幕間





少年───【骸宮 智鈎】の物語は、とっくの昔に終わっていた。
現実の世界に絶望して、自ら命を絶ってお終い。


だからこれは、本来無かった筈の、蛇足の36時間。
泥水啜って、弱音を吐いて、時に狂うように笑って
幸せな未来へ向けて、一度下ろした手を再び伸ばしたお話。


決してそこに希望は無かったけれど
どこか充実していて、どこか満足感に溢れていて、
『これで良かった』と誰かに言えるような
長い長い、自己満足の道のり。







さ、ワールドスワップの幕が上がる。
次の【チカギ】は、どんな自分を望むだろう。

平凡な生活でも、幸せいっぱいの未来でも、
それが己の＂当たり前＂になるように

ただ祈るように、縋るように、神に願えば良い。

▲	ジツ (貴方が浜辺に辿り着いた時には、 　Cross+Rose端末を開きっぱなしにし、柴犬を映している画面が見えるだろう)

	ジツ 「？　狂っているのはお前の命中のことだろう」 　犬に狂っている奴が何か言いながら海に向かって小石を投げた。 　水切りヘカトンだ。 　 【 1d100：[61] 】

	ジツ (海面を跳ねる石を眺めて) 「……お前とはそう長く共に居たわけではないのに、 　ずっと昔から知り合っていたような気がするな」

	ジツ 「…………この戦争状態が解除された後、イバラシティで会えるかどうか。 　その保証は出来ない。 　だが、もし会う事が出来たなら……」

	ジツ 「……この石投げの決着でもつけるか。 　先程投げた分で終わりでは、お前もつまらないだろう」

▲	撰 [………………。 …………あ、うん、ごめん。ごめん、なさい。 ずっと、喋ってた、けど。でも、ずっと、ノイズばかりで。]

	撰 [でも、こうして言葉が通じる、のなら、よかった。 ……自分のほうこそ、ごめん。 チカギと一緒にいるためには、こうするしかないって、思っていた。]

	撰 [そして今度は、ちゃんと人間の姿をした、本物の恋人がいる。 自分は……　今の自分は、こんな姿だから。 だから、きっと気づいてくれないかもしれないって。 でも、それでもいい。 思うことは他にもある……　けど、二人が幸せなら、それでいいと思ってた。]

	撰 [でも……　うん、そうだね。 もう一度離れたら、意味がない、よね。]

	撰 […………戻ろう。 今度こそは、みんなみんな、ずっといっしょだから。]

▲	世界が入れ替わるよりも前。覚えのある紫煙の香を、あなたの鼻腔は捉えることになる。 会おうとする奴がいるんだ、当然起こることだろ？

以下の相手に送信しました

4人の声が響いています。