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<< 29:00~30:00
[基本]OK. [戦闘]OK. 






前半部は前回の再掲です。


 メイド服を着ているがーーーーーー男だろ?
 探偵がそう言った瞬間、ぐらり、と足元が揺らいだ気がした。
 青ざめた顔で、呼吸を荒くしながら、メイド服を着た<子供>、ニコレットは、なんとか倒れずに踏みとどまった。
 ああ、そうか。ポールモール邸での謎解きの間、リトゥラさんはこんなに苦しい思いをしていたのかーーーーーー。
 そんなことを思いながら、震える足で、必死に立つ。
 探偵は続ける。
 「図星だろ。確かに、君はかわいい顔をしているから、メイド服を着てたら女の子に見えるよ。けど、色々と怪しい部分はあった。まず言葉遣い。ぶっきらぼうな下町言葉を使っているが、まるでとって付けたような違和感がある。きっと、無理をして普段の口調を、身分ごと隠すための言葉使いなんじゃないかと思ったよ。それに所作が女の子らしくない。一緒にポールモール邸に行った時に思ったが、君、随分と大股で歩くじゃないか。これでも俺は結構脚が長いんでね、その歩調について来れる女の子なんて、そうそういないよ。他にも色々と気になるところはあった。さ、ニコレット。君の本当のーーーーーー男としての名前は?」
 そこまで言われると、ニコレットは俯き、それから観念したように顔を上げた。
 「ーーーーーーその通りです、チャコール先生。」
 その顔は、その声は。繊細さはあるものの、先程までの気弱なメイドとはまるで別人のような、落ち着いたものだった。
 「僕の本名はーーーーーーニコです。ニコ・アッシュトレイと言います。」
 「ニコ・アッシュトレイ…」
 探偵は少年の名乗った本名を復唱する。
 溜息のように、あるいは嘆息のように。乾いた声が、僅かに湿気を帯びた気がした。
 「それで、チャコール先生。僕が貴方にお話しする秘密はーーーーーー」
 少年の澄んだ声を遮るように、煙に燻された声が被さる。
 「君の目が見たい。」
 少年は一瞬固まるが、観念したように苦笑した。 
 「あなたは何でもお見通しなんですね」
 やや諦めを含んだ表情だが、それと同じくらい、何かから解放されたような安心感も読み取れた。
 「僕の目はーーーーーー」
 そう言いながら前髪を掻き上げると、今まで隠されていた少年の瞳が露わになる。
 睫毛の長い、大きな目だ。左は、まるで吸い込まれるような、炭の色をした瞳だった。
 しかし。
 「いや、僕の右目は、少々、変わっておりまして」
 少年の深い青色の右目は、まるでそれ自体が光を放っているかのように、爛々と、煌々と、目が眩むほど燦然と輝いていたのだった。



 「…星の瞳か…!」
 探偵の呟きに、少年は頷く。
 「やはり、ご存知でしたか」
 そう言う少年の目は、どこか哀しげな色を帯びていた。
 探偵は微かに目を眇め、少年の瞳をじっと見据えながら言う。
 「ああ。その瞳を持つものは将来、功績を残す英雄<スター>になるか、犯罪史に名を刻む犯罪者<ホシ>になるか…そう記憶している。君のそれはーーーーーー金星か。」
 探偵の目がギラついた熱を帯びる。全ての興味は少年の瞳に向けられているようだった。
 「ええ。禍福の暁星。そう呼ばれているようです」
 「成る程な。」
 そう言うと探偵は、手帳に文字を書き起こした。
 <隠された右目は、禍福の暁星。  ーーーーーーニコ・アッシュトレイ>
 そのページを破った時、少年が待ったをかけた。
 「あのッ…!」
 呼び止められた探偵はぴたりと動きを止め、目を少年に向けた。
 「ん?なんだい?」
 少年は震える指でメモを指差す。
 「それ…そのメモ、リトゥラさんの時も…」
 そう、少年は思い出したのだ。
 ポールモール邸の事件を解決した後、探偵がメモに何かを書き入れ、それを使って不可思議なことをしたのを。
 「ああ、あれ見てたのか。そうだよ、こうすると…」
 探偵はメモを筒状に丸め、両掌で包む。
 そしてグッと力を込めたと思うと、探偵は再び手を開く。
 すると、そこにあったのはーーーーーーニコが以前見たのと同じ、1本のタバコだった。





