去ってく二人を見送って――。

　状況がさっぱりなのは事実なのでそこら辺の適当な人に声をかけて聞いてみる。


　まあ、よくある話というかそのまんまRPGの世界というか――。

「こういう時って、協力しないと元の世界に帰れないって設定ですよね」

　イリスは無言。というかコイツはゲームしないし。
　俺もあんまりしないけど。
　クリア条件は一揆の成功？
　因みに失敗した時はどんなオチなんだろうかとは思うけど、まあ、気にしても仕方がない。
　取り敢えず、俺がいてイリスがいる。それだけで一つ、なんとかなっている。

「まあ、いっちょやりますかー」

　と、適当な人とPT組んで――。





＋＋＋＋＋＋＋





　先のルリアンナさんの誕生日ということで適当にパイを作って適当に送りつけて（仕組みは知らない）貰ったパン。
　もふもふだよ！　ってパンは普通ふかふかじゃないかと思うんですけど如何でしょうか。
　羽毛パンって名前がちょっと気になるところだけど、見た目は割りと普通です。

「……食べる？」
「喰わん」

　鶏肉が好物のイリスは無愛想に言ったので、もう暫く取っておこう。日持ちしそうだし。





＋＋＋＋＋＋＋





「猫だ！　イリス猫がいる！！　何かもふもふした猫！」

　綺麗な庭園を進んでいくと何か威嚇してくる猫（のような生き物）
　なにこれ可愛い。そして何だか仲間に出来るっぽい？

「……威嚇してきてるけど、仲間にしたら懐かないかなー。猫もふもふしたいなー」

　イリスと物心ついた時から契約してるせいか動物に懐かれたことなんですよ俺。
　もしかしたら、ごろごろ言ってくれるかもしれないし。手から餌とかあげられるかもしれないし！！

「よし、頑張ろう！」

　隣のネチョッとしてるのはスルーの方向。
　いや、ちゃんと戦いますよ？

エンブリオへの視線を感じ尋ねる。