［基本］OK.　［戦闘］OK.　［戦闘:エイド1］OK.　［戦闘:エイド2］OK.　［戦闘:エイド3］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

　

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現代人の一日は、なおも経験に翻訳しうるようなものを、もはやほとんどなにも含んでいないからである。途方もなく遠方から届く情報でいっぱいになった新聞を読むことだってそうだし、交通渋滞に巻き込まれて車を停止させながら過ごす何分間だってそうである。地下鉄の車両のなかに供えられている供物に想いをはせてみることにしてもそうだし、道路を突然封鎖するデモにしてもそうである。官庁街をゆっくりい腐蝕していく催涙ガスの霧にしたってそうだし、どこでだかわからないが突然炸裂するピストルの弾丸の音ですらそうである。銀行かなにかの役所の窓口に行列したり、スーパーマーケットという夢の国を訪れることにしてもそうだし、エレベーターやバスのなかで見知らぬ人たちと押し黙ったまま、永遠のひと時をともにしていることにしてもそうである。現代人は一日のうちで、種々雑多な出来事――気晴らしになる出来事や煩わしい出来事、めったにない出来事やありふれた出来事、辛い出来事や愉しい出来事――に出会い、くたくたになって夕方家に戻る。しかし、それらのうち、経験になるものはひとつとしてないのだ。

（『インファンティアと歴史』／写本者：H）

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　子供はことばなく生まれ、後天的にことばを手に入れる。はじめは周りの大人たちが語ることばを少しずつ耳からあどけなく取り入れ、口にし、やがて子供は文字と出会う。文字は子供に多くのことばを与える。大人たちが語ることのなかったことば、聞かせることのなかったことばがそこにはある。

　ある人間が耳で聞くことのできることばは、常にその人間が置かれることのできた状況によって限定される。戦場に行くことなく戦場のことばを知ることはないし、病人なく看病のことばを知ることはない。母親がいなければ母親へのことばを知ることはなく、思想が問題になる場にいなければ思想のことばを知ることはない。しかし、文字に書かれたことばは、その限定を拡張する。

　文字に出会った子供は、大人の助けなしにことばを拡張していく。子供が知ることのなかったことば、出会うはずのなかったことばがそこにはある。身に備えることばの拡張に合わせて、子供は現実のとらえかたを拡張していく。子供は多くのことばを語るようになる。あるいは書くようになる。子供の現実は豊かになり、複数になる。子供はただひとりで本と向き合うことができる。そのために、大人は子供があるとき自分の思いもよらないことばの群れによって巨大になっていることを知り、それに驚く。それは時には幸福な事柄として受け止められ、また、時には恐るべき事柄として受け止められる。

　――そんなことばを使ってはいけない。――そんなことばに影響されてはいけない。子供が触れることのできることばを制約しようとする語りはいくらもある。それは躾としてなされる。ある程度のところまで発展した社会において、大人は往々にして、子供の言語を制御しようとする。それは発展した社会において、言語があまりに多量に生産されており、あまりに多量の言語と子供が出会えるからにほかならない。大人は子供を、自らの扱うことができる言語的能力の範疇に留めおこうとする。

　遠國静は才気にあふれた子供だった。年齢に見合わない浩瀚の書を読み、年齢に見合わない大量のことばを持ち、年齢に見合わないあまりに豊かな形で世界を描写し、内面化していた。それが歓迎される場所であるのならよかった。だが彼の育った場所はそうではなかった。

　俺たちのイバラシティの人格に降りかかったことにされた不幸について書くことは奇妙な経験だ。それは実際には起こらなかった。しかし、起こったこととして遠國静の個人史に記憶され、イバラシティの各所に記録され、その過去の出来事の生起を前提にイバラシティの現在が形作られている。

