［基本］OK.　［戦闘］OK.　［戦闘:エイド1］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

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　彼女は娼婦の娘だった。

　父親は煙突掃除夫、母親はお針子。下には二人の幼い兄弟。
　両親がどれほど働けど生活は苦しく、母親は夜には春をひさいで。それでようやく、家族揃ってどうにか日を凌ぐことが出来るような暮らしの中で。
　いつしか、彼女もまた母親に倣い、夜路へ立つことを余儀なくされた。
　けれど夜毎の行為は彼女の正気を蝕み、やがてひとつの呪いを産み落とす。
　それは小さなこどもがよく口にする、空想の中の友人。彼女のためだけの、苦痛を慰めるよすが。祈りを聞き届ける天の御使い。
　彼女はそれを、【天使さま】と呼んだ。
　その後、彼女は客の一人に見初められ、愛妾として囲われることとなった。
　【天使さま】によって願いが叶えられ、彼女は解放されたのだ。
　少なくとも少女の中では、そういうことになっている。

　けれど、その顛末は。
　迎えられた屋敷の中に安息はない。
　男は確かに彼女を愛し、金銭的な支援も惜しまなかった。
　けれど、男の妻がそれを許さなかった。
　決して男に伝わらぬよう、奉公人の全てを抱き込み、女は執拗に彼女を追い詰めた。
　そうして、最期。エスカレートする苛めの果てに、階段から突き落とされて彼女は死んだ。

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　それは臨月の出来事。死んだ母親の胎から取り上げられたこどもは一命を取り留めた。

　彼女の死を悼んだ男は、そのこどもを彼女の忘れ形見とし、懸命に守り育てた。
　女がそれを許す筈もなく、彼女に向けられていた怨嗟の矛先はこどもへと移る。
　男の血を引いているとも限らぬ娼婦のこども。
　紫電の右目を持つ君の悪いこども。
　女もまた身籠っていたのだから、そんな得体の知れぬこどもに、夫の関心が向くことを許せなかったのだ。
　物心のつき始める頃、こどもは屋敷で下男としての役割を与えられた。女には厳しく当たられたが、つらくはなかった。彼には【母親】が憑いていたから。
　少なくとも少年の中では、そういうことになっている。

　ある夜のこと。今度、死んだのは女であった。
　彼女と同じに、階段から足を踏み外したのだ。
　愛する女を二人喪った男は悲しみに暮れ、残った二人のこどもを同じように愛した。
　こどもがこき使われることはなくなり、嫡子とも仲睦まじく、そのよき理解者となった。
　彼は恐ろしく聡明に育っていた。
　嫡子によく尽くし、よく助け、家を継ぐ頃にはかけがえのない存在へとなっていた。最早、どちらが実権を握っているのかわからないほどに。
　けれど、つつがなく続いてゆくかと思われた生活は終わりを告げる。
　そうして、最期。嫡子を庇い、彼は死んだ。馬車による事故だった。

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　それは互いに家庭を持ったのちのこと。残された嫡子は、彼の家族によく尽くした。そして、互いのこどもたちは互いを伴侶と定め、血が繋がれてゆく。

　ある世代、いつか死んだ彼と同じく、紫電の右目を持つこどもが生まれた。
　少年は酷く聡明で、才気に満ち、周囲の大人たちは舌を巻くばかり。何より、彼には神託にも似た先見の明があった。曰く、【神さま】が傍にいてくれる、と。
　実際、その言葉通りに動くことでたちまちのうちに財を成し、小さな商家であったその家は大きく発展を遂げた。
　【神さま】の言葉を聴く彼は、やがて彼自身が神の如く扱われることとなる。
　その恩恵に与るべく、或いは、不都合なその存在を排除すべく。様々な人間が彼に近付いた。虚飾、欺瞞、悪意、嫉妬。腹の底の真意をひた隠し、誰もが笑みを貼り付ける。
　そんな中、彼に信じられたのは傍らの【神さま】だけ。彼にしか見えず、聞こえず、けれどそこに在る神。彼だけの神。
　少なくとも男の中では、そういうことになっている。
　——否。
　今や彼だけでなく、周囲の者たちにとってもそうだった。真偽はどうあれ。信じていようが、いまいが。その言葉を否定するものはいなかった。

　けれど。
　やはり彼には、誰も信じることが出来なかった。
　そうして、最期。彼はひとりきりで身を投げた。触れられぬ神へと近付くために、昏い川の底へと。

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　たった一人が身を投げたとて、最早、その血が絶えることはない。
　特異な外見。卓越した才覚。奇怪な死。それら印象的な要素によって、《片紫眼のこどもは特別なこども》という迷信が確立されてゆく。
　そしてそれは実態を伴い、現実を蝕む。

　その代の片紫眼のこどもは、音楽の才に恵まれていた。バイオリンを弾くことが何より好きで、それ以上に大切なことなど他にはないほど。故に、バイオリン以外はからっきしの有様で、いつも兄に頼りきり。
　けれど、兄もまた彼の奏でる音色を大変に気に入っていたから、それでよかった。バイオリンを弾く弟の隣で勉学に励み、家を継ぎ、その活動を後押しした。
　そしてそのことが、家の名を広めることにも繋がっていった。

　弟は言う。この世で最も美しい旋律を知っている。少しでもそれに近付きたい、と。
　兄は首を傾げる。彼の奏でる旋律以上に美しい音など、今、この世には存在しない。
　それもその筈。その旋律はただ一人、彼にしか聴こえない天上の音楽。至上の音色。【悪魔】の戯れ。
　少なくとも彼の中では、そういうことになっている。

　そうして、最期。
　華々しい活躍を重ねた末、熱狂的な愛好家により、公衆の面前で彼が惨殺されたとき。
　それは真実となった。
　のちの世に人々は語る。
　あの圧倒的才覚は、あの壮絶な夭折は、悪魔との契約によるものなのだ、と。

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ENo.421 エインモーネ とのやりとり


ENo.490 雛 とのやりとり


ENo.492 つづり とのやりとり

ItemNo.15 《frg：揺れる梅花》 を破棄しました。
ItemNo.17 《frg：聖者の真似事》 を破棄しました。
ItemNo.18 《frg：あなたは『先生』》 を破棄しました。

阿闍砂 陽炎(233) から 仙桃 を手渡しされました。

阿闍砂 陽炎(233) に ItemNo.28 ブラックベリーキャンディ を手渡ししました。

ItemNo.15 仙桃 を食べました！
　体調が 1 回復！（21⇒22）
　今回の全戦闘において 体力40 が発揮されます。

雛(490) から 400 PS 受け取りました。
変化LV を 5 DOWN。（LV31⇒26、+5CP、-5FP）

幻術LV を 10 UP！（LV70⇒80、-10CP）
付加LV を 4 UP！（LV95⇒99、-4CP）
料理LV を 1 UP！（LV0⇒1、-1CP）

コウト(1636) とカードを交換しました！

君と物語の先に （フレアランブル）


◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

阿闍砂 陽炎(233) は リアファル を入手！
雛(490) は 尾花 を入手！
■■■■(585) は リアファル を入手！
麻生田(988) は リアファル を入手！
阿闍砂 陽炎(233) は 蒼の光焔 を入手！
雛(490) は 水の光焔 を入手！
麻生田(988) は 翠の光焔+1 を入手！
■■■■(585) は ビーフ を入手！
■■■■(585) は 黒の光焔 を入手！

特に移動せずその場に留まることにしました。

声が響く。