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紫明 「一人だろうと、容赦はせんよ」 |

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遠目には、周囲と変わりない建造物があった。 電柱。看板。標識。街灯。ミラー。人影。 歪に組み合わさって、数を増やし――景色に溶け込みながら"敵"を取り囲む。 |

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なずな 「今回、こっちは一人なんで……手加減して貰えると嬉しいなあって」 |

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ワアアァァァァ…… ワアアァァァァ…… |


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どの標識にも人ひとりぶんのシルエットが描かれ、 通行禁止の看板のように、上から斜線が引かれている。 |

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不安定な壁だ。 支えでも作らなければ、今にも崩れそうで。 きっと以前とは違う建物があたりを蠢いている。 |

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その街は生きている。その街は街ではない。 あらゆる街を取り込んで自身の一部へと変えた、生物兵器だ。 |



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すぐ近くのビルが崩れる。 |
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崩れたビルのすぐ近くで、小さな、聞き逃してしまうような、たすけて、の声がする。 |
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いくつもの固いコンクリートの塊が落ちる。 |
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崩れる音は、ここではない。 けれど崩れた分だけ、その材料はここへと向かってくる。 |
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『そんなに飲んだらお腹こわすよ!』 『へーきだって!』 辺りに雨が降る。 しゅわしゅわと音を立て、辺りを溶かす酸の雨だ。 |


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すぐ近くのビルが崩れる。 |
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崩れたビルのすぐ近くで、小さな、聞き逃してしまうような、たすけて、の声がする。 |
![]() |
いくつもの固いコンクリートの塊が落ちる。 |
![]() |
何人かのにぎやかな声が近づいてくる。 そこには幸せな日常があって、 それはただ、過去が再生されているだけなのだ。 |

![]() |
「いーれて!」 |
![]() |
なずな 「…………」 |
![]() |
辺りに広がりつつある炎。 立ち上る煙。 そこに誰がいようとも、熱が包み込もうとしてーー |
![]() |
「また今日もヤンチャしてきたのねぇ。手当するから、さあ座って」 煙の中から絆創膏が一枚。それでは覆い隠せないはずの傷を、広がろうとしていた火の一部を、ただ滑るだけで消していく。 |

![]() |
紫明 「もう少し、」 |

![]() |
すぐ近くのビルが崩れる。 |
![]() |
崩れたビルのすぐ近くで、小さな、聞き逃してしまうような、たすけて、の声がする。 |
![]() |
いくつもの固いコンクリートの塊が落ちる。 |
| なずなのカード発動! |
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なずな 「…………」 |
![]() |
辺りに広がりつつある炎。 立ち上る煙。 そこに誰がいようとも、熱が包み込もうとしてーー |
![]() |
「気をつけてって言ったのに……消毒、染みるからね!」 煙の中から絆創膏が一枚。それでは覆い隠せないはずの傷を、広がろうとしていた火の一部を、ただ滑るだけで消していく。 |

![]() |
紫明 「悪くない」 |
![]() |
「つぎ!」 |

![]() |
すぐ近くのビルが崩れる。 |
![]() |
崩れたビルのすぐ近くで、小さな、聞き逃してしまうような、たすけて、の声がする。 |
![]() |
いくつもの固いコンクリートの塊が落ちる。 |
![]() |
ささっ |
![]() |
なずな 「……!」 |
![]() |
『そんなに飲んだらお腹こわすよ!』 『へーきだって!』 辺りに雨が降る。 しゅわしゅわと音を立て、辺りを溶かす酸の雨だ。 |

![]() |
建物の一つから、瓦礫が真っ直ぐ飛んでいく。 |
![]() |
「せーのっ!」 |
![]() |
さっ |
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なずな 「わわっ」 |
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なずな 「だれ……?」 |
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なずな 「だれ……?」 |
![]() |
なずな 「ん?」 |
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なずな 「だれ……?」 |
![]() |
なずな 「だれ……?」 |
![]() |
なずな 「……?」 |
![]() |
なずな 「だれ……?」 |
![]() |
なずな 「……?」 |


