［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

[追想：明くる日]











右眼を奪われてからというもの、毎日を俯いたまま過ごしていた。
そうなるのも無理はない。
突如として襲われた恐怖、理不尽さ、片目を欠いて将来を生きる不安、
魔力源を失ったことによる自身の存在意義への自問。
挙げていくときりがないほどに。

主人が人を出して、眼と男が落ちた海のあたりを捜索させたものの、波間の激しい場所である。
ついぞ何も見つかることはなかった。
せめて、と気を利かせて腕の良い義眼職人に掛け合う約束をするも、やはりそれで気分が上向くはずもなく。

そうしたいきさつを見かねたのか、気晴らしにと奥方が湯治旅行を提案した。
なんでも、良い宿があるからと。
他の使用人も何名か連れて慰安旅行がてら、観光も兼ねて、と。





朝早くから馬車に揺られて。
遠く緑の広がる晴れやかな景色が続く。
昼も過ぎた頃、丘を越えた先、眼下に目的の街が見えてくる。
なだらかな坂を下り、街へと入る。
有名な観光地らしい。街角の至る所が飾り付けられ、ゆく人々も浮かれた表情をして見える。
やがて到着したのはこの街でもひときわ大きな宿。
馬車を降り立ち中に入る。外観もそうであったが、内部も広々とした空間となっている。
楽しそうに談笑する他の客の姿もちらほらと見える。

賑やかな光景に当てられ、ルピスも少し観光客気分になってしまう。
もっとも、ずっと傷心状態でいたものだから、それを傍置いてよいものか、自身のことながら複雑な気分だった。
自分のために旅を企画してくれたのだから、目的通りで何も悪いことは無いのだが。

それはそれとして、あくまで自分は使用人なのだから。
整理の付かない気持ちから一旦は切り替えたくて、荷を持つ宿の従業員と共に、主人の手を取り上階へと案内した。





街を散策し、宿に戻り湯を浴び終わった頃にはすっかり陽も落ちていた。
湯の方は薬効があるとかで、さすがに目はどうにもなるはずがないものの、
幾らかリラックスできたようだった。
夜はまだあのときのことを思い出してしまって怖くなってしまうけれど、
屋敷の静けさとは違って、街の橙の明かりの一つ一つが空をぼんやり支えているのを眺めていると、
少なくともこのときだけは何もかもから解放されているように思えた。

明日はどこに行こう。
ロビーにいた人達が話していた名所に行ってみようか。

ひさしぶりに明日の事を考えながら眠りに就いた。

























































――どうして。



猛り狂う炎が、宿をまるごと焼き焦がさんとしていた。
宿の従業員や近隣の人々が総出で消火に当たるも、火は勢いを増すばかりであった。
群衆は遠巻きに、ルピスもその中の一人として、燃え上がる様子をただ茫然と眺めることしかできなかった。

皆が寝静まった深夜、いずこからか火の手が上がったらしく、
逃げろと知らせる声に叩き起こされると、皆、着の身着のまま逃げ出してきたようだ。

寝起きで意識がはっきりしないのか、それとも炎に揺らめく空気の熱に当てられたのか、
消火活動に当たる人々の声が、膜を一枚隔てたようにどこか遠く、ぼんやりとして聞こえた。



柱が焼け、崩落の音が夜に走った。
そこにきて、はたと気付く。
（旦那様は、奥様は。ご一緒の皆様は――）

燃え盛る宿へと思わず駆け出しそうになったところを、その腕を背後から掴まれる。

「……よしなさい」

落ち着いた、冷静ともとれる声に振り返る。奥方の顔があった。

「奥様！　ご無事で…………！」

この混乱した状況下で無事が確認できるといくらか安堵した。
だが。
周りを見回しても主人の姿は見当たらなかった。

「あの、旦那様は…………？」

恐る恐る尋ねるも、ただ沈黙を返すのみであった。

そう、思い起こせば主人は足を悪くしており、いつも歩行には杖が欠かせなかった。
そもそもルピスを雇ったのも、足が悪いからという理由での家事手伝いとしてであった。

魔術は万能ではない。
足を治すことも、ひとりでに家事を片付けることすらできやしない。
いわんや。いくら魔術が使えるといっても、この火では。

逃げ遅れたに違いない。


改めてそう確信すると、すぐに再び駆け出そうとしていた。

「奥様、お手をお離しください！　旦那様がまだ中に！」



懇願するルピス。
その頬を、平手が打った。


宿は既に全焼も同然。無謀な救出を試みようとする行いを窘める――
――にしては、一切の加減の無い様相であった。
平手打ちというよりも張り倒した、という表現が正確か。
乾いた大きな音が響くと共に、地面に倒れ込む。
周囲の人間も何事かと視線が集まった。

「っ！？　奥様…………！？」

突然の事態に動揺する。
どうしてこのような仕打ちを受けなければならないのか。
息が詰まる。胸が握り潰されるような感覚の中で思考を巡らせる。

どうしてって。そんなの。


無言であった奥方が口を開く。

「……そもそも私は反対だったのよ」

ぽつぽつと、震える声で。

「普通の子でよかったのよ。使用人なんて」

「それを……、あの人が。かわいそうだからって」

「『呪い』なんて、噂話だ、って」



あぁ。
そうだ。
やっぱり。そう。やっぱりそう。
それ以外考えられなかった。打たれた理由。

結局そうなんだ。私は。
少しでも、普通に生きていけるかもしれないなんて、少しでも思ったのは本当にばかみたいだった。
何を思い違いしていたんだろう。何を思い上がっていたんだろう。
人に迷惑ばかり掛けるくせに。迷惑しか掛けないくせに。
迷惑？　って、違う。そんなに軽々しい言葉なんかじゃない。私がしてきたことは。
災い。前に私のことを誰かがそう言っていた。周囲に災いをもたらす存在、と。
そう。災いとか、呪いとか、そういうものなんだ。自分は。



