畝傍さんがコンソールを呼び出して、向こうの世界と通信してました。
　私にとっては時計を見るのも久し振りですけど、どうやら向こうは年の瀬のようです。
　となると大掃除の時期でもありますね。
　向こうにいた頃はお手伝いに行きましたけども、お一人で大丈夫でしょうか。
　一緒に付いていってログアウトすれば、もしかしたらあちらの世界にお邪魔できるかもしれません。
　そのうち試してみるのも悪くないですね。

　そして画面越しではありますが、青葉ちゃんともお話できました。
　もっとも、彼女にとっては私は死人ですし、容姿も当時とは少し変わってます。
　ですのでシルクを動かす所を見せるまで、中々信じて頂けませんでした。
　今の彼女はサウザントの守護者で、畝傍さんが不在なら全権代行可能な立場ですからね。疑うのも立派なお仕事です。
　・・・畝傍さんが『洋香』として紹介したのもいけないんでしょうね。
　どちらも私に変わりはありませんし、出会った頃には既に羊として覚醒してましたけど・・・かつて私であった人間の彼女には、安らかに眠っていてほしいです。

　・・・畝傍さんのお手伝いが終わったら、向こうの世界に連れて行って頂きましょう。
　そして最初の私がそうしたように、私のお墓参りをするんです。

落ち込む。