［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

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みんなが幸せなら、それでいいと思った。

所詮自分は"造られた存在"で、ただの"身代わり"。



小さな小屋の扉が開く。
階段を下る。たどり着く。

地下とは思えない緑と光の溢れるそこは、これからきっと創られるものの模範なんだと、そう思った。


後輩と遊園地に出掛けたあの日、帰りにともだちに会った。
相変わらず曖昧な記憶の自分に、それでも笑い掛ける。


『あんたが決めや。あんたが自由なりたいんやったら……うちらをどうにかせえ。
　従うんやったら…………うちらはずっとあんたと共におる』

何のことか分からなかった。
ただ首を傾げるさまに、ともだちは、俺の手を引く。





連れて行かれた先、椅子に座る1人の子供に言われたのは……。
そんな、頼まれごとだった。

『いいですよ』

俺は言った。
ただ、その時は。
具体的に何をするのか、さっぱりわからなかった。
祈りを捧げるとか、そういうことをしたりするのかなって、思った。
なんか、怪しい宗教みたいな、そんな感じがしたから。

ほら、よくTVでたまに見るの。
教祖がいて、教団員みんなが決まった時間に祈りを捧げて。
かみさまに感謝して生きる。

そんな事をするんだなあ、って思ってた。





口元に人差し指を当てて笑う女の子。

『君の行動に制限がかかってなくて良かったよ』

と、言う。

こういうところの内部事情は、話ちゃ悪い人たちが潰しに来ちゃうからダメなんだって。
だから誰にも言わずに、何日かに一回というペースでここに通った。

『ともだちと出掛けてくるね』

お父さんとお母さんには、そう言い残して。
幾度となく、足を運んだ。

それからひと月くらい経ったと思う。





椅子に座った子供の頼み事は、我々を救ってくれ、というものから、世界を創らないか？というものに変わった。

俺は、そんな大層な事ができるんだろうかと、そう思った。


自分が世界を創ったら、どんな世界になるんだろう。
もう、誰かの代わりなんかじゃないけれど。
だからこそ、自分が創る世界というものに興味が、好奇心が湧いた。

同一だったお母さんとは違う感性の世界。
お母さんとは違う穏やかな世界。

この場所のように、緑が豊かで、光が溢れていて、木々も、鳥も、小さな生き物たちも。
何の脅威もなく暮らす世界。

そこに人はいるのかな。
いるとしたら、どんな人たちだろう。
ここの人たちみたいに、未来に夢見る人たちだろうか。


椅子に座った子供は言った。

『その創造の異能で、君の世界を創りなさい』

自分のちょっと複雑な異能でそんな事ができるのかと、そう思った。

物質を分解し、再度組み立て、そして作り直す。
刻を戻してるように見せかける力。
その力で、まずは小さな"星"を創ろう、って。
そう言われた。





確かにその場に素材が無くても、いつも何か何かヘンな生き物(ウニ助とかさ)が生まれてたりした。

そうそう、去年の夏。
2匹いたうちの1匹のウニは、ここの女の子が持って来ちゃってたんだって。

俺の創り出したものがどんなものか。
それで有意義なものができるのか。

調べさせてもらったって、言ってた。

結果は、まあ、俺がここにいるって事でわかるわけだけど。

でも、あの時俺の中にはまだあの人がいて、あの人の力があってそういうものが生み出せていた。
だから、"独り"になってしまった今、それができるのかどうか。
……正直、わからない。

