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ミハル 「おや。これはまた、頼もしそうなご婦人ですねえ。お一人ですか? 先ほどは、屈強な男性たちを連れた紳士と戦わせていただいたのですが……。 どうしてこう、ご年配の方々とやり合わなければならないのやら。 どんな人間であれ、命が惜しくないわけないだろうに。 ……まあ、つべこべ言っても仕方ないですか。 こちら側についた以上は、自業自得ですからねえ──」 |
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ミハル 「お互い、後悔なきよう限りある時間を過ごしましょう。 ご婦人だって、ご婦人自身の意思で、 そこに立っているのでしょう?」 |
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ミハル 「オレは花屋。死者へ最期の花束を届けるのが、主な仕事。 なればこのような場所であっても、 ハザマでの最後の時を選択する皆々様のために、己の仕事を遂行しましょう」 |
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ミハル 「──花は、お好きですか?」 |

| ランメイ 「なんか捉えどころのない感じだね。でも強いってな分かるよ。じゃ、やろうか」 |
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悲劇を呪え。不幸を恨め。敵を憎め。絶望を孕め。 |
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平穏を尊べ。幸福を望め。隣人を愛せ。希望を抱け。 |

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戦え。愛しき者どもよ。 抗え。愛しき者どもよ。 |
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愛しきその心を以て、運命を跪かせろ。 |

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其れこそ、わたしが世界に仇成す理由である。 |



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空っぽのわたしは、誰かの皮を借りなければ生きられない。 |

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ミハル 「おっと。危ない、危ない」 |
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ミハル 「ありゃ。今の避けちゃうんだ……」 |
| ランメイ 「遅いねえ」 |
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ミハル 「今の結構自信あったのになあ」 |
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胎内から滑り落ちた泥が隆起し、肉のような腕を模す。 肉のような山を模す。ばけもののようなヒトを模す。 |
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そいつ世界は、ばけものに満ちていた。 |

| ランメイ 「本気でおいで」 |
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ミハル 「あとちょっとだっと思ったんだけど」 |
| ランメイのカード発動! |
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——異国の言葉で二人が唱っている。 哀しみはもう緑の目に映らないのだと—— |
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── 「 たすけて 」 。 |
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ミハル 「まだ立てるかなあ?」 |
| ランメイ 「おっ、いい音したねえ?」 |
| 泥被る造花のカード発動! |
| ランメイのカード発動! |
| ランメイ 「おっ、いい音したねえ?」 |
| ランメイ 「ハッ、気合い入れてくよ」 |
| 泥被る造花のカード発動! |
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スターシャ 「瀕死の仲間にはこれ! 無理矢理心臓動かしてとりあえず死なないようにします。 あ、効果が出ているうちに後でちゃんと処置してください」 |

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この物語の終焉は、幸福に満ちている。 |

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ミハル 「おっとと……」 |
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ミハル 「あとちょっとだっと思ったんだけど」 |
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ミハル 「お兄さんもいいところ見せないとねえ」 |
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ミハル 「……ん? この場合は悪いところかな?」 |
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ミハル 「おっと。危ない、危ない」 |
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ミハル 「ありゃ。今の避けちゃうんだ……」 |
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ミハル 「運が味方してくれたようだ」 |
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ミハル 「ありゃ。今の避けちゃうんだ……」 |
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ミハル 「う、……。……」 |
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どれがだれで、だれがどれだかわからない。 |

| ランメイ 「本気でおいで」 |
| ランメイ 「おっ、いい音したねえ?」 |
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ミハル 「あは、……おみごと、でした。その調子で、これからも、……」 |
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ミハル 「ウ、ぐ……ッ、……!」 |
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ビチャッ。 咳き込んだ男の口角から、 塞ごうとした指の合間から、泥が零れ落ちる。 |
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火 水 風 地 光 闇 |
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| ランメイ 「ほい、おしまいだ」 |
