この世界に来て、[花]というワードをよく聞く。花は…嫌いじゃない。そんなオレは変か？

エンブリオとの契約にネクターという赤い花の花びらが必要だ。

そのネクターを根こそぎ奪い取っているのが王。全くこの世界の王もろくな奴じゃないらしい。

契約後エンブリオの力を借りるには少し生命力を提供しなければならない。

しかしその生命力がおしい気がする…という人のためにアドバイスとして書いておく。

契約してからそのエンブリオを食えばなんて事ないぞ。生命力だって戻ってくるだろう？

前回、実際にエンブリオとの契約を行ってみた。行なった相手は[ウィスプ]　

オレの世界では光の精霊といわれたり、ある男の魂で鬼火とも呼ばれる曖昧なやつだ。この世界では果たしてどっちなんだろうか。

…何？『契約を行なっておいてその[ウィスプ]が見当たらない』って？　『さっきの方法試したとかじゃないよな』だって？

どうとでもいえ。よくわからないが契約した途端に消えた。

今後力が使えるか正直いって不安だ。しかし実際に扱えている。よくわからないエンブリオだ。

[ウィスプ]との契約を行なったのはもちろん理由がある。元の世界で扱えていた魔法に似た力を扱えるということだったからだ。

今回も元の世界に似た力を扱えるエンブリオを探してみたいと思う。さすがにオレの聖魔法は無理だろうな





ここからは蛇足だ。聖魔法について説明しておこう。簡単に言えば元の世界の限られた種族にしか扱えない魔法だ。

オレはその魔法が扱える海賊という事だけで有名になった。そりゃそうだ。魔法ってだけで変なのに限られた種族っていうもんな。

でも、その限られた種族っていうのを奴らははっきりとわかっていないらしい。

ここでまた別の説明になってしまうが、オレが元いた世界は三層にわかれた世界だった。

奴らは中層の住人。上層下層の事は記録された本でしか知らないんだ。…何がいいたいのか？察してくれ。これ以上は書かない

話は戻して聖魔法だが、名前の通り全部の魔法が聖なる力を秘めている。別属性との共存ができるから二属性といえばいいか。

オレは中でも珍しい[炎]の聖魔法が使える。珍しい理由？簡単だ。[炎]は破壊の象徴だからだ。




その珍しい聖魔法をオレはこの世界で失った。

しかしこの世界にたどり着いたのにはきっと理由があると思う。だから…しばらくヴォルグとこの世界を回ることにする。

それとこの世界の王をぶっ倒しに行かなきゃな。困ってる奴ばっかだろうし腹立つから…なんとなくの目標だ。





「さて…行くか、ヴォルグ」

『おう！どこに行こうか？』

「流れに任せて…だろ？」

むねを　はっている