今までヘーケのオンリョーと名乗れば、みんな我らのことを分かってくれたんじゃがなあ…ヘイケはグローバルな霊体市場ではマイナーなんかなぁ…

ふふふ…平家は日本外では余り有名ではありませんからね。ローマ皇帝のお歴々や、四姉妹が大人気なロマノフ王家とは違いますよ…

まあ、いい機会じゃ、きっちりと平家をアピールをしておくか…

ヘーケとは地名ではなく、ファミリーネームじゃ。中世日本において武家政権のはしりを担った一族として知られておる。

この一家は一時はとても栄えてな、日本の中枢で政務をとり、土地の半分ぐらいを支配していたのじゃ。しかし、様々な因縁から、権力闘争に破れて滅ぼされてしまったのじゃ。

平家が滅んだ当時は人々が怨霊を信じていた時代だった。それゆえ、当時の人々は、当時の天変地異や不幸は平家の怨霊のせいにちがいないと考えたんじゃな、平家も怨霊になったというわけじゃ。

当時は、ほうぼうで（特に、ライバルだった源氏のやつらに）悪さをして人々を怖がらせた（ということになっておる）。

平家の栄枯盛衰と世の無常っぷりを謳った『平家物語』は日本の人達の無常観にマッチしたせいなのか、今でも読まれるベストセラーになっておる。

また、平家物語は二次創作も盛んでな、人形浄瑠璃や歌舞伎の演題にもなった。『怪談』の『耳なし芳一』も平家の怨霊にまつわるエピソードじゃな。我も端役として登場しておるぞ。

というわけでな、平家の怨霊とは、日本の中世から続く、由緒正しい怨霊というわけなんじゃ。

京都の六波羅から、安芸の厳島神社、下関の壇ノ浦などなど、関西から中四国地方には平家由来の名所史跡は各地にある。それらを観光地を旅行する機会にでも、平家のことに想いをはせていただければ、我はとっても嬉しいぞ。

ぼっちゃん…長台詞がんばりましたね…怨霊として営業していくためには、こういう宣伝も大事ですよ。由来あっての怨霊ですからね