［基本］OK.　［戦闘］OK.　［スキル］OK.　

　もう一人の楓子が現れてからも、生活は大きく変わらなかった。
　いつも通り起きて、いつも通り学校に行き、いつも通り部活や道場に通い、いつも通り配信をしてから眠る。……と、そこから少しだけ変わった。

　一人の分身が夜空にあがっていくと、もう一人の楓子がそれを出迎える。雑談の代わりに戦闘を行うのだ。戦闘といっても、その分野に関してはもう一人の楓子が圧倒的だった。敵を叩き潰す事をシンプルに成し遂げる為だけに異能を使う。楓子と違って出力を調整したりはしない。膨大なエネルギーをそのまま押し付けてくる。出会った頃から何度殺されたかわかりはしない。
　朝まで戦うと、彼女は今日は終わりと帰っていく。目的を確認出来た事はないが、おそらく"剣ヶ峰楓子の心を折る事"が目的なのだろう。別の可能性からやってきた彼女が、何かの為にこの世界の私が邪魔なのだ。
　それならば直接戦うのではなく、周囲に迷惑をかけた方が目的に近いと思うが、何かしらの縛りがあるのかもしれない。恐らくあるのだ。私に力を貸す"私"のような存在がそれを禁じているのかもしれない。その確認を取りたいが、一向に"私"は現れてはくれない。

　そんな日々に、自分でも不思議な程適応していた。まるで以前からこうなる事がわかっていたようだ。周りに迷惑をかけないならば、正直どうでもよかった。多くの分身を同時に展開し、何か不足を感じる事も少なくなった。
　そんな生活をしていると、ミツフネ先輩の忠告を忘れそうになる。
　私は人間だ、多分、まだ。
　どんなに万能になってきても、人間の生活から外れないようにしないといけない。

　だから、こんな誘いにも迷っている。スマホを見れば、キャリアメールにこんなタイトルが来ている。
『伊勢だよ。お話を考えてくれたかな』
　一年以上連絡を取っていなかった人間からの催促。てっきり諦められたものと思っていたが、こちらの考えを気長に待っていたようだ。
　"人類の平和を守る秘密組織なんだ、君の両親も所属していた"。そんな漫画みたいな事を言っていた男性。今ならば、分身を一つ差し向けて様子を見る……という事が出来なくもない。しかし、私が知らない技術でそれが命取りになることも考えられる。だからといって両親も所属していたんだからそんな事するかと悩み。

　とりあえず、待ってもらうか、会うか、どちらにせよとメール本文を開く。

『ここ最近夜空を騒がせている君たち二人についても相談したい。
　良ければ返事がほしいね』

「おうふ」

　机に思わず突っ伏してしまった。
　そりゃ、そうだ。毎晩毎晩空の上で戦闘してるのだ。今まで誰にも突っ込まれなかったのであっちが勝手に隠ぺいでもしてるのかと思っていたが、そんな事もなかった。

「行くしかない……」

　相談に応じるので日時を指定してほしいと返信。後は野となれ山となれだ。

特に何もしませんでした。

防具LV を 50 UP！（LV0⇒50、-50CP）

法衣作製 を習得！
重鎧作製 を習得！
聖衣作製 を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

フーコ(1072) は 鉄骨 を入手！
書類 を発見しましたがこれ以上所持できませんでした。

カミセイ区 J-4（草原）に移動！（体調5⇒4）
カミセイ区 K-4（隔壁）には移動できません。
カミセイ区 K-4（隔壁）には移動できません。
カミセイ区 K-4（隔壁）には移動できません。
カミセイ区 K-4（隔壁）には移動できません。

［821 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［444 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［481 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［200 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［410 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［328 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［263 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［189 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［111 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［146 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［146 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［299 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［41 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［203 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［89 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［99 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［90 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う
［46 / 200］ ―― 《本の壁》荒れ狂う領域
［76 / 100］ ―― 《珈琲店》反転攻勢
［100 / 100］ ―― 《屋台》更なる加護
［56 / 100］ ―― 《苺畑》不安定性
［5 / 100］ ―― 《荒波》強き壁
［100 / 100］ ―― 《小集落》猛襲
［21 / 100］ ―― 《落書き壁》リアクト
［43 / 100］ ―― 《変な像》揺らぎ
［0 / 100］ ―― 《白い渦》不幸
［11 / 100］ ―― 《黒い渦》不運



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　

Cross+Rose越しにどこかの様子を見ているエディアン。




　

　

　











いくつかの映像が映し出される。

　







　

不思議そうにするエディアンを見て、軽くため息をつく白南海。






　






　

　

　

チャットが閉じられる――