進みゆく先は果て無き闇。

その道を照らすのはか細い松明の光のみ。

恐怖に身を竦ませるな、その震えはやがて内側からお前の身を食い尽くす。

足元ばかりを見ようとして下を向くな、前に何があるのか分からないのだから。

光の出口を追い求めるな、お前にその扉を開ける事は出来ないのだから。



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また時間が開いたな・・・・・

あれから俺は砂地やら森林やらをうろついていた。

砂地では道すがら一緒になったトロルに似た奴と共に襲って来た珍妙な女を撃退し、

森林では俺一人で妙にしぶとい大蛇を削り倒し、

今は砂地の下にあった地下牢を黒い襟巻きをした女と二人で進んでいる。


湿っぽいカビと僅かな腐臭、等間隔に並ぶ松明の明かりは頼りなく揺れるばかり。

静まり返った通路に響くのは幾つかの足音のみ。

やや入り組んだこの場所には他の一揆参加者も居るのだろう。

だが、前の曲がり角から聞こえ近づいてくる足音はそれとは違うと俺の勘が告げている。

一旦目を閉じて耳と感覚を研ぎ澄ます。

足音は小さく早い、静かに移動しているというよりは体格が小さく歩幅が狭いのか。

風は・・・感じられ無い、入り口から随分と奥に入った所為か。

眼を開き、杖を構え、後ろに居る黒い襟巻きをした女に合図を送る。

足音が近づきどんどん大きくなってくる。

俺は細く長く息を吐き出し、意識を集中させた。

（暫く憮然とした表情でじっと相手を見据えていたが、やがて諦めたように小さく息を吐く）

寸分違わず、主人たるレフの真似をすると、くすっと笑った