［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

これは二つ目の昔話。

わたしたちはずっとそこに在った。
木々に。草花に。川に。岩に。大地に。
その山のすべてだった。



* ＊ * ＊ * ＊ * ＊ * ＊ * ＊ * ＊ * ＊ * ＊ * ＊



木々の間を獣と男が駆けてから数刻。
あたりは静寂に包まれていた。

『ねぇ……キミは、死んでしまうの？』

その場に伏す獣は、もう呼吸さえ弱々しい。
内から流れ出す血潮で、大地を紅く染めている。

『朽ちて、還ってしまうの？』

生き物はみな死んだら土に還る。この大地にだ。

『わたしたちと、一つになるの？』

なってしまうのだろうか。
私は、彼という《個》を好ましいと思っているのに、彼は大地に融けて消えてしまうのだろうか。

『──……それは、嫌だな』

還る。それが正常な命の循環だ。
けれど、そうじゃない。そうあって欲しくない。

『キミは、キミのままでいて欲しい』

だから、そうだ。彼をそっとこの循環から外して、私で隠してしまおう。

『もっと、一緒にいたいんだ。ううん、もっとキミを知りたい』

ようやく自覚できた自分の望み。

『それが、私の願いだから』

だからわたしは、『わたしたち』から『私』になったのかもしれない。



『ねぇ、一緒にいてくれるかな。いつか、キミと──』

そうして、葉を伸ばす。

その傷ついた身体を癒すことはできない。
死を、覆すことはできない。
キミの身体にできることはないけれど、魂に干渉することなら、『私』にはできるから。








──そして、獣は静かに呼吸を止めた。



* ＊ * ＊ * ＊ * ＊ * ＊ * ＊



鳥が羽ばたいて枝葉を揺らすことに、特別思うことはなかった。
たまに人間が通りかかって、遠巻きに赤い葉を見て顔を顰めることを、気にしたことはなかった。
激しく葉を叩く雨を煩わしいと思ったことも、木肌を焼く陽射しを憎いと思うこともなかった。

だから、どこか遠くから来た見慣れぬ獣が根の間で眠るようになっても、特段気にすることは何もなかった。



その獣はそこを寝床と定めたのか、ふらりと姿を消しても夜のうちには戻ってきて、いつも根の隙間で丸くなって寝ていた。

小さな鳥を狩って持ち帰ってきたり。
容赦のない陽射しから身を隠すように木陰に寝そべったり。
橙色に染まった山で、枯葉の下に潜ってみたり。
雪の日も意外と活発で、あちこちに足跡を残して走り回っていたり。


ただ、それを眺めているだけだった。それまでだって、そうだった。
特別なことなど、何もなかったはずなのに。



* ＊ * ＊ * ＊ * ＊ * ＊ * ＊



彼の魂を引き寄せて、ようやく理解する。

『キミは、他とは少し違うね』

ただの獣ではなく、何か力を持っている。
いつも普通の獣のように行動していたから気にしたことはなかったけれど、今ならわかる。

──だからわたしの傍に居続けることができたのだ、と。



この山で、一番『それ』に近いのはわたしだった。
わたしたちの中で、最も人々に意識され続けたのは、赤い新葉をつける柳の樹。
恐れられ、気味が悪いと囁かれ、忌避され、けれど敬われ、敬遠され、幾年も存在を認識され続けていた。

この葉が赤く染まるのは、私にとっては当たり前のことだけれど。
大地を流れる気が根のすぐ下を通っていたせいか、他よりも少しばかり赤々しく枝を飾っていて。
だからだろうか。誰も、生き物さえも近寄ってなど来なくて。
羽休めにと枝にとまった鳥さえも、すぐに居心地悪そうに羽ばたいて去って行く。


