<Days28>


「私……どうしちゃったんだろう……」

　先日、ルーシェと一緒にパーティを組んでから私はずっともやもやとする物を抱えていた。
　自分の中で膨れあがるもやもやを抑えきることができずに、私はどうしようどうしようとだけ考えてしまう。　しかしいつまでも自分の部屋で籠もっていても仕方ないと思い、ベッドから身を起こした。

「なんかこんな感じじゃルーシェちゃんに会わす顔ないなぁ……」

　呟きながら寝間着を脱いだ後、シャツに袖を通していると唐突に部屋の扉が開けられた。

「あの……良かったら夕食一緒に行きませんか？」

　扉の先にはルーシェちゃんが立っていた。

「あ……」

　私は彼女の姿を見て思わず呆然としてしまう。
　そして私を見た彼女もまた、シャツ一枚しか着ていない私の姿を見てその頬を赤く染める。
　私と彼女はしばらくその場に立ち尽くしていたが、私は今の自分の服装に気がつき慌てて彼女にこう言った。
「ご、ごめん、扉締めて貰える？」

　我ながら間抜けな物言いだとは思ったが、それしか私には言葉が出てこなかった。

「ご、ごめんなさい！

　私の言葉で彼女は小さな声で謝りながら慌てて部屋に入るとそのまま後ろ手に扉を閉めた。
　とっさの事で、何が起きたのか判らなかったが、私と彼女は同じ部屋に一緒にいることになってしまった。
　先日までは不思議なこともなく、ごく自然だった事が、今は胸の鼓動が彼女にも聞こえるんじゃないかと思うくらい高まっていた。

「ど、どうしよう……何か……何か言わなきゃ……」

　私は混乱する頭で必死に何か言おうと考えるが考えれば考えようとするほど、頭が真っ白になっていく気がした。

「ル、ルーシェちゃん食べたい」

　慌てて私の口から出た言葉はそれであった。
　そして言ってから、それではダメだという事に気がつき私は慌てて頭を振った

「ち、違うの、そうじゃなくて……いや、違わなくて……」

　まるで支離滅裂になっている私の言葉を彼女はきょとんと見つめながら聞いているのを見て私はその横顔に軽く唇を併せた。
　それに彼女はくすりと微笑んで返したのだった。


TobeContinued……


　この日記はルシエ・ソルブランシェ（2010）さんをお借りしました。。
　書かせて頂き感謝。

*首をかしげるきつね*

*尻尾ぱたぱた*