1577日目。

勝てた…！

今回ばかりは滞りなく、何の不手際もなく勝利を収めることができた。

強いて不満な点を挙げるとするなら単調な行動ばかりとったことだろうか。

戦闘の経験を充分に積めたかというと首を傾げる…。

次回もこの調子で…と言いたい所だが、メンバーの一人がはぐれてしまった。

少々抜けているところがあるが、実力はあるので心配はしていないが…。

はぐれたときは落ち合う場所を決めている。

そこまで大事にはならないだろう。






―――験体番号六番ノ手記、第十頁。




＊＊＊

六は椅子に腰掛けて白い宝石を眺める。

今回の戦いで得ることができたエンブリオ、ホワイトタイガーである。

久々の勝利ということもあり思わず口角が緩む。

最初にノームが実体化して数日。

六の言葉のとおり彼女は毎日のように"勝手に"実体化しては好き勝手言って帰って行く。

助言は有難いが正直良い迷惑であった。

何となくではあるが不機嫌な雰囲気に押されつつ。

今日はコイツの鍛錬でもしてみようか…。

了承の一言を聞くと、満足したのか機嫌よく笑顔を見せます。

相手と対等でないことを理由に、なにかを相手に求めたり、強いることがあれば、それはもう交流ではありません。
とても真面目な顔でそう言います。

だから、それを止めるつもりはありません、と、告げた上で。

ふん、と鼻息荒くそう言いました。
そうしてから、じと目でムイさんを睨みながら、こう続けます。

この娘超ドMですし。