黙って唇を噛むことしかできなかった。



「……これではっきりしました。やはりあなたは『居てはならない』」

奥方の言葉は続く。

「あなたは当家の所有物。本来であれば即時処分してしまうべきですが――」

「物とはいえ亜人、人であるからにはさすがに私の独断で裁きを下すのは憚られます」




語勢を強めて告げる。

「よって。ここは公正に、『査問会』にあなたの処遇を一任することとします」

ItemNo.4 ダイヤモンド・ペンデュラム を破棄しました。
ItemNo.43 毛 を破棄しました。

ItemNo.9 うさビーフ を食べました！
　体調が 2 回復！（12⇒14）
　今回の全戦闘において 活力7 体力7 防御7 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

魔術LV を 1 DOWN。（LV35⇒34、+1CP、-1FP）

制約LV を 1 UP！（LV34⇒35、-1CP）
変化LV を 5 UP！（LV30⇒35、-5CP）
合成LV を 5 UP！（LV35⇒40、-5CP）

"シュウ"(190) により ItemNo.30 丸太 から聖衣『マギアショール』を作製してもらいました！
　⇒ マギアショール／聖衣：強さ218／［効果1］体力45 ［効果2］－ ［効果3］－

ItemNo.8 ガラス瓶 から護符『ガラス水晶』を作製しました！
　⇒ ガラス水晶／護符：強さ109／［効果1］舞反10 ［効果2］－ ［効果3］耐霊19

一紗(1075) の持つ ItemNo.1 活力漲る魔力溢れる赤い塊 から装飾『猛り狂う羽根』を作製しました！
"シュウ"(190) の持つ ItemNo.7 藤 から装飾『狂った時計』を作製しました！

血染めの月(307) により ItemNo.30 マギアショール に ItemNo.28 小さな灯火 を付加してもらいました！
　⇒ マギアショール／聖衣：強さ218／［効果1］体力45 ［効果2］器用30 ［効果3］－

藤井(932) とカードを交換しました！

捕食者 （ファイアプレデター）


スーパーパフォーマンス を研究しました！（深度0⇒1）
スーパーパフォーマンス を研究しました！（深度1⇒2）
エフェメラルドリーム を研究しました！（深度0⇒1）

ナタナエル を習得！
バンカー を習得！
ドゥームトラップ を習得！
強化合成 を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

ラプリナ(26) は 錆びた刃 を入手！
ルピス(608) は 錆びた刃 を入手！
ディルクルム(889) は ドラム缶 を入手！
一紗(1075) は ドラム缶 を入手！
ルピス(608) は おさかな を入手！
ルピス(608) は 不思議な雫 を入手！
ディルクルム(889) は 躍動石 を入手！
ディルクルム(889) は 不思議な雫+1 を入手！

ラプリナ(26) に移動を委ねました。

タニモリ区 K-1（沼地）に移動！（体調14⇒13）
タニモリ区 K-2（沼地）に移動！（体調13⇒12）
タニモリ区 K-3（沼地）に移動！（体調12⇒11）
タニモリ区 J-3（沼地）に移動！（体調11⇒10）
タニモリ区 I-3（森林）に移動！（体調10⇒9）

MISSION!!
タニモリ区 I-3：ヤガミ神社 が発生！
　　 - ラプリナ(26) が経由した タニモリ区 I-3：ヤガミ神社
　　 - ルピス(608) が経由した タニモリ区 I-3：ヤガミ神社
　　 - ディルクルム(889) が経由した タニモリ区 I-3：ヤガミ神社
　　 - 一紗(1075) が経由した タニモリ区 I-3：ヤガミ神社

［837 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［454 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［498 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［203 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［406 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［325 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［245 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［182 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［98 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［148 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［135 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［266 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［32 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［123 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光
［67 / 300］ ―― 《渡し舟》蝶のように舞い
［81 / 200］ ―― 《図書館》蜂のように刺し
［62 / 200］ ―― 《赤い灯火》蟻のように喰う
［34 / 200］ ―― 《本の壁》荒れ狂う領域
［49 / 100］ ―― 《珈琲店》反転攻勢
［68 / 100］ ―― 《屋台》更なる加護
［51 / 100］ ―― 《苺畑》不安定性
［0 / 100］ ―― 《荒波》強き壁



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　





　




　





突然チャットに現れるマッドスマイルちゃん。

　






疑いの目で見るふたり。

　








不満そうな顔で腕を組むエディアン。

　

　

　











チャットから抜けるマッドスマイルちゃん。

　

　

　

　

　

　




　




　

　

　

チャットが閉じられる――

ヤガミ神社。

　

鳥居は崩れているが、本殿は形を維持している。

本殿に近づくと、ガタガタ･････　何かが動く音がした。

　






　

ガタガタガタッ

　

賽銭箱が地から離れる。

怪しげな光を纏い、近づく･････




（初発生のイベント戦：異能FP+5！生産FP+5！）