今日ボクは旅立った。
･･･それも「運命」だったのかもしれない。
だけど･･･

ボクは迷った。

何も行動を起こさず。このまま目を閉じて、流れに身を任せて生きていくのか。
困難とわかっていても、このモヤモヤとした心の霧を晴らしに行くのか。
･･･正直この漠然とした不安から目をそらすのは容易だ。
別の感情で上書きしてしまえばいいんだから。
･･･だけど、それだと、ふとした瞬間にまた、蘇ってくるんだ･･･
ボクはその瞬間がたまらなく嫌いだ。

悩んだ。もう充分悩んだ。

ボクは、全てを捨て、一歩進んだ･･･。

ふらふらと寄ってくると、
いきなり腕を掴んで声をかけてきました。

念のためというように、何を考えているのか分からない瞳を向けて、そう繰り返します。

ここまで言うと、かくん、と首を傾げ、そしてこう続けます。

今度は逆方向に首をかくんと傾け、そしてさらに続けます。

再び、かくんと首を傾げ、さらに続けます。

腕を掴む手の力は少女の物とは思えないほど強く、振りほどかせる気はないようです。何を考えているか分からない紫色の瞳を向け、返答を待っているように見えます。