 「どうだい?不思議だろう?」
 少年はこくこくと頷く。
 探偵は薄く笑って続けた。
 「どういう理屈かは解らないんだけどね。【秘密】と【名前】。それを書いた紙から、俺はタバコを作ることができるんだ。」
 「【秘密】と【名前】…」
 怪訝そうに復唱する少年に、探偵は詳しく説明する。
 「そう、【秘密】と【名前】。このタバコを吸うためだけに、俺は秘密を集めている。探偵ってのは便利でね。事務所を構えておけば、やれ事件だ、やれ調査だと勝手に依頼が舞い込んでくる。すると事件解決の過程で幾つか秘密が手に入るからね、誂え向きの仕事なんだ。」
 探偵は先ほど少年の秘密から作ったタバコを咥えながら続ける。
 「それにな、探偵事務所に来るような人間は、大概は良い秘密を抱えてるからね。依頼料としてそれを頂戴するのさ。俺にとっては最高の仕事だよ。天職だと思っている。」
 そしてポケットからブックマッチを取り出すと、それを指で弾くようにして火をつけた。
 「さて、早速だけど、君のタバコを吸わせてもらうよ。どんな味がするかな。」
 探偵はニヤリと笑い、タバコに火をつけ、深く吸い込んだ。
 それも束の間。
 「………!」
 探偵の目が見開かれ、表情が強張る。
 慌てるようにして大きく煙を吐いた探偵に、少年はおずおずと声をかけた。
 「あの…どうか、しましたか?」
 探偵は驚いた表情のまま、深呼吸をしていた。
 「え……これは、君…」
 少年の顔とタバコを交互に見ると、探偵はもう一度、まるで確認するようにタバコを吸った。
 今度は先ほどよりも深く、じっくりと味わうように吸うと、もくもくと煙を吐き出した。
 「……………そうか、そうか、そうか……これは…」
 探偵の表情は、やや眉根を寄せたような、険しいものだった。
 「………とんでもないタバコだよ、これは。バニラの甘いフレーバーで本当の味を隠してあるが…なんて重いタバコなんだ。短くて粗いプレーンフィルターを使ってるからだな…フィルター付きではあるけれど、煙がまるで濾されていない。それにこの煙の量、巻紙は相当に燃焼速度の早いものを使っている。だから重くて濃くて、煙が多くて、苦くてえぐくて辛い…」
 探偵は、難しい顔をしながらタバコを吸い続ける。
 「うまい、うまいよ。でも、こういうタバコを生成する感情は………強い憎悪と殺意だ。」
 探偵の火の色の目が熱を持ち、少年へと向けられる。


 「なあ、少年。もしかして君、まだ俺に依頼したいことがあるんじゃないか?」







ENo.593 Hǝɯɐʇᴉʇǝ とのやりとり


「自分!」
 なぞなぞに分かった子供のように、手のような触腕を伸ばしながら言う。


「ふむ、そういうものか」
 噂は尾ひれはひれついて今の自分からかけ離れたものとなるだろう。男は知らないが、偉人の女体化などは特に本人が見ない方がいい部類だろう。


 噂から離れた真実を聞くのは極一部でいい。それこそ、煙のように辺りを漂ってかき消えてしまうような、儚き事実。
 千切られたメモ帳、契られた歩んだ道。

 形にならない長い話を、形を持つ文書にされたのが少し気恥ずかしいのか、咳払いをした。
 それが丸められて、一本のタバコになる。

 少しだけキョトンとして、貴方の口に咥えているのを見る。

「いや……只の悪趣味では無いのかもしれぬが、悪趣味であることは変わり無いだろう」
 苦笑いを堪えた声だ。

「チャコール・タール。お前は人の秘密を吸っているのか」
 胸の奥に秘めた、燻り熟成した感情。まるでタバコの葉のように深くじっくりと加工を施した感情を楽しんでいるのだろうか。
 それを悪趣味と言わずしてなんと言う。