![]() |
すぐ近くのビルが崩れる。 |
![]() |
崩れたビルのすぐ近くで、小さな、聞き逃してしまうような、たすけて、の声がする。 |
![]() |
いくつもの固いコンクリートの塊が落ちる。 |
| 街喰らいのカード発動! |
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フーベル 「復っ!活っ! …………の準備!」 |
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辺りに広がりつつある炎。 立ち上る煙。 そこに誰がいようとも、熱が包み込もうとしてーー |
![]() |
「また今日もヤンチャしてきたのねぇ。手当するから、さあ座って」 煙の中から絆創膏が一枚。それでは覆い隠せないはずの傷を、広がろうとしていた火の一部を、ただ滑るだけで消していく。 |

![]() |
紫明 「悪くない」 |
![]() |
「いーち!」 |


![]() |
すぐ近くのビルが崩れる。 |
![]() |
崩れたビルのすぐ近くで、小さな、聞き逃してしまうような、たすけて、の声がする。 |
![]() |
いくつもの固いコンクリートの塊が落ちる。 |
![]() |
さっ |
![]() |
何人かのにぎやかな声が近づいてくる。 そこには幸せな日常があって、 それはただ、過去が再生されているだけなのだ。 |

![]() |
「いーれて!」 |
![]() |
なずな 「…………」 |
![]() |
建物の一つから、瓦礫が真っ直ぐ飛んでいく。 |
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ささっ |
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「いーち!」 |
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マイクを通した声 「―――次、新曲です。」 |
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「うわっ!」 「あァッ!?」 「イタッ!」 |
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「大丈夫大丈夫、もう一回やろ!コツ掴めばすぐだから!」 |
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「あ、ひっかかった!」 |
![]() |
紫明 「退いてろ、すぐ終わらせる」 |
![]() |
「大丈夫?」 |



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すぐ近くのビルが崩れる。 |
![]() |
崩れたビルのすぐ近くで、小さな、聞き逃してしまうような、たすけて、の声がする。 |
![]() |
いくつもの固いコンクリートの塊が落ちる。 |
![]() |
なずな 「わわっ」 |
![]() |
紫明 「必死必死、いいことだ!」 |
| 歌声のカード発動! |
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なずな 「ん?」 |
![]() |
なずな 「…………」 |
![]() |
辺りに広がりつつある炎。 立ち上る煙。 そこに誰がいようとも、熱が包み込もうとしてーー |
![]() |
「気をつけてって言ったのに……消毒、染みるからね!」 煙の中から絆創膏が一枚。それでは覆い隠せないはずの傷を、広がろうとしていた火の一部を、ただ滑るだけで消していく。 |

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紫明 「もう少し、」 |
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建物の一つから、瓦礫が真っ直ぐ飛んでいく。 |
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さささっ |
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「せーのっ!」 |
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なずな 「わわっ」 |
![]() |
なずな 「わわっ」 |

![]() |
すぐ近くのビルが崩れる。 |
![]() |
崩れたビルのすぐ近くで、小さな、聞き逃してしまうような、たすけて、の声がする。 |
![]() |
いくつもの固いコンクリートの塊が落ちる。 |
![]() |
なずな 「わわっ」 |
![]() |
ささっ |
![]() |
何人かのにぎやかな声が近づいてくる。 そこには幸せな日常があって、 それはただ、過去が再生されているだけなのだ。 |

![]() |
「いーれて!」 |
![]() |
さっ |
![]() |
紫明 「ただじゃあやらせてくれないのか?」 |
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なずな 「怖い…… 気持ち悪い……」 |
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カンカンカンカン…… 地理を無視して設置された遮断器がデタラメに降りる。 |
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その向こうを行き交う人々。 そこだけに木漏れ日が差している。 |
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「せーのっ!」 |
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なずな 「わわっ」 |
![]() |
さささっ |
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ささっ |
![]() |
さささっ |
![]() |
遠く、歌声は響いている。 |

