「濁流拳！！」

腕に激流を纏い、そのまま上空へと解き放つ。
勢いよく放たれた水流は、やがて重力に従い雨のように降ってくる。

私は瞬時に全ての衣服と包帯を取り払い、その中に身を任せる。
即席のシャワーだ。元々運動量に比して汗っかきであるし、長旅をしていれば汚れや臭いも気になってくる。そんな時、長舌のロコン――パロロコン――の存在は大変重宝する。

カエルプリンスと契約していれば、後継にもなれたのかもしれない。
言っても詮無きことではあるけれど。


汗を流し終えた所で、擬似的な雨も止んだ。
風邪をひかぬように身体を拭き、まず下着代わりの包帯を巻きつけ、それから四肢の古傷を隠すように包帯を巻きつける。代えのスカートとシャツを着て、タゴサクのもとへ向かう。

小さな屋敷にて私たちを待つのは一体なんだろうか。