『なんも、焦らんでええよ』

すぐさまやれ、というわけじゃないってともだちは言う。
異能を使ってみて、少しずつ慣れていけばいいって、言う。

あの人はもう共にいないけれど、"あの人の魂"は俺が持ってるからって、言う。

だから……ダメ元で、使ってみた。

"記憶"から創るものは、まだ創り出せない。
それでも、魂に刻まれているらしいそれを手繰り寄せるように一生懸命頑張った。
けど、やっぱり出来なかった。





そう言い渡された翌々日。
真っ白で右も左もわからない部屋。
上も下もわからない部屋。

そこに用意されていたのは、花の種が二種類だった。

花の種をじっと見つめて、内部構造を読み取る。
いつも刻を戻していた時のように、まずは物質の情報を得る。

それから、それをバラバラに崩して、組み立てる。
でも、花の構造ってどんなだろう。
俺、生物はあまり得意じゃないんだよな。
ヘンリエッタなら、知っていたかな。

「──…………。」

わからない。
わからないから、何も考えずに、呼びかけながら組み上げた。






気が付いた時、目の前に出来上がっていたのは、


朝顔のように蔓が伸びた向日葵だった。





見たことのない花に、少し嬉しくなってしまった。





白衣を身に纏う一人の男の人が、言った。

確かに花は生きている。
そしてそれを、自分が創った。
見たこともない花<生命>を。
俺が創った。

素材は元々あるものだったけれど、自分が創りだしたという感覚が……妙に嬉しかった。
みんな、褒めてくれた。
すごいよ、って褒めてくれた。

だから余計に────嬉しかった。

それから数日後。
白い部屋に用意されていたのは、今度は金魚鉢の中の金魚と虫かごの中の蝶々だった。

明らかに生きている二つを見て、俺は半歩下がった。
少し、戸惑った。

これを分解して、再度一つに組み上げる。
戸惑いと躊躇いが顔に出ちゃってた。

『何も遠慮はいらない』
『ただの虫と、露天で購入したもうすぐ死ぬかもしれない金魚だ』

もうすぐ死ぬからって、こんな実験みたいなことしていいの？って、聞いた。





そう言われたから。

俺は、二つの小さな命に、手を出した。

創り上げたのは、魚のヒレが蝶の翅になったような、幻想的なものだった。
それが優雅に、水中を泳ぐ。
きれいだなあって、そう思った。

でもね。
最初に作った花もそうだったけれど。


創り出した二つの命は、長くはもたなかった。


気落ちして過ごした数日後、いつもの白い部屋に用意されていたのはなにかの骨と、
鳥の羽と、いくつかの瓶に入ったわからない物質。

薬かなにかか。
それとも、調味料とか、そういうものか。
はたまた……。





思わず、顔が引き攣った。
鳥の羽があるのに、猫？
骨といくつかの粉とそれだけで、猫？

動揺した俺に、白衣の人は言った。

『猫ですよ。上手くいけば、空を飛ぶ猫が生まれるかもしれない』

俺はそれはさすがに、と思って部屋から出ようとした。
出ようとしたのに、出口が見当たらない。

……閉じ込められた。
いや、気付かなかっただけで、いつもここにいる時は閉じ込められていたのかもしれない。





ずっといたら気の狂いそうな部屋から出たかった。
そのあとは……余計な事を考えずに力を使った。


『おめでとう、新たな生命の誕生だ』

ぱち、ぱち、ぱち。

酷くゆっくりな拍手と、狂ったような笑みがこちらを見る。

ゆらめいて、近付いて、手が伸びてくる。

手を振りほどいて逃げる事も。
叫ぶことも。

何もできない、本当の恐怖。



──……、……。


合わせて、笑った。
泣きながら、笑った。

笑う俺の後ろで、骨といくつかの素材から出来上がった"猫"は鳴く。

「　ィ゛……
　　　　　　ァ　　　　　　　　ア゛　　
　　　　　　　　……、ア゛　　　ァ゛　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ォ゛　」

背筋が凍るような鳴き声だった。

"おかあさん"