　それは実際には起こらなかった。遠國静という人間はどこにもいなかった。ただワールドスワップが俺たちアンジニティにいる人間の人格をできるだけ損なわない形でイバラシティに再演するために生み出した、つじつま合わせの悪趣味なパロディがあり、そのパロディとして遠國静に降りかかったことにされた不幸がある。遠國静を育てた男は本を憎んでいた。本によって人が拡張されることを恐れていた。人間というものを知の総体としてとらえ、人間が扱うことばの多寡をそのまま人間の巨大さとしてとらえていた、いささか歪んだ――しかし過剰な比喩であることに目をつぶればある程度は正確な――視界を持つ男にとって、幼少期から古今東西の本を読みあさり、巨大なことばの総体へと変じていく遠國静はおそらく恐怖の対象だった。あるいは憎悪の対象だった。
そいつは始めは読むことを禁じようとした。しかしそれがうまくいくはずもなかった。人は本を読む。俺も本を読む。遠國静も本を読む。法律も命令もそれを止めることはできない。しかし子供にとってその監督者は、法令をはるかに超えた罰則を下すことができる存在であり、そこで与えられた罰は時に取り返しがつかない。そうした取り返しがつかないことが起こりうることを、遠國静の、知恵あるとはいえ幼い頭でうまく想像することはどうやら難しかった。そうして遠國静はそいつの異能によって――あのつじつま合わせに最も便利なイバラシティの超常現象によって――「本へ触れること」を禁じられた。

　それは懲罰だった。しかし懲罰はまた赦しでもあった。懲罰を通じることによって遠國静は本に触れることから永久に遠ざけられ、もう二度と本を読むことによって罰されることはなくなった。身に封じられたその火のことを、遠國静は諧謔を込めて、『体罰 correction』ではなく『赦し pardon』と呼んだ。自分の中に書き与えられた、永久に赦すことのない火、その火によって永久に遠ざけられるがために、また永久に赦されたものとなること。もはやその男の監督なくともその男の定めた法の外へ行くことは決してない、そのための烙印。
とはいえそれを普通のことばで呼ぶのなら虐待であり、虐待に対して下される正当な社会的制裁の通りに、遠國静はそいつから引き離されて暮らすことになった。苗字も変わって遠國となった（それまでの苗字は「有田」といった。遠國静はその苗字を好まず、語ることは決してない。俺のほかに知る者があるはずもないそんなくだらないディテールをワールドスワップのパロディは妙に作り込みたがる。つまり、かつて俺の名前が変わったということが遠國静の『過去』の中に組み込まれているんだろう）。遠國とそいつのつながりは徹底的に絶たれようとしながら、しかし皮肉なことに、遠國の中に刻み込まれた『火』だけは残り続けた。医者も異能者も消すことはできなかった。そいつは当たり前のことだ。遠國静の『火』は俺の中の『火』であり、たとえ変奏として再現されたものであれ、写本の世界フィリオリビエの魔術の粋を集め、巨大な儀式を通じてなされた呪いが、一世界の個人の異能でかき消えるはずもなかった。そうして『火』は否応なしに遠國静に、自分が不当の虐待を受けた事実を思い起こさせ続け、自分にか弱い幼児期があったことを思い起こさせ続ける契機となっていた。

　遠國静の人生を俺は思い出すことができる。振り返ることができる。その後に受かった中学も高校も、そこでの交友関係も、大学も、大学院も。ひとりで帰る家でなんの本を読み、なにに興味を持ち、なにを好み、なにを憎み、なにを考えていたのかも。それらはすべてワールドスワップに作られたかりそめの記憶、偽の過去だ。すべてが終われば消えてなくなる。いや、そもそものはじめから、そんな過去は存在していなかった。ただ、あるいっときに生まれ消えていったフィクションの登場人物の過去のように、それは記憶されて俺の中にある。すべてが終わった時、無から生まれた遠國静も無に還る。しかし、俺が遠國静としての記憶を忘れることは難しい。ワールドスワップは奇妙な置き土産を残していく。イバラシティで会った連中のことを思い出すこともあるだろう。イバラシティで読んだ本のことを思い出すこともあるだろう。そこには遠國静の姿もあるだろう。遠國静の怒りや憎しみを知っているのは俺だけだ。フィクショナルな存在である遠國の、偉ぶる陰にある矮小さを、俺に覗かれている滑稽さ。それは時々思い返し、失笑の種になるくらいの面白みはあるだろう。

ENo.16 狐嵐華丸 とのやりとり


ENo.495 ラピアクチュール とのやりとり


ENo.620 ジミー とのやりとり


ENo.1354 ルーシー とのやりとり

ItemNo.1 駄物 を破棄しました。
ItemNo.8 駄物 を破棄しました。
ItemNo.10 クラヴィエ『répondu』 を破棄しました。
ItemNo.32 駄物 を破棄しました。
ItemNo.36 駄物 を破棄しました。

