手記-メルンテーゼ　**/**/**

かつて旅をしてきた地域の伝承だが、
街が雪に埋もれる日、甲高い鈴の音を響かせ、血染めの装束を纏う老齢の異形が
強靭な角をもつしもべ達と共に空からやってくる、というものがあった。
豪雪の日に、子供が外へと出かけないようにするための方便だと思っていたのだが
その晩、私は見てしまった。
老人は、恐ろしく距離のあるなのに私を見咎め、にたりと笑みを作り、
『黙っていろ』という動作をして、空の向こうへ消え去っていった。
異なる文化・世界には、それまでの自分が考えもしない出来事が
起こるのだと、思い知らされた一件だった。

今日はルリアンナさんの誕生日で、食べ物のプレゼント交換を行うらしい。
過去の恐ろしい思い出を払拭するには、未来の楽しい思い出だろう。
何処かで聞いた、冬の伝統料理を作ってみた。
これを食べる時は"ウィッシュアメリークリスマス"というまじないを唱えるらしい。
折角の変わった料理なので、余分に作って、皆で食べることにしよう。

メモ
・シュトーレンじゃなくてシュトレンが正しいってウィキペディア先生が言ってた。