［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

「……見逃してくれ、も、何も……」




頭を下げたままの叔父を見つめ、困惑を隠せぬままたじろぐ。
その姿を目の前にして、男はすぐに言葉を返す事はできなかった。






端から、叔父を連れ戻しにきた訳ではないのだ。


彼自身も察してくれた通りだ。

無事が確認出来れば――生きてくれさえいれば、それで良かった。

それでも、何か危険な事を仕出かすつもりではないのか。
一人で何かと戦おうとしているのではないか。
そんな不安が拭えなくて、
手を離せば、今度こそ届かないどこかへ行ってしまう気がして。


だから、此処に残る事に決めたのだ。


最初は見張らなければという意志がその内にあったけれど、
彼と新しい仕事をこなしていく内に、段々と、その生活そのものを楽しむ様になっていって。
家に縛られる事無く、緩やかな時間の中で送る生活が、大切になっていって。


気付けば、何年も経ってしまっていた。




現実に引き戻される切欠となったのが、楪葉との再会だっただけの事。






それなりの覚悟を持って、彼と向き合ったつもりだった。


何を言われても受け入れようと固く決心した上で、席に着いたつもりだった。



……内容が、想像していた以上だったもので、
自分の頭はあっという間にいっぱいいっぱいになってしまって。




「…………」



改めて、向かいの彼を見つめる。

同じ色の浅葱には、自分には無い苦悶の色が滲んでいる。




数年間、息を潜めて。身を隠して。
記憶を燃料に枢木の家への激情を内で燃やし続けてきたのだろう。

自分の言葉で、彼の数年を無碍にする様な事は、きっとどう頑張っても出来やしない。
無理矢理止めようとした所で、きっと自分の力は彼には到底及ばない。


そんな――歴然とした格差があるにも関わらず。


彼は、自分を信じて全てを話してくれた。


お前は理解するなと言ってくれた。



……巻き込みたくないと、言ってくれた。





「俺、は……」




膝の上に乗せた両手をぎゅっと握れば、汗が滲んでいた事を自覚する。
ふぅ、と一度深く息を吐き出して。新鮮な空気を肺に取り入れて。

口を開いた。




「俺は、叔父さんが抱えてきた気持ちを否定はしない。

　仮にこの話を持ち帰って家の人間に伝えようとしたところで、
　何年も帰ってない俺も、叔父さんと同じ裏切り者扱いされるのが目に見えてるし。

　それに、そうでないとしても……叔父さんの感じてきた疑問とか、不満。
　分からない訳じゃないんだ」



元より、外の世界への興味を与えてくれたのは、叔父だった。


この世界で、共に生活をするにあたり。
あの頃話に聞いた“普通らしさ”を身を以て知る事が出来た。

そうなると、浮き彫りになってくるのが実家の異質さなのだ。

古い伝統を重んじて、家の為に働く事は当たり前。
個での思考は無いに等しく、これまでも多くの親族が何の疑問も持たずにその生涯を駆け抜けていった。


自分とは違う感性を、以前より抱いていた叔父の方が。
自分よりも長く生きてきた叔父の方が。
……そんな身内を、自分よりも目にしてきた筈で。


……きっと、追いつめられた先。
そうするしか無いと思ってしまったのだろうと、分かる。



分かる、から。





「見逃す……って言い方が正しいかは分からないけど、
　……そもそも、どういう形で決着を付ける気なのか今の俺には想像もつかないけど。

　叔父さんがやろうとしている事を、俺には、止められない」





分かるから、こそ。




「……でも、」





「……、命に関わる様な危ない事は、しないでほしい……って、思う」





そんな叔父に、自らを犠牲にしてほしくないのだ。



込み上げる感情を、言葉を選んで当て嵌めて。
やや辿々しく紡がれた声音は、少しばかり震えていた様に思う。





「…………」



当の叔父はと言うと、
最初の言葉で少なからずの安堵を見せていた――にも関わらず。


続いたその言葉に、ぽかんと。

分かり易く……それはもうとても分かり易く驚いていて。
目も口も、まあるく形作られていて。



やがて、


「……っふふ、」


破顔した。


「っはは、こどもの我儘みたいな言い方」

「分かり切ってる事をわざわざ言うのは性格悪いよ」


「都合の良い事しか言ってないって自覚、あるんだな」


それは自分でも少なからず思っていた事であるが故、
指摘されれば先程の喉の強張りはどこへやら、すらすらと言い返せば唇を尖らせた。


それでも、叔父の笑い声を聞いてほっとしてしまったのも事実だ。

苦しそうにも映った彼の表情も、少しばかりリラックスしたのか顔色が良くなった様に感じられ。
互いの間に流れていた空気も、幾分か穏やかなものへと変わってくれた様に思う。