![]() |
すぐ近くのビルが崩れる。 |
![]() |
崩れたビルのすぐ近くで、小さな、聞き逃してしまうような、たすけて、の声がする。 |
![]() |
いくつもの固いコンクリートの塊が落ちる。 |
![]() |
辺りに広がりつつある炎。 立ち上る煙。 そこに誰がいようとも、熱が包み込もうとしてーー |
![]() |
「また今日もヤンチャしてきたのねぇ。手当するから、さあ座って」 煙の中から絆創膏が一枚。それでは覆い隠せないはずの傷を、広がろうとしていた火の一部を、ただ滑るだけで消していく。 |

![]() |
紫明 「もう少し、」 |
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「いーち!」 |
![]() |
「つぎ!」 |
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なずな 「だれ……?」 |
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なずな 「だれ……?」 |
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なずな 「ん?」 |
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なずな 「だれ……?」 |
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なずな 「……?」 |
![]() |
なずな 「だれ……?」 |



![]() |
すぐ近くのビルが崩れる。 |
![]() |
崩れたビルのすぐ近くで、小さな、聞き逃してしまうような、たすけて、の声がする。 |
![]() |
いくつもの固いコンクリートの塊が落ちる。 |
![]() |
ささっ |
![]() |
さささっ |
![]() |
さっ |
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紫明 「次はないぞ」 |
![]() |
辺りに広がりつつある炎。 立ち上る煙。 そこに誰がいようとも、熱が包み込もうとしてーー |
![]() |
「また今日もヤンチャしてきたのねぇ。手当するから、さあ座って」 煙の中から絆創膏が一枚。それでは覆い隠せないはずの傷を、広がろうとしていた火の一部を、ただ滑るだけで消していく。 |

![]() |
紫明 「どこを狙ってるんだ熊谷に当たったらどうしてくれる?」 |
![]() |
「……はい!……今!」 |
![]() |
「いーち!」 |


![]() |
すぐ近くのビルが崩れる。 |
![]() |
崩れたビルのすぐ近くで、小さな、聞き逃してしまうような、たすけて、の声がする。 |
![]() |
いくつもの固いコンクリートの塊が落ちる。 |
![]() |
なずな 「怖い…… 気持ち悪い……」 |
![]() |
辺りに広がりつつある炎。 立ち上る煙。 そこに誰がいようとも、熱が包み込もうとしてーー |
![]() |
「また今日もヤンチャしてきたのねぇ。手当するから、さあ座って」 煙の中から絆創膏が一枚。それでは覆い隠せないはずの傷を、広がろうとしていた火の一部を、ただ滑るだけで消していく。 |

![]() |
紫明 「こんなでかい的外すのかお前は?」 |
![]() |
建物の一つから、瓦礫が真っ直ぐ飛んでいく。 |
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なずな 「わわっ」 |
![]() |
「いーち!」 |
![]() |
紫明 「悪くない」 |
![]() |
「いーち!」 |
![]() |
「せーのっ!」 |
![]() |
紫明 「ちゃんと狙え、当たってないだろう」 |

![]() |
すぐ近くのビルが崩れる。 |
![]() |
崩れたビルのすぐ近くで、小さな、聞き逃してしまうような、たすけて、の声がする。 |
![]() |
いくつもの固いコンクリートの塊が落ちる。 |
![]() |
ささっ |
![]() |
さっ |
![]() |
紫明 「ちゃんと狙え、当たってないだろう」 |
![]() |
さっ |
![]() |
紫明 「ただじゃあやらせてくれないのか?」 |
| 椿鬼のカード発動! |
![]() |
建物の一つから、瓦礫が真っ直ぐ飛んでいく。 |
![]() |
なずな 「わわっ」 |
![]() |
遠く、歌声は響いている。 |

