趣味じゃないわ。
　ええと、
　それで……
　何がしたかったのかしら？
　私を閉じ込めるならもっと強固でないと意味がないわよ。
　さぁ、次はどんな手を見せてくれるのかしらね。
　ああ、どこかに飛ばしてもいいわよ。
　そうしたら、
　確かに私から一時的に逃げれるかもしれないけど、
　貴女の負けを意味するもの。
　いいわね。
　たった一人の小娘から逃げ回る負け犬。
　是非その方向でいけばいいんじゃないかしら？
　そうしたら私に見逃してもらえるわけだし。
　そうしましょ？」
畳み掛けるように言葉をぶつける。
正直飛ばされたら面倒臭い。
普通ならここでそれを仕掛けてくるので、
一気に攻撃に転じる必要があるのだが、
それではつまらな過ぎるし、
こう言ってしまえばプライドの高い魔女の事だ。
絶対にその手だけはとる事はないだろう。
さぁ、どうでるか、
私は笑って見据え続ける。
殺意と怒りでオーラが見えそうなほどに私を睨む魔女を。
流石にここまで煽って、
プライドをへし折れば、
冷静な考えなど出来るはずもない。
魔法にせよなんにせよ、
冷静に考える必要があるというのに。
冷静になれず、
私をむきになって倒す以上、
魔女の行動は一つしかない。
「こ、この……！
　もういい、もういいわ……！
　こうなったらどんな小細工をしてもいみはない、
　塵一つ残さずこの世から葬ってあげる！
　私の魔法が通用しないなんてありえない！
　そう、そうよ、
　私は世界最強の魔女なのよ！
　いくらあなたが強くても、
　この私が本気で攻撃し続ければ――」
魔女の魔力が高まっていく。
そう、
手段は一つ、
己の魔力が尽きるまで攻撃し続けるしかない。
それこそが私が仕掛け、
望み、
仕向けた手だというのに気づかずに。
まぁ、最も、
私が相手の時点で勝ち目も何もないのだけど。
相手が私の死を望む限り、
決して私から勝ちを拾う事は出来ない。
まぁ、もっともこんな真似をせずとも、
葬る手もあったのだが、
少しくらい楽しまないと、
折角ここまで来た意味がない。
最初から完全なチェックメイトは確定していた、
ともいえる。
だからこその余裕、
だからこそ――ここまで徹底的にやる。
徹底的に潰さなければ、
何か妙な方法で蘇ったり、
アンデッド化したりするのは目にみえているのだから。
まぁ、そんな色んな理屈よりも、
自分が楽しいからというのに集約されるのは確かではある。
そもそもアンデッド化した場合、
余計に私に勝てなくなるので、
望む所ではある。
といいたいが、
時間差を使われると本当に面倒なので、
趣味と実益を兼ねた戦法と、
誰にともなく言い訳しつつ、
両手を広げる。
其れと同時に、
笑いながら魔女が無茶苦茶に魔法をぶち当ててきた。
「――！
　――――qあwせdrftgyふじこlp！」
呪文を唱えているのだろうが、
もはや怒りで何をいってるのか、
私には聞き取れなかったが、
呪文としては問題ないらしいので、
ここの世界の魔法は使いやすいというか、
割といい加減らしい。
それでも威力が減じるどころか、
増している辺り、
魔女の込めた魔力が大きいのか、
意味の分からない言語の方が魔法として成立しやすいのか……
どうでもいい事を考えながら死に続ける。
死に続ける。
死に続ける――
そして……
「――！」
ついに、魔女の魔力が枯渇する。
いくら強大な魔力をもっているとはいえ、
魔力というものは有限である事が多い。
御他聞にも漏れずというか、
今まで自分の魔力を使い切った事がないであろう魔女は、
魔法が出ないことに呆然としている。
もし、
そういう機会があったのならば、
魔力が尽きた時の対策の一つや二つをとってきただろう。
だが、
彼女にそれは出来ない。
そして……
「あら、もうおしまいなのかしら？
　こちらはまだまだお相手できるのに。
　残念ね。」
私は無傷で現れる。
魔力を使い果たした魔女。
それだけの魔力を受けて無傷の私。
趨勢は目に見える形で決した。
流石にここまで酷い状況になって、
己が今どんな状況下におかれているか、
理解できぬ魔女ではない。
「ひ、ひぃっ……！
　そんな！ありえな、ありえない！
　ま、待って……！
　なんでもする！
　そうなんでもするわ！
　わ、私は魔女よ、
　貴女のどんな願いでも叶えてあげる！
　だ、だから！
　許して！」
怯え許しをこいねがう。
そんな魔女に対し、
私は笑って告げる。
「残念ながら手遅れよ。
　断るわ。
　私を殺せない貴方に私の願いはかなえられない。
　精々貴女のものを貰っていくのと、
　そこの囚われた王子様を救うくらいだけど、
　そんな事貴女がどうなろうと得れるもの。
　ああ、そうね。
　知識くらいは役に立つかもしれないけど、
　そんなもの知ってる人はどこかにいるでしょう？
　だから意味ないのよね。
　ああ、そうだ。
　死ぬ前に一つだけ教えてあげる。」
ぱちんと指を鳴らし、ゆっくりと魔女へと近づく。
「ひっ、身体が！
　身体がうごかな……！
　一体何を……！」
そして、耳元で魔女にだけ聞こえるように事実を告げる。
「ごめんなさいね。
　謝っておくわ。
　あなたの魔法は効かなかった訳じゃないの。
　私は年をとらないし、
　死にもしない、ただそれだけよ。
　あなたがいくら殺そうとしても、
　死なない相手を殺せる訳がないじゃない。
　そして、
　そほどの呪いを受けたこの身に呪いをかけることはできないわ。
　それと……私はね。
　霊が勝手に集まってくる体質でね、
　その霊を利用しようと思えばある程度自由に操れるのよ。
　だから封印されても内側と外側から圧力をかけてやれば、
　ご覧の通り……って。
　それで……まぁ、貴女を拘束してるのもそれ、
　それにここに来るまでに殺した存在も、
　霊として集まってるのよね。
　ふふ………」
嬉しそうに静かに告げる私に、
魔女の顔は青ざめていく。
そう、
最初から勝ち目が無かったのだと、
それを理解する。
最初から知っていれば、
色々手はとれたかもしれない、
だが、
そのいずれも魔女のしたかったことを満たせるものではない。
「わ、私は一体何と……
　何と相対させられていたと……！？
　そんな、
　そんなふざけた存在……」
「そう、
　本当にふざけた存在よね。
　でも、ここにいるの。
　それじゃ、
　さようなら魔女さん。」
パチンっと指を鳴らす。
それだけで、魔女は全身から血を噴出して息絶える。
せめて、
魔力での護りがあれば、
耐え切れたかもしれないが、
もはや、魔女にその護りはない。
まぁ、
もっとも護りがあってもぶち貫こうと思えば出来そうではあるが。
――ともあれ、
魔女の死を確認し、
服を着て、
適当に面白そうなものを確保してから、
囚われの王子様を解放する。
確かにかっこいいが、趣味ではない。
「救出が遅くなり申し訳ありません、
　王子様といっておこうかしら。
　この国のものではないので不敬お許しを。」
丁寧に礼をして、
後は送れば終わりと思っている私だったが、
なぜか怯えられている。
怯えられているとはいっても、
その様子は隠しているようではあるが。
「いや、助けていただきありがとう。
　まさか、あの魔女を赤子の如く捻るとは……
　不敬だなんて申しません。
　こちらこそなんていいか……」
等と恐縮される始末。
悪い気分ではないし、
確かに良く考えると私は恐ろしい存在かもしれない。
それでも、必死に恐怖を押し隠し、
丁寧でしっかりした態度は好感がもてた。
「暫く不自由させますが……
　ご了承を。
　生憎、お姫様を助ける王子様など出来ませんので。」
「分かっている。
　心しておくとも、
　きちんと私のお姫様を助けれるように。」
私の意地悪にもきちんと返せることも含めて。