「…………」




「……正直、何をしてでも止められるかなって。思ってた」




観念した様子で、苦笑混じりに叔父はそう告げる。

そんな様子を目にして、漸く。伸ばしていた背筋の力を緩め、背凭れに体を預ける事が叶った。


「……、大賛成とは言えないけど……」

「流石の俺もそこまでは求めてなかったって。
　……でも、止めずにはいてくれるんだろ？」

「余程危ない事をしようとしない限りは」

「譲らねぇな、お前も」



くつくつと喉を鳴らしつつも、叔父は「今はそれでもいい」と続けた。


「……策は、あるの？」

「まあ、一応は。
　でも“危なくないので”って条件出されちゃあな〜。また一から考え直しだ」


それはつまり、危険を前提に事を起こそうとしていたという事だ。

それを聞いて、きっと自分は表情を顰めてしまったのだろう。
向かいの叔父がじっと見つめてきては「考え直すって言ってるだろ」なんて言葉を重ねてきた。



ある日、何の前触れも無くいなくなってしまった彼の事だ。

きっと突拍子も無い事を考えていたのだろう。
それこそ、自分の想像の範疇を越える様な事を。



「…………」






自分は、手を貸さない。


けれど、

今までは探るばかりで変に意識する事は無かったが。

もう少し……もう少しだけ、こうして一緒に過ごしていれば。



叔父の思考や、考え方の方向性を――理解出来る様になる日が、来るだろうか。





（……叔父さんの言葉は、信じるけど）





そうしたら、もしもの。いざという時。


もしも叔父に、危険が差し迫ったら、



自分が叔父を――救い出す事が、できるだろうか。






（……俺も、）



（考えないと）






自分に出来る事を、探す為に。



彼が策を練り直すのと同じ様に、自分も。策を、練らねば。






「…………」





そんな自分の思考を、知ってか。知らずか。



向かいの叔父は、「有難う」と。






申し訳無さそうに、微笑んでいた。

ItemNo.3 剛毛 を破棄しました。
ItemNo.12 腐肉+1 を破棄しました。
ItemNo.14 腐肉+1 を破棄しました。
ItemNo.15 腐肉+1 を破棄しました。
ItemNo.21 腐肉 を破棄しました。

十九号(153) から 水仙 を手渡しされました。

十九号(153) に ItemNo.45 ふさふさ を手渡ししました。

ItemNo.40 白檀の塗香 を使用しました！
　魔香のため、体調は回復しなかった。
　今回の全戦闘において 回復40 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

変化LV を 25 DOWN。（LV25⇒0、+25CP、-25FP）

命術LV を 3 UP！（LV35⇒38、-3CP）
幻術LV を 2 UP！（LV35⇒37、-2CP）
百薬LV を 10 UP！（LV25⇒35、-10CP）
領域LV を 15 UP！（LV20⇒35、-15CP）
料理LV を 5 UP！（LV42⇒47、-5CP）

十九号(153) の持つ ItemNo.41 ビーフ から料理『キョフテのトマトソース煮』をつくりました！
　⇒ 美酒佳肴！［ 5 6 4 = 15 ］成功！料理の付加効果のLVが増加！
ItemNo.4 ビーフ から料理『肉野菜炒め』をつくりました！
　⇒ 美酒佳肴！［ 4 5 3 = 12 ］成功！料理の付加効果のLVが増加！
　⇒ 肉野菜炒め／料理：強さ28／［効果1］活力7 ［効果2］体力7 ［効果3］防御7

ItemNo.42 ビーフ から料理『フランクフルト』をつくりました！
　⇒ 美酒佳肴！［ 2 3 2 = 7 ］成功！料理の付加効果のLVが増加！
　⇒ フランクフルト／料理：強さ28／［効果1］活力6 ［効果2］体力6 ［効果3］防御6


ササキ(458) とカードを交換しました！

番和の札 （ライブラリ）


スピリトゥス を研究しました！（深度0⇒1）
超過適応 を研究しました！（深度0⇒1）
贖罪山羊 を研究しました！（深度0⇒1）

応病与薬 を習得！
クラーレ を習得！
カーラクータ を習得！
ワイヤースライス を習得！
リザレクポーション を習得！
ブリザード を習得！
カンタレラ を習得！
星河一天 を習得！
マッドパーティ を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

十九号(153) は 榧 を入手！
枢木(296) は 月夜茸 を入手！
枢木(296) は ふさふさ を入手！
枢木(296) は 立派な羽 を入手！
十九号(153) は ビーフ を入手！

十九号(153) に移動を委ねました。

アライ区 H-2（森林）に移動！（体調20⇒19）
アライ区 G-2（森林）に移動！（体調19⇒18）
アライ区 G-3（森林）に移動！（体調18⇒17）
アライ区 G-4（森林）に移動！（体調17⇒16）
アライ区 G-5（草原）に移動！（体調16⇒15）

採集はできませんでした。
　　 - 十九号(153) の選択は ミナト区 I-12：チェックポイント《図書館》（ベースキャンプ外のため無効）

［826 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［447 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［491 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［198 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［402 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［323 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［246 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［182 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［103 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［145 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［141 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［277 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［35 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［147 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［77 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［93 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［67 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う
［43 / 200］ ―― 《本の壁》荒れ狂う領域
［66 / 100］ ―― 《珈琲店》反転攻勢
［100 / 100］ ―― 《屋台》更なる加護
［55 / 100］ ―― 《苺畑》不安定性
［0 / 100］ ―― 《荒波》強き壁
［0 / 100］ ―― 《小集落》猛襲
［0 / 100］ ―― 《落書き壁》リアクト



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　

　　　･････ヴオオォォォ･･･ッ！！

　

　

　

チャットに響く走行音。

　

　

　



　

　

　　　ヴォンヴォンヴォンヴォンッ

　

　




　

アルメシアがバイクで登場する。

　

　

　








　








　

　

　







　

　

　　　――ザザッ

　

　

　

　

チャットが閉じられる――