「自分の一部を切り取られた気分だ。これならまだファイリングされた方がマシかもしれん」
 自分の思いの丈を、他人の口で燻られる。生理的に嫌だ、というように珍しく困り眉だ。

「お前の口から秘密を言いふらされるのではなく、秘密を煙として吐かれるなんてな。
 ……一種の供養かなにかだと思うことにしよう」

 少なくとも、男を擽った気持ちにさせたメモ帳は煙として消えていく。事実は自分と貴方とタバコにだけ有るのだから。

「そんなものばかりを集めているのか? お前は」






特に何もしませんでした。















TeamNo.1491
ENo.1491

TeamNo.520
ENo.520
チャコール







◇通常獲得:各CP・FPが5増加した!





特に移動せずその場に留まることにしました。
体調が全回復しました!







>> これまでのあらすじ


[805 / 1000] ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
[434 / 1000] ―― 《廃ビル》研がれる牙
[475 / 500] ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
[199 / 500] ―― 《白い岬》より精確な戦型
[404 / 500] ―― 《大通り》より堅固な戦型
[325 / 500] ―― 《商店街》より安定な戦型
[266 / 500] ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
[193 / 500] ―― 《古寺》戦型不利の緩和
[116 / 500] ―― 《堤防》顕著な変化
[143 / 400] ―― 《駅舎》追尾撃破
[5 / 5] ―― 《美術館》異能増幅
[148 / 1000] ―― 《沼沢》いいものみっけ
[100 / 100] ―― 《道の駅》新商品入荷
[309 / 400] ―― 《果物屋》敢闘
[47 / 400] ―― 《黒い水》影響力奪取
[219 / 400] ―― 《源泉》鋭い眼光
[98 / 300] ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
[105 / 200] ―― 《図書館》蜂のように刺し
[99 / 200] ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う
[49 / 200] ―― 《本の壁》荒れ狂う領域
[83 / 100] ―― 《珈琲店》反転攻勢
[100 / 100] ―― 《屋台》更なる加護
[71 / 100] ―― 《苺畑》不安定性
[15 / 100] ―― 《荒波》強き壁
[100 / 100] ―― 《小集落》猛襲
[32 / 100] ―― 《落書き壁》リアクト
[64 / 100] ―― 《変な像》揺らぎ
[40 / 100] ―― 《白い渦》不幸
[100 / 100] ―― 《黒い渦》不運
[12 / 100] ―― 《線路》駆逐



女性の声が聞こえる。

 

 

 



「――天使よ、なぜ過去に来てまで私達を造った。」


「なぜ彼女にこんな呪いを・・・」


 



「意思、伝えていたのね。遠回しに、呪いの制約を掻い潜って。」


「これは次もきっと無理。でも、気づいてさえいれば私には手段があった。」


 



「他の伝えかた・・・そんなもの、要らない。」


「私が次も必ず貴方を見つけ出し、再びワールドスワップに介入し、
 全員から候補者を・・・いや、開幕から全員を消せばいい・・・」


「これで合ってる?合ってるわよね。アダムス・・・」


 



「貴方をこの地獄から救うためなら、私は――」


 

 

 















■■の物語
ENo.779
ハルト
TeamNo.520
ENo.520
チャコール




431 353









ENo.520
私立探偵・鍛炭 灰郎
※エンジョイ勢
※ロール>>>戦闘
※森羅万象一切合切を許せる人向け

鍛炭 灰郎(カスミ ハイロウ)

職業:探偵
性別:男
身長:185センチ
体重:75キロ
年齢:「37…38、いや、36だったような…」

カスミ駅前の古びたビルに事務所を構える私立探偵。
怠惰で無気力、常にタバコを喫する胡乱な男。
依頼を遂行する能力だけは高く、基本的にどんな依頼でも安価で請け負う。
その代わり、依頼者の「秘密」を報酬として要求する。
30 / 30
5 PS
チナミ
B-4
行動順9【日和】AT・AG・HL↓
23465
300







