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葉月 「それじゃ、はじめよう?」 |
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まどか 「よく、わかんないけど……負けてられないよね」 |
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「あー……お前達も運がないな。 ま、シャマールに出会ったと思って大人しく嬲られてくれ。 意味なんてものが、……それを与えるのが、まさに世の託宣ってやつかもしれねえしな」 |
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「ーーさあ、それでははじめようか。今ここで。今再び。 世界は嘗て欺きの上に、俺の舌に、指先の下に。 俺は、特級宮廷託宣士マタル・ユイ。ーーもう一度、夜の世界の託宣を聞かせてやるよ」 |

| 「あれから五時間、六時間くらいか。 何か変わったか? 変わるようなことをしてきたかい? 俺たちとの差は埋まったかい? 埋まらないなら…… お前さんたちが、選んだんだぜ。 アンジニティに行くことをさ」 |

| 燃えるような緑の目が見つめる。 瞬き――その頬をよぎる何がしかの表情、しかしその形の定まるより早く槍を構える。 |

| 炭のかけらのようなものを取り出し、地面に文字を書く。 酸い香りとともに黒い文字で、 林檎を意味する文字が書かれる…… |
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ここにはもうない林檎。 |
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カードがマタル・ユイの掌に載せられる。 それは、此処にあって他の何処にもない。22枚、異なる意匠のその紙片が。 |
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男の口の端に笑みが浮かんだ。ーー指先が示すのは《獣》の紙片。 息を、吸った。 |
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”地獄を、この夢から溢れさせて 招いて 炎であるはずがない それが炎のかたちであるはずが 安寧を祈る呪いが 届かない手が 背中に迫る 閉じた錠の鍵は わたしの裡にある” |
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「それでは、マタル・ユイの託宣を始めよう。ーー”暁”を、此処に。 ”叶うはずがないと 諦めていた その地獄の炎に 焚べたはずだった 心臓はいつだって終わりに向かう とうに燃え尽きているはずの星の代わりに”」 |
| 「普通に考えりゃ、お前さんたちは俺たちに負けるだろう。 勝ち目はわずかだ」 |
| 「だが、別にゼロでもない。 最後に精いっぱいってやつをやることを、 俺は期待しているよ」 |
| 「お前さんたちは知らないだろうが、 アンジニティってところはずいぶん悪い場所だ。 お前さんたちみたいなやつらは、すぐに食い物にされる……」 |
| 「あがいたほうがいいぜ。 こんなハザマのゲームより、ひどいことになりたくないんならな」 |
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林檎はもうここにない。 |
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陽葉 「私が前、いいよね?」 |
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葉月 「うん、援護する…気をつけてね。」 |
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(心の奥より何かが目覚める) |
| 痛みがあった。 |
| 痛みがあった。 |
| 痛みがあった。 |


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「これは、あの日の俺への弔いでもある。ーーなあ、アスラン」 |
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マタル 「 「そんな風に、俺たちを遠ざけなくたっていいだろ」」 |
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男の影が、獅子の姿を象って立ち上る |
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「”過ぎてゆく 浮かされたばかりの 手に届かないなんて嘘 王座はそこにある” |
| 周囲に紙が燃えるような香りが漂う。 |

「それじゃ、また、お前さんたちに問うとしよう」 |
火の粉が飛び散る。 |
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葉月 「これなら問題ない。」 |
「すばしっこいな」 |
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陽葉 「運も実力のうちってね。」 |
「すばしっこいな」 |
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葉月 「これなら問題ない。」 |
「すばしっこいな」 |
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筧姉妹 「カードは……好きじゃないけど仕方がない。」 |
| 筧姉妹のカード発動! |
| 痛みがあった。 |
| 周囲に紙が燃えるような香りが漂う。 |

「こいつはどうする?」 |
| 周囲に紙が燃えるような香りが漂う。 |

「そうして、こいつは?」 |
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心は炎を遡る。 |
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戸惑うような香り。 |
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葉月 「良く狙って……打つ。」 |
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パシャン、と水の弾ける音がした |
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陽葉 「当たってくれてもいいじゃないか。」 |
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まどか 「奥の手、ですっ」 |
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陽葉 「ありがとう、助かったよ!」 |
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陽葉 「ありがとう、助かったよ!」 |
| 痛みがあった。 |
| おおん、と空のたわむ音ひとつ。 |

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これは百戦の。 |
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痛みがあった。 |
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痛みがあった。 |
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痛みがあった。 |
| 痛みがあった。 |
| 痛みがあった。 |
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筧姉妹 「さて、最後の悪あがきだ、歯ぁ食いしばりやがれ。」 |
| 筧姉妹のカード発動! |
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葉月 「……ごめん、ね?」 |

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「”その瞳に恋をしていた その雫を拭ってやりたかった”」 |
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「”この舌を切り落とされること 眼差しのこの世界に捨て置くこと 闘争 確かに更新される最前線の灯が似るもの”」 |

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「”その瞳に恋をしていた その雫を拭ってやりたかった”」 |
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月影の、瞬き。 |
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「”その瞳に恋をしていた その雫を拭ってやりたかった”」 |
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マタル 「 「そんな風に、俺たちを遠ざけなくたっていいだろ」」 |
| 周囲に紙が燃えるような香りが漂う。 |

「粘ると苦しむだけだぜ」 |
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まどか 「せーふっ」 |
「すばしっこいな」 |
| 周囲に紙が燃えるような香りが漂う。 |

「それじゃここから、もう少し怖い時間が始まるぜ」 |

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戸惑うような香り。 |
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戸惑うような香り。 |
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| 痛みがあった。 |
| 痛みがあった。 |
| 痛みがあった。 |
| 痛みがあった。 |
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痛みがあった。 |
| まどかのカード発動! |
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パシャン、と水の弾ける音がした |
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まどか 「まだまだ…っ」 |
| まどかのカード発動! |
| 0 0 0 0 0 0 |
0 0 0 0 0 0 |
1 0 0 0 3 0 |
火 水 風 地 光 闇 |
0 2 0 1 1 0 |
0 0 0 0 0 0 |
1 0 0 0 0 0 |
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「泣いて、跪いて、……ああ、それから何だったか? さあ、一緒に沙汰でも待つとしようじゃないか」 |

| 「じゃあな。 ワールドスワップが正常に動くなら、こいつでお前さんたちとはお別れだ。 イバラシティは愉しかったぜ。 だからこそ、あそこが俺たちに食い荒らされちまうのは残念だがね」 |

息にもならないため息。 |

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そのまま消えていく林檎。 |
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これは百戦の。 |
