［基本］OK.　［戦闘］OK.　

それから一か月半後。アンジニティ、名も無き荒野にて。

廃材から作り出した蒸留装置で飲み水を作り出す。
火はリンちゃんに用意してもらって、食料はおじさんに牛肉のようなものを召喚してもらって…
（俺でも火は起こせるが、低質な火打石が長持ちしない事とかを考えると、リンちゃんに頼んだ方がいい）

つまり、今のアンジニティサバイバルでの担当はだいたいこうだ。
・俺：道具の作成担当
・リンちゃん：火種担当
・おじさん：食料召喚（？）担当

野菜がちょっと恋しい。それと、ピザも。
肉ばかり食べてると、ちょっと飽きる。

アンジニティで1人暮らしだったのが、3人暮らしになったので。
今の俺は、エンゲル係数を減らすために小さくなっている。
アンジニティで、視点がいつもより低くなってるのにはまだ慣れない。



…あれから何があったか。
まず、ディランおじさんは。元から、自我が保てなくなる、と話していた通りに―――自我が消滅してしまった。
今でも、俺との約束に従ってか、俺とリンちゃんを守ってくれてはいるが…終始微笑んでるだけで、まるで自動人形のように、反応を返してくれない。
見かねて、おじさんを楽にしようと―――つまり、殺そうか、とリンちゃんに相談したけど、秒で却下されて怒られた。そりゃまあ、当然だよね。でも、止めてもらって嬉しかった。

リンちゃんは…実はかなり危うい状態だったみたいだった。
火を使う異能を持ってるけど、その代償として視力が下がる………どころか最悪失明する可能性すらあったらしい。
そんな無理をしてた事を話してくれなかったのは悲しいし、怒れてくるし(何より、それに気づいてなかった俺自体に！)
でも、もうこれ以上は酷くはならないみたい。
…よかった。

俺は…あの全てが変わってしまった日から、ずっとアンジニティで一人暮らしていた。
でも、今は…リンちゃんも、おじさんも、側にいる。
なら、俺はやれる事をやらなきゃ。
絶望するには、まだ早い。
俺が、リンちゃんを支えていかなきゃ。

環境は知っての通り厳しいけど、足を止める理由にはならない。
少しづつ、生活環境を改善しながら…俺たちはこの否定の大地で生きていく。

特に何もしませんでした。