Noアイテム名種類強さ効果1効果2効果3(素材・食材の場合は詳細等)
1不思議な武器武器10【射程1】
2不思議な防具防具10
3不思議な装飾装飾10
4不思議な牙素材10[武器]攻撃10(LV5)[防具]活力10(LV5)[装飾]体力10(LV5)
5不思議な石素材10[武器]回復10(LV5)[防具]防御10(LV5)[装飾]幸運10(LV5)
6不思議な食材食材10[効果1]器用10(LV5)[効果2]敏捷10(LV10)[効果3]耐疫10(LV15)
7不思議な食材食材10[効果1]器用10(LV5)[効果2]敏捷10(LV10)[効果3]耐疫10(LV15)
[出現付加の効果一覧] 最大所持可能数[50]




異能・生産
名称LV説明
武術50身体/武器/物理
制約5拘束/罠/リスク
具現5創造/召喚
解析50精確/対策/装置
付加10装備品への素材の付加に影響
合成10合成に影響

アクティブ
被研究スキル名/元スキルLVEPSP説明
バリツパンチ
(ブレイク)
7050敵:攻撃
追及
(ピンポイント)
8050敵:痛撃
三段論法
(クイック)
7050敵:3連撃
ブラスト5050敵全:攻撃
ヒール5050味傷:HP増
ドレイン5050敵:攻撃&味傷:HP増
名推理
(ペネトレイト)
5050敵貫:痛撃
スイープ5050敵列:攻撃
ストライク5050敵:攻撃+自:連続減
アサルト5050敵:痛撃+自:連続減
クリエイト:タライ5050敵:攻撃&混乱
プリディクション50120味列:AG増(3T)
デアデビル5060自:HP減+敵傷4:痛撃
クリエイト:シールド52200自:DF増+守護
決3フィジカルブースター50180自:MHP・DX・自滅LV増
クリエイト:チェーン50100敵3:攻撃&束縛+自:AG減(1T)
キャプチャートラップ5090敵列:罠《捕縛》LV増
クリエイト:メガネ50100味:DX・AG増(5T)
チャージ50100敵:4連鎖撃
ブロック5080自:守護+DF増(2T)+味傷:護衛
フェイタルポイント5080敵:精確痛撃
イレイザー50100敵傷:攻撃
リンクブレイク50150敵全:精確攻撃&従者ならDX・AG減(3T)
ハードブレイク51120敵:攻撃
ウィークサーチ50130自:朦朧+敵:DF・AG減(3T)
ブレイクスルー50140自:貫撃LV増
フィアスファング50150敵:攻撃&MHP減
コンシアンス50200味:精神変調耐性増+強化ターン効果を延長
ジェネラル50270敵:5連鎖撃&名前に「撃」を含む付加効果のLV減
マーシャルアーツ50330自:DX増+名前に「撃」を含む付加効果のLV増
決3ソードブレイカー50240敵:攻撃&装備によるAT減
ライブラリ5010自4:HP減+付加効果を1つ失うことで連続増
メナス50400自:無属性攻撃化(5T)+敵列:粗雑攻撃
コンキスタ52400敵:攻撃&3D6がX以上なら、名前に「撃」を含む付加効果を1つ奪取 ※X=6+奪取対象の付加効果のLVが高いほど増加
カペルスウェイト52400敵6:攻撃 ※属性耐性の合計値が高い対象ほどダメージ増

パッシブ
被研究スキル名/元スキルLVEPSP説明
猛攻550【戦闘開始時】自:AT・DX増
堅守550【戦闘開始時】自:DF・AG増
攻勢550【戦闘開始時】自:AT増+DF減
守勢550【戦闘開始時】自:DF増+AT減
献身550【戦闘開始時】自:HL増+LK減
太陽550【戦闘開始時】自:MHP・HATE増
潜入
(隠者)
550【戦闘開始時】自:MSP増+HATE減
応酬540【被攻撃命中後】対:精確攻撃
怪力乱神550【戦闘開始時】自:武術LVが高いほど無属性攻撃が強化
心機掌握550【戦闘開始時】自:敵がスキルキャンセルされるたびに、AT・DF・DX・AG・HL・LK増
乱離骨灰530【戦闘開始時】自:名前に「撃」を含む付加効果の発動率増
最大EP[25]




被研究カード名/スキルEPSP説明
ほっと一息
(ヒール)
050味傷:HP増
デアデビル
(デアデビル)
060自:HP減+敵傷4:痛撃





[深度]スキル名[深度]スキル名[深度]スキル名



PL / ????