ずっと、そうだった。

……ずっとずっと、孤独だった。


何も感じていなかったはずなのに、もしかしたら、少し寂しかったのかもしれない。
だから、いつの間にか傍にいるようになったその獣のことを、気に入ってしまった。

そんなキミがいなくなってしまうのが嫌で、だから『私』は芽吹いたんだ。



* ＊ * ＊ * ＊ * ＊ * ＊ * ＊



『……どこだ、ここは』
ぼんやり思い返していると、引き寄せた魂が小さく揺れた。

『ああ、よかった。ちゃんと繋ぎ止められた』
こんなことをしたのは初めてだったから、取りこぼさなくてよかったと安堵する。

『？　お前は誰だ。俺は……死んだはずだ』
『そうだね。キミは、死んでしまったよ』
身体はね、と続ける。

『私は……そうだな、キミが寝床にしていた場所だよ』
『……あの樹か』
『そう。ずっとキミを見ていた』

『なのに……傍にいたのに、助けられなくてごめんね』
『………』

『私には、死にゆくキミの傷を癒すことはできなかった。でも、魂をすくい上げることはできたから』
『それは……助けたんじゃ、ないのか』
『え？』

『俺がまだ、こうやって考えたりお前に話しかけられるのは、お前が俺を助けたからじゃないのか』
『そう、かな。……うん。身体は無理だったけど、キミをここに繋ぎ止めたのは、私』
『ならやはり、俺はお前に助けられたんだな』
それならば、感謝しよう、と。

『だが……お前はどうして俺を助けたんだ』
『だって、キミが死んでしまうのが、嫌だったから』
『話したこともなかったのに？』

『……そう、だね』
勝手に気に入って、それを自覚して。失うのが嫌で、衝動的に引き寄せた。

彼は気づいているだろうか。すでに彼の魂を覆う肉の器がないことに。
そして代わりに、彼の周りには、私の根が深く絡みついている。

『キミを眺めていてね、勝手な話だけれど、いつの間にか気に入ってたんだ』
話すことはできなかったけれど、愛着が湧いていた。


『…………そう、か』

少し間をおいて、彼が言葉を続ける。

『俺もお前のことは、わりと気に入っていた』

『……本当に？　それは、嬉しいな』
『だが、まさか話ができる樹だとは思っていなかった』
『ううん、樹というか……いや樹だけど。私はこの山だよ。核になってるのは、まぁ樹だけど』
『山？　……山神なのか？』
『そう？　なのかな？　わからないや、私が生まれたのはさっきだし』
『さっき？』
『うん。キミを助けたいなって思ったから、『わたし』は『私』になれたんだ』

『………』

少し戸惑ったような、沈黙が落ちる。

『……私、何かおかしいこと言ったかな』
『……いや。まぁいい。それで？』
『それで、って？』


『──お前は、俺をどうしたいんだ』



* ＊ * ＊ * ＊ * ＊ * ＊ * ＊



どうしたいのかと問われて、はたと気づく。
失いたくないからすくい上げた。それだけがすべてで、これからのことなんて、まだ。

『お前は、俺に何を望んでいる？』

──ああでも、そうだ。『わたし』は『私』になったのだから、自分の意思でこれからのことを考えられる。


『私は……キミと一緒に生きたい』

そこにある魂に、そっと寄り添う。

『きっとね、私の役目は、この山を守ること。……でも、一人じゃ寂しいから、キミにも手伝ってほしくて』
『手伝う、か』
『そう。支えてくれると、とても嬉しいのだけれど』
『……支えようにも、俺はもう動けない』

『うん。だから、キミには器をあげる』

『……器？』
『身体だよ。新しい身体』
『そんなもの、』
簡単には用意できないだろう、と、言われずとも伝わって。


『……ねぇ、この下に流れる力、わかるかな』
促すように、地中深くを示す。

『？　…………何だ、これは』
『大地の中を流れる力の川、みたいなものかな。私の根はそれに触れているんだ』
『……それは、』
『うん。長年ずっと触れていたから、わかるよ。これを使えば、きっと作れる』
『………』
『今私の中に溜まっている分だけじゃ足りないけれど、そうだな。今までもよりももっと多く吸い上げるようにすれば、たぶんすぐだよ』
そう、きっとすぐに作ることができる。