![]() |
すぐ近くのビルが崩れる。 |
![]() |
崩れたビルのすぐ近くで、小さな、聞き逃してしまうような、たすけて、の声がする。 |
![]() |
いくつもの固いコンクリートの塊が落ちる。 |
![]() |
さっ |
![]() |
ささっ |
![]() |
何人かのにぎやかな声が近づいてくる。 そこには幸せな日常があって、 それはただ、過去が再生されているだけなのだ。 |

![]() |
「いーれて!」 |
![]() |
なずな 「ううう……!」 |
![]() |
辺りに広がりつつある炎。 立ち上る煙。 そこに誰がいようとも、熱が包み込もうとしてーー |
![]() |
「気をつけてって言ったのに……消毒、染みるからね!」 煙の中から絆創膏が一枚。それでは覆い隠せないはずの傷を、広がろうとしていた火の一部を、ただ滑るだけで消していく。 |

![]() |
紫明 「人心地」 |
![]() |
「つぎ!」 |
![]() |
「……はい!……今!」 |
![]() |
「いーち!」 |
![]() |
「いーち!」 |
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ささっ |
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なずな 「……?」 |
![]() |
なずな 「……?」 |
![]() |
なずな 「だれ……?」 |
![]() |
なずな 「……?」 |
![]() |
なずな 「ん?」 |
![]() |
なずな 「……?」 |
![]() |
なずな 「……?」 |
| 歌声のカード発動! |



![]() |
すぐ近くのビルが崩れる。 |
![]() |
崩れたビルのすぐ近くで、小さな、聞き逃してしまうような、たすけて、の声がする。 |
![]() |
いくつもの固いコンクリートの塊が落ちる。 |
![]() |
さささっ |
![]() |
なずな 「わわっ」 |
![]() |
なずな 「…………」 |
| なずなのカード発動! |
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CM 「自滅、自棄、自堕落を取りたいあなたに!」 |
![]() |
辺りに広がりつつある炎。 立ち上る煙。 そこに誰がいようとも、熱が包み込もうとしてーー |
![]() |
「また今日もヤンチャしてきたのねぇ。手当するから、さあ座って」 煙の中から絆創膏が一枚。それでは覆い隠せないはずの傷を、広がろうとしていた火の一部を、ただ滑るだけで消していく。 |

![]() |
紫明 「どこを狙ってるんだ熊谷に当たったらどうしてくれる?」 |
![]() |
なずな 「わわっ」 |
![]() |
「つぎ!」 |
![]() |
遠く、歌声は響いている。 |
![]() |
「うわっ!」 「あァッ!?」 「イタッ!」 |
![]() |
「大丈夫大丈夫、もう一回やろ!コツ掴めばすぐだから!」 |
![]() |
「あ、ひっかかった!」 |
![]() |
紫明 「退いてろ、すぐ終わらせる」 |
![]() |
「大丈夫?」 |
![]() |
「大丈夫?」 |

![]() |
すぐ近くのビルが崩れる。 |
![]() |
崩れたビルのすぐ近くで、小さな、聞き逃してしまうような、たすけて、の声がする。 |
![]() |
いくつもの固いコンクリートの塊が落ちる。 |
![]() |
ささっ |
![]() |
ささっ |
![]() |
紫明 「ちゃんと狙え、当たってないだろう」 |
![]() |
建物の一つから、瓦礫が真っ直ぐ飛んでいく。 |
![]() |
なずな 「わわっ」 |
![]() |
街の景色が一変する。 道や建物が、まるで今も使われているもののように新しく。 暗く影を落とすアトラクションが、割れた音楽とともに楽しげに回る。 ちらちらと人影が横切る。 |
![]() |
「せーのっ!」 |
![]() |
さささっ |
![]() |
「……はい!……今!」 |
![]() |
「つぎ!」 |
![]() |
紫明 「こんなでかい的外すのかお前は?」 |
![]() |
紫明 「人心地」 |


