世界漂流十四日目

◆◆この世界について◆◆
○パロロコン
まぁ蛇だな。
蛇神信仰等という物があるが、あれは蛇がよほど不思議な生き物であったが故だろう。
突如何かというと、そのぐらいこれは奇怪な蛇であると言える。
まず雷を呼ぶ。
もはやこの時点で只の蛇とは言えない。
電気を作り出す生物という物はいくつか居るが、これはその域を超えている。
そして光る。
光る生物もいくつかは居るが、あれは威嚇や獲物を集めるための罠だったりする。
が、これが光ると何か痛いらしい（とある鎧談）。
ヴァンエッタはこれを捕まえたかったらしいのだが、見せ物にでもするのだろうか。

○ナイトスピリット
夜の精霊、ではなく騎士の亡霊。
いやランタンを持っているから、夜に死んだ騎士の亡霊が夜な夜な這い回る、と言う所か。
魂や幽霊という物が存在するかは千思万考の余地があるので得に言及はしない。
そもそもこれがエンブリオであるという点で、エンブリオが千差万別の見た目をしているコトを考えると、これも何らかの生物か何かであると考えられる。
まぁ、敢えて言うとすれば、騎士の形を真似するランタン状の生物だろうか？
いやいや、ランタンという物自体人が作り出した物体なのだからそれに似ている何かと言うことだろう、うむ。

○アクアスライム
ゲル状水生生物、と言ったところだろうか。
私の世界にもゲル状の体を持つ人類種が存在する。
無論名前はスライムだが、正式な分類としては流体型異族に分類され、そう呼ぶのが正しい。
これは実に珍しい人類種で、基本的に半透明で決まった様相を持たない種族だ。
内臓器官のような物が見えないのに食事も排泄もする。
人類種であるため意思疎通が可能で知恵も知識も存在し、普通の人のように生活出来る。
服も着ることはあるらしいが、洗濯が大変そうだな。
性別はなく、男でも女でもあり、そのどちらでもない。
まぁもはや何でもありな種族だが、個体数は少なく竜族と共に絶滅危惧人類種とされている。
と言うかまぁ、死ぬと単なる液体にしか見えないらしく、いつの間にか証拠も残さず死んでいるらしい。
この世界のスライムは……女性の形をして人間を罠にはめて食らう生物だろうか。
アクアという名前が付くだけ合ってほぼ水だな。


▼▼時間について▼▼
時間という物は、言うなれば一つの次元であると考えられている。
これは私の中の解釈なのだが、次元とは許容である。
許容できなければ否定され認識が出来ない。
許容とは思考的な問題ではなく、まぁ存在としての物と言うべきか。
少なからず、私の世界とこの世界において時間という物は存在する。
これはそれらの世界が時間を許容していると言うことで、時間を示す次元があると言うことである。
だがどうだろう、私の世界とこの世界が有する時間とは、果たして同じ時間であると言えるのだろうか？
概念が違うのだから、この認識についても少し考えた方が良いかもしれない。