［基本］OK.　［戦闘］OK.　［戦闘:エイド1］OK.　

イバラシティに産まれ、共に育ったこの年月――

彼女は俺にとって間違いなく、かけがえのない存在であっただろう



しかしそれは先ほどの告白によってそれは全く別の意味合いを持ち始めた――





もしそれが真実であるのなら、

このハザマでの争いを部分的に覆す事であっても実現しうるという事になる――



彼女は、恐らくその為の犠牲になる事を躊躇しないだろう。

むしろ"役目が無かった"彼女にとっては、不幸中の幸いですらあるかしれない。



だが――

気に入らないな……

血が、騒めくのを感じる――

"己の使命を全うせよ"と――



……俺の使命とは、一族の力を示す事だ。

その為に――俺は敵を滅する。

これは血の導き――"願い"等という感情は存在しない。



あるいは、ここで更なる力を願えと……？

気に入らない。

もし、敢えて何か願うべき事あるとするのなら――





彼女を、そしてこの俺自身をこの下らないしがらみから解放する事だろう












その、次の瞬間だった。






背後からの眩い光に振り向くと、そこには……
















突然全身が眩い光に包まれ始めた蒼歌は、落ち着き払った口調でそう告げた。













竜次楼は立ち上がる。




そう話す蒼歌の姿が、次第に薄らいでいく。。。









彼女の姿が更に薄くなる。































いよいよ、蒼歌の実体が見えなくなる。





























その言葉と共に、蒼歌の姿は完全に消失し、

彼女が身に着けていた髪飾りだけがかちゃりと地面に落ちて残った。










竜次楼は、髪飾りを拾い上げた。

母の一族に代々伝わる髪飾り。

願いを叶える力の証。

そして代償の印。



それを――――


















地面に叩きつけられたそれは、粉々に。

――跡形もなく砕け散って消失した。










薄暗い、ハザマの空を見上げる。



願いなど、ある奴が勝手に願えばいい。

俺はあくまでこの血の赴くままに戦う――今までも、これからも――



そして、その為にも……

ENo.888 ウーリ とのやりとり