![]() |
すぐ近くのビルが崩れる。 |
![]() |
崩れたビルのすぐ近くで、小さな、聞き逃してしまうような、たすけて、の声がする。 |
![]() |
いくつもの固いコンクリートの塊が落ちる。 |
![]() |
さっ |
![]() |
さささっ |
![]() |
紫明 「なんだ、見えてるのか」 |
![]() |
なずな 「怖い…… 気持ち悪い……」 |
![]() |
辺りに広がりつつある炎。 立ち上る煙。 そこに誰がいようとも、熱が包み込もうとしてーー |
![]() |
「また今日もヤンチャしてきたのねぇ。手当するから、さあ座って」 煙の中から絆創膏が一枚。それでは覆い隠せないはずの傷を、広がろうとしていた火の一部を、ただ滑るだけで消していく。 |

![]() |
紫明 「もう少し、」 |
![]() |
「いーち!」 |
![]() |
「いーち!」 |
![]() |
なずな 「だれ……?」 |
![]() |
なずな 「だれ……?」 |
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なずな 「ん?」 |
![]() |
なずな 「ん?」 |
![]() |
なずな 「ん?」 |
![]() |
なずな 「……?」 |


![]() |
すぐ近くのビルが崩れる。 |
![]() |
崩れたビルのすぐ近くで、小さな、聞き逃してしまうような、たすけて、の声がする。 |
![]() |
いくつもの固いコンクリートの塊が落ちる。 |
![]() |
なずな 「わわっ」 |
![]() |
さっ |
![]() |
紫明 「次はないぞ」 |
![]() |
なずな 「…………」 |
![]() |
辺りに広がりつつある炎。 立ち上る煙。 そこに誰がいようとも、熱が包み込もうとしてーー |
![]() |
「また今日もヤンチャしてきたのねぇ。手当するから、さあ座って」 煙の中から絆創膏が一枚。それでは覆い隠せないはずの傷を、広がろうとしていた火の一部を、ただ滑るだけで消していく。 |

![]() |
紫明 「悪くない」 |
![]() |
「いーち!」 |
![]() |
「……はい!……今!」 |
![]() |
「いーち!」 |
![]() |
遠く、歌声は響いている。 |
![]() |
「うわっ!」 「あァッ!?」 「イタッ!」 |
![]() |
「大丈夫大丈夫、もう一回やろ!コツ掴めばすぐだから!」 |
![]() |
「あ、ひっかかった!」 |
![]() |
紫明 「退いてろ、すぐ終わらせる」 |
![]() |
「大丈夫?」 |


![]() |
すぐ近くのビルが崩れる。 |
![]() |
崩れたビルのすぐ近くで、小さな、聞き逃してしまうような、たすけて、の声がする。 |
![]() |
いくつもの固いコンクリートの塊が落ちる。 |
![]() |
なずな 「ううう……!」 |
![]() |
建物の一つから、瓦礫が真っ直ぐ飛んでいく。 |
![]() |
ささっ |
![]() |
冷たい大粒の雨が、次第に大きく、黒く。 まるで意思を持っているかのようにあなたを狙い、降り注ぐ。 |
![]() |
さささっ |
![]() |
なずな 「ん?」 |
![]() |
なずな 「だれ……?」 |
![]() |
なずな 「だれ……?」 |
![]() |
なずな 「だれ……?」 |
![]() |
なずな 「ん?」 |
![]() |
なずな 「……?」 |
![]() |
なずな 「……?」 |

