「おうおう兄ちゃん！！えらそーな顔してえらそーな格好してんな！！」
「俺達とちょっときてもらうか！！一発殴らせろぉ！！」

あー低俗感溢れる―。まったく……めんどくせーな。

「なんだい兄ちゃんその目。赤いけど充血してんのかよぉ！」
「ついでだから俺達のパンチで全身も真っ赤にしてやろうぜ！！」

一発で全身を真っ赤にすんのかすげーな。

「これが俺の……パンチだぁ！！」

キックじゃねえか！！まあいいや。……そらよっと！！

「うお！？俺の足、掴まれて……！？」
「パンチってのはこうやるんだよぉ！！！」

足を引っ張り、思いっきり顔を引きよせ、顔に掴み変え腹めがけて……

キ　ッ　ク

「キックじゃねえか……兄ちゃん……！！」

そういってチンピラ１体は倒れた。残るはもう一匹！！


「俺はさっきの奴みたいにぬるくはねえ！俺の武器は、槍だぁ！！」

俺は構わず

ド　ロ　ッ　プ　キ　ッ　ク

「この、やりやがったなぁ！！」

へえ、さっきのよりタフだな。だがアイツ。
だったら使うまでもないと思ってたが……

『グラーシーザ』！！

「うお、お前今槍をどっからだした！！」

折り畳み式だ！！！伝説の武器らしいからこれぐらい可能ッッ！！
とか言ってたら、相手が『踏み込んできた』ので槍を……。

投　げ　る

「うおあぶねえ！？」

か　わ　さ　れ　た

「負けました降参です」
俺は迷わず言う。だって武器ないもん。
今度買う時には縄つきのにしよう。あでもこれ伝説の武器だしこのままでいいか。

「へへ、分かればいいんだ分かれば……さあ森にまで来てもらおうか！」
「何故に」

答えてくれなかった。酷いよ……。

そういうわけで森にまでやってきたのだ……

「お前には今から狼退治をしてもらう」
「狼……？」
「最近ここら辺で狼が良くでるからなあ。……俺ら盗賊団も盗賊プレイできねえんだよ」

なんだ盗賊プレイって。……でもほっといたほうが平和だよなあ……。

「最初に俺ら、てめえに喧嘩売ったろ？それは度胸をみるためだ。
お前なら、盗賊団に入る資格がある。どうだ。せっかくだし入らないか？」
「嫌です」

俺は何もおかしなことは言ってない

「好きなもん食い放題だぜ？嫌いなもんはたべなくたっていい！！」

………あーはいりたーい

「でも入りません。そんなことするぐらいなら死んだほうがましです」

また心にもないことを言ってしまった。

「そうかよ。でもしっかり仕事はしてもらうぜ！！まずは狼を狩れ！！」
「はい」

１０分後

「終わりました。これが狩ったソレです」
「速っっていうか良く狼の場所言ってなかったのに場所わかったなあ？」
「……！！ああ、そうですね。でも俺には分かっちゃうんです。野生の勘というか。
……気持ち悪いですよね。こんな人」
「何いってんだすげーじゃねーか。そういう物は社会に役立つ力だ！
狩りはもちろん、自分の大切な場所に狼が近づいてきた時に準備することだってできる
やっぱお前は盗賊団にはいらねえ。社会のために活躍しやがれ！！」


追い出された。

良くわからなかったけど、良い人だった気がする。

……そうだ。俺には、狼の匂いが分かる。

なんたって、俺、半分狼なんだから。

認めたくないけどな。