は、とどこか満足げに言葉を止める。

もう一度ごめん、と謝罪を付け足し。
ほんの少し、うーんと唸る。

それは本当に単純な、魔法を使うものとしての興味。

　きょとりと、一瞬、小首を傾ぐような仕草をする。声音に含まれた、切実な響き。頭を振って、そうだねぇ、と一度、相槌を打つ。

　世界にも、魔女にも。――その二つとは、同一と云えるけれど。何時かおいでよ、と努めて重く聞こえないように。ふにゃりと気の抜ける笑みを浮かべる。

　遠い目。何があったのかは、聞かないで欲しい、と言いたげな。

　きりっとした表情。

　白い髪に、蒼い目。青年には見えるかもしれない、――その髪に、白い水晶で出来た月の形の髪飾りが。
　当のフローロは、ばっと小さな両手をあげ、きゃー！　と楽しげに声を上げて。
　そんなフローロの頭を指の腹で撫でてやりながら、向けられた疑問には僅かに苦笑いを浮かべて。

　たはは、と困ったように笑う。