物語の始まり　すなわちあらすじは欠かせないものですが、別に最初に全てを語る必要はないと思うのです。

ですが、挨拶だけはした方が良いのでしょう。
初めまして。私の名前はルナ・ケルベロス・フランベリーと申します。

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なぜこんなに隠しているような物言いなのかと言いますと･･･ええ　そうです　今まさにそれどころではなく大ピンチなわけです。

私の体は目の前のゴーレム族と思われる方の巨大な手によってむんずと掴まれ空中に晒し上げられています。

･･･完全に詰んでいます　はぁ　ここの世界ではやはり元いた世界の魔法は使えず･･･よって加護もほとんどついていない状態です。

しかしながらまだ希望はあります。この方とまだ一言も会話を交わしていません。
意外とかわいいその顔から察するに、一言「離してください」と言えばきっと離してくれる優しさを持っているに違いないのです。

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･･･！？　ケルベロスをご存知なのでしょうか。それに、私のそれらしくない外見を一目見てケルベロスと判断したのであれば、実はかなり聡明な方なのでしょうか･･･。咄嗟に正直に答えてしまいました。

しかし私の数秒の考察もまた次の一言に白紙にされてしまいます。

これはあれですか　次には食えるのか？とか聞いちゃうパターンでしょうか。
しかしｒｙ

助ける･･･？どういうことなのでしょう

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その後、通常の5倍くらいの時間を要した質疑応答の末に大体の事情を把握することができました。

このゴレムという方は、以前にケルベロス(と名乗っていた方)とエンブリオ契約を結んでいました。
しかしながら、ある日突然その方は無言で契約を破棄したらしい･･･のですが　この辺りの話がまだよくわかっていません。その方はもう何ヶ月も同じ体勢のまま動かない･･･ような感じの説明でした。

これはまさか･･･そういうことなのでしょうか。

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とりあえず今の私には身を守る術がありませんので、相互条件としてゴレムさんとエンブリオ契約を試みることにしました。
おそらくこんな弱い私の実力などどんなエンブリオからも認められないと思います･･･

･･･

･･･なぜ私はここに来たのでしょうか･･･