久しぶりに聞こえる少女の声「ツチグモー、なにしてんじゃー？」
岩絃「いつもの状況確認だよ。」
少女「おお、いつもの彼女といつもの内緒話か。マメじゃのう。
お、そうじゃ、わしにそれ寄越せ。」
岩絃「駄目。」
執事「不敬ですぞ。（ガゴッ）姫様がご所望しておられるのですぞ、素直に渡しなさい。」
岩絃「おいおい…」
通話ホールドのままピポパポ操作音がし…
少女「よし。返してつかわす。」
岩絃「……どーも。何をした？」
少女「写真を送ってやったのじゃー。ペットが世話になっておるからな、飼い主として礼をしただけじゃ。」

☆写メが届きました☆

島時代と同じ草臥れた軍事ジャケットを着ている岩絃と、その肩に座る上品なドレスに身を包つまれた青く長い縦ロール髪の少女の姿が写っている。
本人に許可なく勝手に撮影したらしく岩絃の視線は明後日の方向だが、少女はばっちりカメラ目線の笑顔だ。

執事「不敬でｒｙ

とかなんとか、ちゃちゃが入りつつ。
電話越しにこっちまで臭ってきそうな顛末を聞かされる。

背後も朔位が丈夫になった事を忘れていた
奏撫の身体を補修する際の材料に自分の身体と霊体を削り分けたから、一時的に弱化してるのです。はい。
確認：葛築が何をしでかしたか、奏撫に何があったのか、
まだ朔位は魅月さんに教えてませんよね？
奏撫が喰われたくらいは当主が教えたかもしれないし、具体的に何をしたのかは和葛姫から読み取れたかもしれませんが…

お盆を前にして