![]() |
すぐ近くのビルが崩れる。 |
![]() |
崩れたビルのすぐ近くで、小さな、聞き逃してしまうような、たすけて、の声がする。 |
![]() |
いくつもの固いコンクリートの塊が落ちる。 |
![]() |
ささっ |
![]() |
紫明 「必死必死、いいことだ!」 |
![]() |
ささっ |
![]() |
紫明 「必死必死、いいことだ!」 |
![]() |
なずな 「…………」 |
| 椿鬼のカード発動! |
| リズン 「本職じゃないからね〜。上手くいかなくてもご愛敬ってことで!」 |
![]() |
辺りに広がりつつある炎。 立ち上る煙。 そこに誰がいようとも、熱が包み込もうとしてーー |
![]() |
「また今日もヤンチャしてきたのねぇ。手当するから、さあ座って」 煙の中から絆創膏が一枚。それでは覆い隠せないはずの傷を、広がろうとしていた火の一部を、ただ滑るだけで消していく。 |

![]() |
紫明 「悪くない」 |
![]() |
「いーち!」 |
![]() |
紫明 「もう少し、」 |

![]() |
すぐ近くのビルが崩れる。 |
![]() |
崩れたビルのすぐ近くで、小さな、聞き逃してしまうような、たすけて、の声がする。 |
![]() |
いくつもの固いコンクリートの塊が落ちる。 |
![]() |
なずな 「わわっ」 |
![]() |
さっ |
![]() |
なずな 「わわっ」 |
![]() |
紫明 「なんだ、見えてるのか」 |
![]() |
なずな 「…………」 |
![]() |
建物の一つから、瓦礫が真っ直ぐ飛んでいく。 |
![]() |
さっ |
![]() |
辺りに広がりつつある炎。 立ち上る煙。 そこに誰がいようとも、熱が包み込もうとしてーー |
![]() |
「気をつけてって言ったのに……消毒、染みるからね!」 煙の中から絆創膏が一枚。それでは覆い隠せないはずの傷を、広がろうとしていた火の一部を、ただ滑るだけで消していく。 |

![]() |
紫明 「悪くない」 |
![]() |
「いーち!」 |
![]() |
紫明 「悪くない」 |



![]() |
すぐ近くのビルが崩れる。 |
![]() |
崩れたビルのすぐ近くで、小さな、聞き逃してしまうような、たすけて、の声がする。 |
![]() |
いくつもの固いコンクリートの塊が落ちる。 |
![]() |
さっ |
![]() |
紫明 「ただじゃあやらせてくれないのか?」 |
![]() |
なずな 「わわっ」 |
![]() |
紫明 「なんだ、見えてるのか」 |
![]() |
なずな 「…………」 |
![]() |
辺りに広がりつつある炎。 立ち上る煙。 そこに誰がいようとも、熱が包み込もうとしてーー |
![]() |
「また今日もヤンチャしてきたのねぇ。手当するから、さあ座って」 煙の中から絆創膏が一枚。それでは覆い隠せないはずの傷を、広がろうとしていた火の一部を、ただ滑るだけで消していく。 |

![]() |
紫明 「こんなでかい的外すのかお前は?」 |
![]() |
「いーち!」 |
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遠く、歌声は響いている。 |
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なずな 「だれ……?」 |
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なずな 「だれ……?」 |
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なずな 「……?」 |
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なずな 「ん?」 |
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なずな 「だれ……?」 |
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「うわっ!」 「あァッ!?」 「イタッ!」 |
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「大丈夫大丈夫、もう一回やろ!コツ掴めばすぐだから!」 |
![]() |
「あ、ひっかかった!」 |
![]() |
紫明 「退いてろ、すぐ終わらせる」 |