そう、呼ばれている気がした。


ゆっくり、視線だけ後ろへと移す。
見えない。
首を少しだけ捻る。
恐る恐る、捻る。




猫　が　見ている。
　　　　
　 　　　　　　　猫　か　わからない　何かが

　見ている　　　　　　　猫　　　　
　　
　　 　　　　　猫　　　　　　　　が


が　　　　　　　　　
　　　 　　　　　　　　　　　ずっと　見ている。






「……、…………」

「ごめん……なさい……」

俺は、この子を愛する事はできない。
自らの手で創り出しておきながら、悍ましいと思ってしまった。
俺の知っている"猫"ではない。

いや、後から考えてみれば……"猫"を構築するのに、"鳥の羽"は不必要だ。
どうして、その時に気が付かなかったのだろう。

左前脚が無い。
右耳も無い。

俺の創造力が足りないから？
素材が不適切だから？
足りてないから？

わからない。
わからないけど。

「……創ったんだから……帰してください……」

逃げたいと心底思った。
これの何処が素晴らしいと？
これの何が生命だと？





ああ、閉じ込められる、閉じ込められる。
まっしろな　へやに　ひとりきり。

時折人がやってきては、"素材"を置いていく。

創って　つくって　ツくッテ




────ここが、俺のせかいなの？


ひとりぼっちの　まっしろせかい。
さびしいから　かなしいから

泣いて落ちた涙で　海をつくる。
口からもれた叫びで　風をつくる。

豊かな大地はなにでつくろう？

ああ、そうだ……俺の肉をつかおう。
死滅した肉は、やがて土にかえる。

あたたかな光を照らす太陽は。









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ENo.388 ユイノ とのやりとり


ENo.801 せおり とのやりとり

ItemNo.11 磯の香り を使用しました！
　魔香のため、体調は回復しなかった。
　今回の全戦闘において 攻撃44 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

泥蘇光悪渡(150) から 滑々な変な本 を受け取りました。

制約LV を 16 DOWN。（LV40⇒24、+16CP、-16FP）

解析LV を 21 UP！（LV19⇒40、-21CP）
武器LV を 5 UP！（LV85⇒90、-5CP）

泥蘇光悪渡(150) の持つ ItemNo.28 立派な歯 に ItemNo.7 リフレクター を合成し、滑々な変な本 に変化させました！
　⇒ 超絶合成！［ 6 3 6 = 15 ］不発！

泥蘇光悪渡(150) の持つ ItemNo.19 銀の光焔 から射程1の武器『禁賊抜刀・蝶』を作製しました！

マイティ(1487) とカードを交換しました！

俺が、俺達がジャイアントメカだ！ （サモン：ジャイアントメカ）


ジェネラル を研究しました！（深度0⇒1）
ジェネラル を研究しました！（深度1⇒2）
メナス を研究しました！（深度0⇒1）

空間掌握 を習得！
無影無踪 を習得！
デウスエクスマキナ を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

泥蘇光悪渡(150) は 壊れたコンテナ を入手！
ユイノ(388) は おはじき を入手！
晴(428) は おはじき を入手！
悠吏(526) は 四葉+1 を入手！
ユイノ(388) は ふさふさ+1 を入手！
泥蘇光悪渡(150) は ビーフ を入手！
悠吏(526) は 鋼 を入手！
ユイノ(388) は 立派な皮 を入手！
晴(428) は ビーフ を入手！
泥蘇光悪渡(150) は 刀の欠片 を入手！

ユイノ(388) に移動を委ねました。

マシカ区 D-11（山岳）に移動！（体調20⇒19）
マシカ区 E-11（山岳）に移動！（体調19⇒18）
マシカ区 F-11（山岳）に移動！（体調18⇒17）
マシカ区 F-10（山岳）に移動！（体調17⇒16）
マシカ区 F-9（山岳）に移動！（体調16⇒15）

［803 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［437 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［472 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［202 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［398 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［330 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［271 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［197 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［118 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［142 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［154 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［309 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［48 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［226 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［102 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［110 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［110 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う
［58 / 200］ ―― 《本の壁》荒れ狂う領域
［88 / 100］ ―― 《珈琲店》反転攻勢
［100 / 100］ ―― 《屋台》更なる加護
［75 / 100］ ―― 《苺畑》不安定性
［15 / 100］ ―― 《荒波》強き壁
［100 / 100］ ―― 《小集落》猛襲
［41 / 100］ ―― 《落書き壁》リアクト
［90 / 100］ ―― 《変な像》揺らぎ
［100 / 100］ ―― 《白い渦》不幸
［100 / 100］ ―― 《黒い渦》不運
［18 / 100］ ―― 《線路》駆逐



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　

どこかの森のなか。

　





　

大きな木に寄り掛かり座る３人。

　













　

　







　

明るい声で話すふたり。




ふたりの手などを一瞥し、上を向き静かに息を吐く白南海。

　

　

　










　








そう言って立ち上がり、その場を去る白南海。

　












　

　

　

チャットが閉じられる――