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マァムブ内。
グリゴリの寝かされている部屋の前で、グレイマンの到着を腕を組んで待ち構えていた。
彼に目隠しをされて連れられる医者の姿を認め、驚いたような、その次に安堵したような
表情を数瞬のうちに浮かべ、そしてまた正面を睨む。
そうして、枷を外されるさまを黙って見ていた。
両腕を組んで医者の顔を見据え―――
顔が歪む。
サブリーダーとしての姿を維持しようとするかのようにぶるぶると震えていたが、
二言目で既に我慢の限界を超えたようで
素早く一歩踏み込むと両手をその首にかけ、力を込める。
本来ならば苦痛の声をあげるであろうビリーの、鼻にぬけるような声に思わず変に力が入り
驚いてそのまま勢い良く手を離して、数歩後ずさった。
グレイマンとビリーの顔を、確かめるように交互に見つめ、
彼らに続くように部屋の中へと入る。
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グリゴリの部屋では、邪魔にならない後ろに控えてはいたものの、
医者が体に触れるたび目を見開き、びくりと体を震わせ、
そのたびに周りに手で制される。
医療の知識はまるでないので、特に口を挟む様子はなく、
時折クリストファーを小突いては、メスって何だよ、などと囁いていた。
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>レグルス
レグルスの前まで、連れてきた緑スーツの男を引き出して目隠しと手かせを外す。
レグルスとの出会い頭、開口一番。
当人にとっては見たまま言ったと思しき感想を零して、ぺこんと頭を下げた。
ビリーはマイペースにへらへらと笑い、自由になった手首の感覚を確かめると、
眼鏡をちゃ、とかけなおした。
連れてきた医者については見放した態で溜息を落とす。
>>グレイマン
……なんの順位だかは聞かんぞ。さっさと入れ。
ぎい。とドアを開けた。中に人が寝ている寝台が見える。
・ ・ ・
─グリゴリの部屋─
彼の目前には、グリゴリが目を閉じたまま横たわっている。
弱った獣がそうであるように、眠っている男はぴくりとも動く風を見せなかった。
へらへらと笑いながら布団をまくりあげて、グリゴリの腕を取る。
軽く曲がっていた指を広げさせる。
そのまま、ぐにぃ。と手首を押えた。指先が微かに曲がる。
触診をしながら医者が首を傾げる。医療道具を詰めた鞄に向きなおる。
かちゃかちゃと器具を弄る音が続いた。
鞄から金属のへらをとりだし、構いもせずに口の中に先をつきこむ。
顎に手を当てて、首を傾げる。鞄から小さい注射器と、バンドを取り出す。
器用な手つきでバンドを巻きつけると、──ぷつり。と注射器を射した。
赤黒い血液が注射器の中に抜き取られていく。
修道士は、その様を見下ながら、にこにこと笑顔でいる医者の顔を眺めやった。
話を続けながら、つ、と注射針を抜く。
針先にキャップをかぶせて医者は、
グレイマンに注射機と血液を手渡した。
顔を顰めて、グレイマンが部屋の外に出て行く。
ばたん、と扉が閉まって、後には医者が残った。
動かない患者を前に、メスを持った医者はにっこりと笑った。
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そこまで言って、医者は窺うように周囲を見て、首を傾げた。
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