『だからさ。その器をあげるから、私を手伝ってほしい』
『……なるほど』
納得した、と彼が頷いたように思えた。


『……つまり、お前の従者になれと、そういうことか』


『えーっと……』

『違うのか』
『うぅん……一応、そういうつもりはないのだけれど。……そうなってしまう、のかな』
『そういう風に聞こえるな』

『……それは、キミにとって、嫌なこと？』
恐るおそる、尋ねてみる。
これでそうだと言われたら、一体どうすればいいんだろう。


『──いや？　別に構わん』
断られたら、と悩む暇もなく、返ってくる軽い返事。

『どうせ放っておけばそのまま尽きた命だ。救ったお前に、全部やろう』
ほら、と手を伸ばすように揺れる彼の魂は、きらきらと眩くて。

『本当に？　本当に全部くれるの？』
欲しいと願っておきながら、その眩さに躊躇してしまう。

『お前が先に与えると言ったんだ。なら応えるしかあるまい』
何を躊躇っているんだ、と促され。

『……そっか。それは、嬉しいな』
もう離すまいと、その輝きをそっと包み込んだ。





『私と一緒に、生きてくれるんだね』
『お前がそう望むなら』
『うん……うん。ありがとう。これから、よろしくね』




















* ＊ * ＊ * ＊ * ＊ * ＊ * ＊



──それから、その山では、ある大樹がまるで燃えているかのように赤々とした葉をつけるようになった。

元より赤く不気味だと言われていたそれが、ある時を境に、炎のように変化した。

人々は恐れる。それはまるで怒りの炎のようだと。

蘇芳柳が怒っている、怒らせてしまった───と。

ENo.52 ハイドリ とのやりとり


ENo.1369 アン とのやりとり


ENo.1478 血糊子さん とのやりとり

ItemNo.25 逆波の匂香 を使用しました！
　魔香のため、体調は回復しなかった。
　今回の全戦闘において 攻撃49 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

守護者の姿が消え去った――

　

　

六角形の柱から天に向け、赤色の光柱が立つ。

どうやら次元タクシーで行けるようになったようだ。

ツタ(1377) に 150 PS 送付しました。
ミヒツギ(1708) に 100 PS 送付しました。
蛇神憑き(1436) に 300 PS 送付しました。
こはる(89) に 150 PS 送付しました。
柊(412) に 150 PS 送付しました。

アン(1369) から 150 PS 受け取りました。

柊(412) から 不思議な布 を受け取りました。

アン(1369) に ItemNo.39 小判 を送付しました。
アン(1369) に ItemNo.37 腐肉+3 を送付しました。
蛇神憑き(1436) に ItemNo.38 良いお肉 を送付しました。
追放された神(1366) に ItemNo.15 蟠桃香 を送付しました。

追放された神(1366) から スパナ風のもの を受け取りました。

蛇神憑き(1436) から 柘榴石 を受け取りました。

ものすごい木材（1500 PS）を購入しました。

制約LV を 12 DOWN。（LV35⇒23、+12CP、-12FP）
百薬LV を 13 DOWN。（LV13⇒0、+13CP、-13FP）

解析LV を 32 UP！（LV3⇒35、-32CP）
合成LV を 5 UP！（LV55⇒60、-5CP）

追放された神(1366) の持つ ItemNo.15 紅薙刀茸 に ItemNo.34 とげとげ+1 を合成し、紅薙刀茸 を強化しました！（+35）
　⇒ 駄物発生！駄物 を入手！
追放された神(1366) の持つ ItemNo.15 紅薙刀茸 に ItemNo.22 葵 を合成し、紅薙刀茸 を強化しました！（+15）

黒髪の少女(566) により ItemNo.32 磁鉄鉱 から聖衣『紫黒の衣』を作製してもらいました！
　⇒ 紫黒の衣／聖衣：強さ245／［効果1］護持45 ［効果2］－ ［効果3］－

ハイドリ(52) の持つ ItemNo.18 ものすごい木材 から射程3の暗器『《白き平穏の使途：鋭》』を作製しました！

アン(1369) により ItemNo.16 活力漲るぶにゅぶにゅ から装飾『千歳緑の勾玉』を作製してもらいました！
　⇒ 千歳緑の勾玉／装飾：強さ436／［効果1］耐災35 ［効果2］－ ［効果3］活力33

