うん？フライア、お前さん、なんだかちょっと力付いてた？
ゆるの攻撃がいつ飛んでくるか冷や冷やして攻撃どころじゃなかったんだが、それなりに相手さんダメージ負ってたな……。
おじさん、ずっとへっぴり腰で攻撃してたんだが。
余裕なさ過ぎて、おじさんの方が混乱してなんだかしらん骸骨まで回復させていたしな。
だっておじさんあんなの喰らったら一瞬で老い先短い命を終わらすことになっちゃうからなぁ。

『マスターが本気でやらなさすぎです。あと、マスターがおっしゃっているのは残念ながら私じゃありません』

お前さんじゃなければ誰だっていうんだい？おじさんじゃないよ？

『僕だよ』

って、はぁ！？　お前さん、なんでこんなところに？

『いやいや、僕がこんなところにいるわけがないじゃないか。』

『今、誰かさんの講釈を聞いて居ただろう。エンブリオにも色々いるのさ』

うん？どういうことだい？

『君が僕をこの姿にしたんだ。大方、イメージから重ね合わせたんだろう。契約者の心理に姿が影響する、僕はそういうエンブリオなんだから』

ああ、まあ、そうか、氷に女だからなぁ。否定はしないがね。

『まぁ、だから僕も、この僕については、君が知る以上のことを僕は知らないんだけどね。それに、偽物だから君の――』

わかったわかった。もういい。もういいよ。
突然その姿で現れられて、そう喋られてもおじさんが参っちまう。

おい、フライア、だからそしてお前さんは何で不機嫌になってるんだよ。
……はぁ、おじさん、頭が痛いよ。