マタル(1352) から バターナイフ を手渡しされました。

ItemNo.42 スープ・ド・カマラサウルス を食べました！
　体調が 1 回復！（20⇒21）
　今回の全戦闘において 攻撃58 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

マタル(1352) から 生命の宝石 を受け取りました。

マタル(1352) に ItemNo.3 エクリチュール《تربة》 を送付しました。
マタル(1352) に ItemNo.44 すごい羽 を送付しました。

領域LV を 10 DOWN。（LV10⇒0、+10CP、-10FP）
解析LV を 12 DOWN。（LV40⇒28、+12CP、-12FP）
合成LV を 6 DOWN。（LV99⇒93、+6CP、-6FP）

魔術LV を 27 UP！（LV57⇒84、-27CP）
装飾LV を 11 UP！（LV88⇒99、-11CP）

ItemNo.1 バターナイフ から光飾『パランプセスト『——』』を作製しました！
　⇒ パランプセスト『——』／光飾：強さ320／［効果1］攻撃50 ［効果2］－ ［効果3］光纏19


インパラ(861) により ItemNo.1 パランプセスト『——』 に ItemNo.8 生命の宝石 を付加してもらいました！
　⇒ 博打付加！［ 3 1 3 = 7 ］通常付加
　⇒ 特質強化！効果3のLVが19増加！
　⇒ パランプセスト『——』／光飾：強さ320／［効果1］攻撃50 ［効果2］耐疫30 ［効果3］光纏38

インパラ(861) により ItemNo.28 エクリチュール《bois》 に ItemNo.50 ものすごい木材 を付加してもらいました！
　⇒ 博打付加！［ 1 5 1 = 7 ］通常付加
　⇒ エクリチュール《bois》／暗器：強さ471／［効果1］攻撃40 ［効果2］攻撃40 ［効果3］－【射程3】

森(1047) とカードを交換しました！

黄金にして不朽の血 （ユグドラシル）


メガトンパンチ を研究しました！（深度0⇒1）
メガトンパンチ を研究しました！（深度1⇒2）
メガトンパンチ を研究しました！（深度2⇒3）

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

マタル(1352) は ザックーム を入手！
アッシュ(1353) は 世界樹 を入手！
ルーシー(1354) は ザックーム を入手！
ルーシー(1354) は 強い牙 を入手！
ルーシー(1354) は ビーフ を入手！
ルーシー(1354) は 銀の光焔+1 を入手！
ルーシー(1354) は ビーフ を入手！
アッシュ(1353) は 桜の光焔 を入手！

ツクナミ区 S-5（草原）に移動！（体調21⇒20）
ツクナミ区 S-6（草原）に移動！（体調20⇒19）
ツクナミ区 S-7（山岳）に移動！（体調19⇒18）
ツクナミ区 T-7（山岳）に移動！（体調18⇒17）
マシカ区 A-7（山岳）に移動！（体調17⇒16）

［792 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［433 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［464 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［201 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［399 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［326 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［267 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［197 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［117 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［147 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［152 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［310 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［49 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［225 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［106 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［110 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［112 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う
［56 / 200］ ―― 《本の壁》荒れ狂う領域
［88 / 100］ ―― 《珈琲店》反転攻勢
［100 / 100］ ―― 《屋台》更なる加護
［81 / 100］ ―― 《苺畑》不安定性
［16 / 100］ ―― 《荒波》強き壁
［100 / 100］ ―― 《小集落》猛襲
［45 / 100］ ―― 《落書き壁》リアクト
［92 / 100］ ―― 《変な像》揺らぎ
［100 / 100］ ―― 《白い渦》不幸
［100 / 100］ ―― 《黒い渦》不運
［21 / 100］ ―― 《線路》駆逐



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　

星空が映る。

　

微かな波音と共に、弦楽器の優しい音色。

　

　

　

星空のなかに、黒い裂け目。

　

その裂け目にいくつもの小さな光の玉が吸い込まれてゆく。

　

　

　




　




　

　

　

チャットが閉じられる――