ツタ(1377) により ItemNo.49 何か固い物体+7 から射程1の呪器『花浅葱の片鎌槍』を作製してもらいました！
　⇒ 花浅葱の片鎌槍／呪器：強さ978／［効果1］攻撃45 ［効果2］－ ［効果3］自滅19【射程1】

ミヒツギ(1708) により ItemNo.7 橙色の果実 から魔香『蜜柑の練香水』をつくってもらいました！
　⇒ 《調味》！［ 2 5 5 = 12 ］成功！料理の付加効果のLVが増加！
　⇒ 蜜柑の練香水／魔香：強さ218／［効果1］－ ［効果2］－ ［効果3］深手56

こはる(89) により ItemNo.16 千歳緑の勾玉 に ItemNo.20 小さな灯火 を付加してもらいました！
　⇒ 特質強化！効果3のLVが11増加！
　⇒ 千歳緑の勾玉／装飾：強さ436／［効果1］耐災35 ［効果2］奪命20 ［効果3］活力44

カードを作成しましたが誰とも交換されず自分のものとなりました！

ワイルドインスティンクト （ワイルドインスティンクト）


ライブラリ を研究しました！（深度2⇒3）
スーパーパフォーマンス を研究しました！（深度0⇒1）
リザレクポーション を研究しました！（深度0⇒1）

プリディクション を習得！
フィジカルブースター を習得！
プチメテオカード を習得！
キャプチャートラップ を習得！
ファゾム を習得！
ブロック を習得！
フェイタルポイント を習得！
イリミネイト を習得！
ジャックポット を習得！
リストア を習得！
リンクブレイク を習得！
応酬 を習得！
再生 を習得！
死線 を習得！
アブソリュート を習得！
ウィークサーチ を習得！
ブレイクスルー を習得！
ディスエンチャント を習得！
インペイル を習得！
ローエレメンツ を習得！
コンシアンス を習得！
ジェネラル を習得！
大崩壊 を習得！
アスティオン を習得！
心機掌握 を習得！
マーシャルアーツ を習得！
ランドグラスプ を習得！
紙一重 を習得！
ライブラリ を習得！
乱離骨灰 を習得！
ランドスライド を習得！
リープアイズ を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

スオウ(1331) は 闇小晶 を入手！
スオウ(1331) は すごいお肉 を入手！

特に移動せずその場に留まることにしました。
体調が全回復しました！

『チナミ区 H-16：チェックポイント《瓦礫の山》』へ採集に向かうことにしました！

MISSION!!
カミセイ区 N-6：カミセイ大公園 を選択！

［821 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［444 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［481 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［200 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［410 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［328 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［263 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［189 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［111 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［146 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［146 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［299 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［41 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［203 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［89 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［99 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［90 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う
［46 / 200］ ―― 《本の壁》荒れ狂う領域
［76 / 100］ ―― 《珈琲店》反転攻勢
［100 / 100］ ―― 《屋台》更なる加護
［56 / 100］ ―― 《苺畑》不安定性
［5 / 100］ ―― 《荒波》強き壁
［100 / 100］ ―― 《小集落》猛襲
［21 / 100］ ―― 《落書き壁》リアクト
［43 / 100］ ―― 《変な像》揺らぎ
［0 / 100］ ―― 《白い渦》不幸
［11 / 100］ ―― 《黒い渦》不運



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　

Cross+Rose越しにどこかの様子を見ているエディアン。




　

　

　











いくつかの映像が映し出される。

　







　

不思議そうにするエディアンを見て、軽くため息をつく白南海。






　






　

　

　

チャットが閉じられる――

公園･･･ のような場所。

枯れた芝生。涸れた噴水。

色褪せた遊具。

　

ギィ･･･ ギィ･････

　

何か、音がする。

　

ギィィィ･････

　





　

遊具が独りでに動き出す･･･！！