![]() |
すぐ近くのビルが崩れる。 |
![]() |
崩れたビルのすぐ近くで、小さな、聞き逃してしまうような、たすけて、の声がする。 |
![]() |
いくつもの固いコンクリートの塊が落ちる。 |
![]() |
紫明 「こんなでかい的外すのかお前は?」 |
![]() |
なずな 「わわっ」 |
![]() |
なずな 「わわっ」 |
![]() |
紫明 「次はないぞ」 |
![]() |
なずな 「怖い…… 気持ち悪い……」 |
![]() |
辺りに広がりつつある炎。 立ち上る煙。 そこに誰がいようとも、熱が包み込もうとしてーー |
![]() |
「気をつけてって言ったのに……消毒、染みるからね!」 煙の中から絆創膏が一枚。それでは覆い隠せないはずの傷を、広がろうとしていた火の一部を、ただ滑るだけで消していく。 |

![]() |
紫明 「悪くない」 |
![]() |
紫明 「どこを狙ってるんだ熊谷に当たったらどうしてくれる?」 |


![]() |
すぐ近くのビルが崩れる。 |
![]() |
崩れたビルのすぐ近くで、小さな、聞き逃してしまうような、たすけて、の声がする。 |
![]() |
いくつもの固いコンクリートの塊が落ちる。 |
![]() |
ささっ |
![]() |
建物の一つから、瓦礫が真っ直ぐ飛んでいく。 |
![]() |
なずな 「わわっ」 |
![]() |
なずな 「だれ……?」 |

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すぐ近くのビルが崩れる。 |
![]() |
崩れたビルのすぐ近くで、小さな、聞き逃してしまうような、たすけて、の声がする。 |
![]() |
いくつもの固いコンクリートの塊が落ちる。 |
![]() |
紫明 「ちゃんと狙え、当たってないだろう」 |
![]() |
何人かのにぎやかな声が近づいてくる。 そこには幸せな日常があって、 それはただ、過去が再生されているだけなのだ。 |

![]() |
「いーれて!」 |
| 椿鬼のカード発動! |
![]() |
辺りに広がりつつある炎。 立ち上る煙。 そこに誰がいようとも、熱が包み込もうとしてーー |
![]() |
「また今日もヤンチャしてきたのねぇ。手当するから、さあ座って」 煙の中から絆創膏が一枚。それでは覆い隠せないはずの傷を、広がろうとしていた火の一部を、ただ滑るだけで消していく。 |

![]() |
紫明 「悪くない」 |
![]() |
冷たい大粒の雨が、次第に大きく、黒く。 まるで意思を持っているかのようにあなたを狙い、降り注ぐ。 |
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さっ |
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遠く、歌声は響いている。 |


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すぐ近くのビルが崩れる。 |
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崩れたビルのすぐ近くで、小さな、聞き逃してしまうような、たすけて、の声がする。 |
![]() |
いくつもの固いコンクリートの塊が落ちる。 |
![]() |
ささっ |
![]() |
辺りに広がりつつある炎。 立ち上る煙。 そこに誰がいようとも、熱が包み込もうとしてーー |
![]() |
「また今日もヤンチャしてきたのねぇ。手当するから、さあ座って」 煙の中から絆創膏が一枚。それでは覆い隠せないはずの傷を、広がろうとしていた火の一部を、ただ滑るだけで消していく。 |

![]() |
紫明 「もう少し、」 |
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「……はい!……今!」 |
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「せーのっ!」 |
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なずな 「わわっ」 |
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ささっ |
![]() |
さっ |
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なずな 「わわっ」 |
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さっ |
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なずな 「……?」 |
| 歌声のカード発動! |

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すぐ近くのビルが崩れる。 |
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崩れたビルのすぐ近くで、小さな、聞き逃してしまうような、たすけて、の声がする。 |
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いくつもの固いコンクリートの塊が落ちる。 |
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さささっ |
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建物の一つから、瓦礫が真っ直ぐ飛んでいく。 |
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「いーち!」 |
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紫明 「悪くない」 |
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なずな 「だれ……?」 |


