No.1336 呪い堂『弑逆(リギシーデ)』INDEX >>
[設立者] ENo.1336 ソルト=エルト=タクト=アルトセルト

「やぁ、いらっしゃい。ようこそ、呪い堂『弑逆(リギシーデ)[RegicidE]』へ。
僕の居た世界じゃ、『弱者が強者を淘汰する唯一の手段』って意味を持つ言葉だ。
……中々どうして、『この世界』には御似合いの名前だと思わないかい?
ああ、でも、余りこの店の名前を口にはしない方が良いよ。『あまり縁起の好い言葉ではないからね』。
……さて、君がこの店に『入れた』って事は、君は『呪いを求めてる』って事だね。
この店は『そういう風に呪ってある』んだ。さ、好きな席に掛けてくれ」

 薄暗い店内。仄かに漂う、甘い香り。
 この店の主は、何時(いつ)だって、小広い部屋の奥、入口が見える位置の席に座っている。
 病的に白い肌を、蝋燭の明かりの色に染めた少年。
 扉の軋む残響が残る中、『呪術師』の声は、足元に転がり続ける。

「君が誰かを呪いたいなら、君は此処で誰かに『呪い』を依頼してもいい。
君が呪詛に長けているのなら、君は此処で誰かの依頼を待ってもいい。
蒸留酒でも入れようか? それとも、君は阿片の類を嗜むタイプかい? 
何、お代は結構だ。この店自体が、僕の『呪い』のようなものだからね。遠慮は要らないよ。
君が『目を覚ませば』、或いは『この店を出れば』、君の『現実』は何事も無かったかのように帰ってくる。
残るのは、『君が誰かを呪った』という事実だけさ」

 何処か、夢現の境めいた店内。
 カフェのような間取りでもあるし、バーのような雰囲気でもある。
 灰色のローブの襟元を、片手間に直しながら、『呪術師』は、微笑む。
 そして、大抵の場合、ゆっくりと、言葉を紡ぐのだ。

「君は、此処に居る呪術師に、この場で依頼を持ち掛けてもいいし、『実際に会う』約束を取り付けてもいい。
それじゃぁ、『全部で七つ』だ。世間話がてら、要件を訊こうか?」

甘ったるい、諭すような声色で。



参加者からのメッセージ

ソルト(1336) からのメッセージ >>


 ――――暫時の、静寂。


 何事も無かったかのように、呪術師は、
オニキスめいた黒い光源にその頬を照らされながら、新たな来客へと振り返った。

ソルト >>
……やぁ、いらっしゃい?

 この少年が声を上げるまでは、時間さえ、止まっていたような気がした。

 ――――z____

>アナタ
ソルト >>
……ようこそ、呪い堂『弑逆(リギシーデ)[RegicidE]』へ。

ソルト >>
歓迎するよ? 
君の言うように、『呪い』と『御呪い』の境界線なんて、有って無い様なものだから、ゆっくりしていっておくれ?

 まるで黄昏時に遠くの人物へ誰何を掛けるような、手付き。
 虚空に揺れた、細い指先は、浮かんだ黒の球体を、撫でる様に掠める。

ソルト >>
いいよ。『呪ってあげる』。

 黒色の光源は、何処か、見覚えのある色をしていた。

ソルト >>
……君は『いい目をしている』。
何かを壊して、何かに壊されて、程良く虚ろになった、きれいな瞳だ。

……だから、君が望むまま、君が言うように、君に都合の良いように、『呪ってあげる』。


 ――――z____

>ベルンハルデ
ソルト >>
……やぁ、『ありがとう』。ベルンハルデ?

 投げ掛けられる、微笑み。
 彼女の瞳には、果たして、その光景は『一度散らかった』ように見えたかどうか。

 呪術師は構わない。
 凍り付いたような、空間に漂っていた寒気は、もう無い。

 呪術師は躊躇わない。
 当人が認識さえ出来なければ、それは『無かった事と変わりが無い』のだ。

ソルト >>
……もう、戻してもいいよ? 君が拾ってくれた刀は、その辺のテーブルの上にでも置いておいておくれ?

 指示(さししめ)された席。
 其処には、浮かぶ球体と、『何かが居たような形跡』だけが残っていた。

ソルト >>
お礼と言ってしまっては簡単すぎるけれど、新しい紅茶を淹れようか?

ソルト >>
……それ、もう『飲まない方がいいもの』になってるから。

 少年は立ち上がる。
 ふらりと、甘い香りを布擦れの音と共に揺らしながら、『何も落ちていない床』の上を、しゃなりと歩き出す。


 ――――z____


――――そして、

 呪術師は、浮かぶ光球に、慈しむ様な仕草で、優しく触れた。




参加キャラクター : 5名