［基本］OK.　［戦闘］OK.　［戦闘:エイド1］OK.　［戦闘:エイド2］OK.　［戦闘:エイド3］OK.　［スキル］OK.　

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「──あ、これ金継ぎしてるやつ？」

「おう。頼まれ物でな。途中まで粉叩（はた）いた所だ」




高校卒業を控えた3月の春先。
家の縁側に敷かれた布に幾つかの焼き物が並んでいる光景があった。
これは漆器職人の祖母が偶に引き受ける仕事の一つ。割れた陶器の破片を樹液で接着し修復する作業。
所謂、金継ぎと呼ばれる。
"金"の名は冠しているが実際は本物の金ではない。漆器では塗料として用いる漆を接着剤にして、上から金粉を振りかけて作られる。




「綺麗だね。普通の接着剤だとひび割れに見えるけどさ、金継ぎでくっ付けると模様っぽくて好き」

「金粉は化粧みたいなもんだからな。お前の言う通り叩いた方が映えるんだ。差し色で金が入ると塩梅が良い」

「でも粉叩く前のベージュっぽい色も好きだよ。素朴で自然な感じする」




縁側に腰掛けながら金と灰白色が入り混じる線を見つめる。
一度壊れた破片を継ぎ接ぎして作り直された焼き物たち。
鈍い藍色の椀に白い一輪挿し、緋色の大皿。様々な品がそれぞれ金化粧を施されていた。

"金継ぎは不完全な造形に美を見出した独創性ある工芸品"──……と何処かの民芸雑誌で作例として取り上げられた時があった。
今こそ伝統的な民芸を再評価すべきだと当時は記事で銘打っていたが、"昔は買い直せる金持ってる奴が少なかっただけ"とは祖母の弁。
今どき100均でも買えるだろ？と事もなげに話すのを聞いた時は職人がそれを言ってしまうのか、と思わなくは無かったのだが。






けれど祖母の言葉は現実だ。
今どき割れ物なんて拘らなければそこら辺で買える。






割れた時は直すより買い直した方が手間も時間も掛からない。
相対的に時間を掛けた手仕事は希少性を評価され、藝術性を帯びていく。
母はそれを守るべき伝統としていたく重んじていたが、当の祖母の方はそうでも無かったらしい。

現代において民芸品として質の高い漆器は実際、美術品扱いされ、一点物として必然的に値段が釣り上がる。
少年は『高価な民芸品』という字面はあまりに矛盾していて笑えない、と祖母が前に話していたのを覚えていた。
捻くれ者の彼女は商売したい奴らが売れる様に口当たりのいい話を作り上げているだけ、とか
建前を祀り上げてダシにしているとか、それに寄り掛かって生きてる民芸団体の奴らは同じ穴の狢だとか
散々っぱら愚痴り倒していたのだった。正直言い過ぎだ。






それでも。
それでも歪な金縁が描かれた陶器たちは、彼には──椿にはただただ美しく見えた。






微睡む様な春の日差しを浴びながら、ぼんやりとした視線で陶器たちを眺める。
祖母の方は一服終えたらしい。吸っていた煙管を置くと肩を回し、縁側の前まで歩いて来たのを横目に
独り言の様に呟きが漏れる。




「……なんていうかさ。
　作った人がやろうとした事と周りの人が感じる事って、時々全然違う時があるよね」

「そういうもんだよ。見た目で勝手に解釈されんのはモノでも人間でも同じだろ。
　お前もよく分かってんじゃねえか？ 見かけが物言う業界に行くんだからよ」

「それは……、……。……俺はお客さんがなりたい姿になれる様な仕事がしたいよ。
　周りの人から評価されるかどうかも大事だけどさ」

「そうかい。それなら優先順位を間違えない事だ。
　お前はこれから先の人生で長い戦いをする事になるだろうよ。
　いい仕事人になりたかったら今自分が言った事、肝に銘じとけよ」




裾を捲りながら午後の仕事に取り掛かろうとする祖母の手はもうすっかり皺だらけだった。
自分には想像もできない年月が重ねられた祖母の手。
どれだけ泥臭い現実を見て来たのだろう。
今の自分には到底分からない。という事は只の青二才なのだろう、と己の身の程しか判らなかった。



再び作業を始める為に粉用の筆を手に取る様を、縁側に体育座りして眺める。



「俺も金継ぎ、出来る様になりたいな。家出る前に教えてくれる？」

「ああ、お前は前に朱塗りやらせた時も上手かったからな。
　全くアタシの仕事継いでくれりゃあとっとと引退出来たってのによ。この歳まで老人働かせるか？ ええ?」

「ちょっ、そ、それはもう前に話したから！」




祖母がにやにやと悪い笑みを浮かべているのは既に慌てた後だった。
……しまった。久しぶりにおちょくられたからまんまと引っ掛かった。
ばつの悪い顔でそっぽを向くと、祖母はまた可笑しそうに笑い声を上げた。




3月の暖かい春先の話。
そして彼は1ヶ月後、この家を出て海を渡る事になる。





それから長い年月が経って。
遠い異国まで祖母の訃報が届いたのは、家を出る前と同じ春の季節だった。

ENo.1320 ラス とのやりとり

ItemNo.37 ビーフ を破棄しました。

ItemNo.22 架空の焼き肉 を使用しました！
　魔香のため、体調は回復しなかった。
　今回の全戦闘において 強撃10 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

具現LV を 5 UP！（LV35⇒40、-5CP）
付加LV を 5 UP！（LV36⇒41、-5CP）

ヒバナ(1574) とカードを交換しました！

全集中！ （グリモワール）


クリエイト：ワンダーランド を研究しました！（深度2⇒3）
タイムリーバー を研究しました！（深度2⇒3）
フォレストオファリング を研究しました！（深度1⇒2）

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

ツバキ(805) は 榧 を入手！
ツバキ(805) は 何かの歯 を入手！

タニモリ区 B-10（森林）に移動！（体調10⇒9）
タニモリ区 B-11（森林）に移動！（体調9⇒8）
タニモリ区 C-11（チェックポイント）に移動！（体調8⇒7）
チナミ区 D-2（ベースキャンプ）に戻りました！
体調が全回復しました！

MISSION!!
タニモリ区 C-11：チェックポイント《屋台》 が発生！
　　 - ツバキ(805) が経由した タニモリ区 C-11：チェックポイント《屋台》

［826 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［447 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［491 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［198 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［402 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［323 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［246 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［182 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［103 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［145 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［141 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［277 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［35 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［147 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［77 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［93 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［67 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う
［43 / 200］ ―― 《本の壁》荒れ狂う領域
［66 / 100］ ―― 《珈琲店》反転攻勢
［100 / 100］ ―― 《屋台》更なる加護
［55 / 100］ ―― 《苺畑》不安定性
［0 / 100］ ―― 《荒波》強き壁
［0 / 100］ ―― 《小集落》猛襲
［0 / 100］ ―― 《落書き壁》リアクト



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　

　　　･････ヴオオォォォ･･･ッ！！

　

　

　

チャットに響く走行音。

　

　

　



　

　

　　　ヴォンヴォンヴォンヴォンッ

　

　




　

アルメシアがバイクで登場する。

　

　

　








　








　

　

　







　

　

　　　――ザザッ

　

　

　

　

チャットが閉じられる――

チェックポイント。

仄かな光に包まれた六角形の柱が立っている。

　

･･･柱から滲み出るように、何かが生み出される。



　




それは言葉を発すると共に襲いかかる！