久しぶりにネルケと会った。一体何日ぶりだろうか。もう一週間か二週間か・・・。
正直に言えば、掴みどころがなく、どう対応していいかわからない、そんなヤツだと思っていた。
しかし、共に過ごすうちに、破天荒ながらも無垢なところに愛嬌のようなものを感じるようになってきた。

しかし、ネルケとその手袋・・・。彼女のエンブリオの勇猛果敢な戦いを見ているときに
ふと　ゾワリ　と何か妙な気を感じた気がした。
黒い、悪寒のようなものを。
ほんの些細な気配だったが、一種の狂気のようなものを。

しかし、戦闘が終わってみればいつものネルケだった。
ネルケの様子を見る限り、そんな素振りもない。

私の思い違いだったのだろうか。
その壮絶な戦いぶりに見える彼女の無邪気さに子供ながらの怖さを感じただけだったのだろうか？

疑念は尽きないが、一旦は彼女と別れ、また草原を進むことにする。

ふとオリビンの右目　眼帯の下がぼんやりと緑に輝くと
何もない中空　オリビンの眼前に掌大の輝石が浮かび上がる。

その名をそれを跳躍と共にカタナで叩き斬ると、砕けた欠片が粒子にほどけていき
渦を巻いて徐々に形を成していく。
淡い緑の光の中からお腹に子供を宿した聖母にも見える天使が現れた。

そこには書きなぐられた一枚の地図

裏ギルドと記されていた