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すぐ近くのビルが崩れる。 |
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崩れたビルのすぐ近くで、小さな、聞き逃してしまうような、たすけて、の声がする。 |
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いくつもの固いコンクリートの塊が落ちる。 |
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さささっ |
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紫明 「どこを狙ってるんだ熊谷に当たったらどうしてくれる?」 |
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さっ |
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紫明 「必死必死、いいことだ!」 |
| なずなのカード発動! |
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CM 「自滅、自棄、自堕落を取りたいあなたに!」 |
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辺りに広がりつつある炎。 立ち上る煙。 そこに誰がいようとも、熱が包み込もうとしてーー |
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「気をつけてって言ったのに……消毒、染みるからね!」 煙の中から絆創膏が一枚。それでは覆い隠せないはずの傷を、広がろうとしていた火の一部を、ただ滑るだけで消していく。 |

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紫明 「どこを狙ってるんだ熊谷に当たったらどうしてくれる?」 |
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「いーち!」 |
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紫明 「人心地」 |



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すぐ近くのビルが崩れる。 |
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崩れたビルのすぐ近くで、小さな、聞き逃してしまうような、たすけて、の声がする。 |
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いくつもの固いコンクリートの塊が落ちる。 |
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冷たい大粒の雨が、次第に大きく、黒く。 まるで意思を持っているかのようにあなたを狙い、降り注ぐ。 |
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なずな 「わわっ」 |
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建物の一つから、瓦礫が真っ直ぐ飛んでいく。 |
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ささっ |
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「……はい!……今!」 |
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「せーのっ!」 |

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すぐ近くのビルが崩れる。 |
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崩れたビルのすぐ近くで、小さな、聞き逃してしまうような、たすけて、の声がする。 |
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いくつもの固いコンクリートの塊が落ちる。 |
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なずな 「わわっ」 |
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なずな 「わわっ」 |
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紫明 「ただじゃあやらせてくれないのか?」 |
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ささっ |
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紫明 「なんだ、見えてるのか」 |
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辺りに広がりつつある炎。 立ち上る煙。 そこに誰がいようとも、熱が包み込もうとしてーー |
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「また今日もヤンチャしてきたのねぇ。手当するから、さあ座って」 煙の中から絆創膏が一枚。それでは覆い隠せないはずの傷を、広がろうとしていた火の一部を、ただ滑るだけで消していく。 |

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紫明 「悪くない」 |
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「いーち!」 |
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遠く、歌声は響いている。 |

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すぐ近くのビルが崩れる。 |
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崩れたビルのすぐ近くで、小さな、聞き逃してしまうような、たすけて、の声がする。 |
![]() |
いくつもの固いコンクリートの塊が落ちる。 |
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なずな 「わわっ」 |
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なずな 「わわっ」 |
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紫明 「必死必死、いいことだ!」 |
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辺りに広がりつつある炎。 立ち上る煙。 そこに誰がいようとも、熱が包み込もうとしてーー |
![]() |
「また今日もヤンチャしてきたのねぇ。手当するから、さあ座って」 煙の中から絆創膏が一枚。それでは覆い隠せないはずの傷を、広がろうとしていた火の一部を、ただ滑るだけで消していく。 |

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紫明 「人心地」 |
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「せーのっ!」 |
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ささっ |
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さささっ |
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なずな 「……?」 |
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遠く、歌声は響いている。 |
| 0 0 0 0 0 0 |
0 0 0 0 0 0 |
3 1 2 0 0 3 |
火 水 風 地 光 闇 |
1 0 2 0 2 2 |
0 0 0 0 0 0 |
0 0 0 0 0 0 |
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紫明 「はは、なるほど。やっぱり簡単にはいかんな」 |
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街の"中心"が、目の前のものたちを見ている。 見ていたが、 |
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その中心から遮るように、あらゆる建造物が動く。 同時に、"中心"も遠ざかっていく。 阻むものがなくなった時には、 |
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もうそこに、街はなかった。 |
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「じゃあまたねー」 「またねー」 「ばいばーい」 |
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なずな 「疲れたよ……」 |
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歌声はまだ響いている。 |
